It's Only a Movie, But …

シネマ1987online

決算!忠臣蔵

忠義からお金の話へ

12月14日は忠臣蔵の討ち入りの日。この日に前後して、忠臣蔵についての映画が公開されることが多い。この映画もその例に漏れないが、視点が忠義の話からお金の話になっている。

赤穂藩主・浅野内匠頭が江戸城・松之廊下で刃傷騒ぎを起こし、浅野家はお取りつぶし、内匠頭は即日切腹させられる。城代家老の大石内蔵助はお家再興のために幕府へ働きかけるが、うまくいかない。江戸の庶民は吉良上野介へのあだ討ちを熱望するが、討ち入りするにも多額の金が必要だった。工面した800両(約9500万円)も見る見る減り、大石は追い詰められる。

山本博文の原作を「殿、利息でござる!」「忍びの国」の中村義洋監督がうまく映画化している。大石内蔵助を堤真一が演じ、岡村隆史、浜田岳、横山裕、荒川良々、妻夫木聡、竹内結子、西川きよしなどが共演。大石内蔵助が記した決算書を基に作られているので、現実味のある話でもある。今も昔も先立つものがないと何もできないのは少し悲しいかもしれない。(2019年12月12日・酒井)

TOP