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シネマ1987online

七つの会議

組織に翻弄される悲哀

東京建電は都内にある中堅メーカー。その営業会議では、社内で絶対的存在の営業部長・北川(香川照之)の激しいげきが飛ぶ中、万年係長の八角(野村萬斎)はいびきをかいて寝ていた。そんな彼を叱責(しっせき)した年下のエリート課長・坂戸(片岡愛之助)は逆に八角からパワハラで社内委員会に訴えられる。

委員会が下した裁定は意外にも坂戸の左遷という厳しいものだった。後任の課長に着任した原島(及川光博)はこの人事を不審に思い、その真相を探り始める。やがてパワハラ騒動に隠されたある謎が会社の存在をも揺るがし始める。

人気作家・池井戸潤のベストセラー企業小説が原作。監督は同じ池井戸潤原作のテレビドラマ「半沢直樹」「下町ロケット」や、東野圭吾原作の映画「祈りの幕が下りる時」などを手掛けた福澤克雄が務めている。

映画はミステリータッチでぐいぐいと押してくるので、最後まで緊張感を持って見ることができる。サラリーマンが営業成績を上げるために奮闘する姿や組織に翻弄される悲哀をうまく描いている。そして一番大切なものは何なのかを考えさせられる。サラリーマンにはぜひ見てほしい。(2019年2月7日・酒井)

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