コンテイジョン

感染拡大をリアルに

ミッチ（マット・デイモン）の妻ベス（グウィネス・パルトロウ）は香港出張の後、せきと熱の症状が出てミネアポリスの自宅で死亡する。息子も同様の症状で死亡。香港、ロンドン、東京で似た症状で亡くなる人々が続出する。疾病予防管理センターのエリン・ミアーズ（ケイト・ウィンスレット）は伝染病とみて調査を始める。

タイトルは「伝染病」のこと。「オーシャンズ11」シリーズのスティーブン・ソダーバーグ監督の2011年製作作品。リサーチが行き届き、感染の経路や特効薬のデマ、民衆の暴動など新型コロナウイルスが問題となっている今の世界を予見しているよう。容体が急変して人々が死ぬ描写は新型コロナの軽症の自宅待機者が不審死した最近のニュースを連想し慄然とさせられる。パンデミック（世界的感染拡大）をリアルに描いて学ぶところが多い。（2020年5月21日・小野公宇一）