デッド・ドント・ダイ
オフビートなゾンビ
のどかな田舎町で警察署長のクリフ(ビル・マーレイ)は部下のロニー(アダム・ドライバー)とニワトリの捜索に駆り出されていた。そんな中、夜になっても明るく、スマホや時計が故障するなど異変が起きる。ダイナーでは女性が惨殺される。よみがえった死体、ゾンビのしわざだった。
「パターソン」のジム・ジャームッシュ監督の新作。「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」では吸血鬼を題材にしたが、今回はゾンビ。この監督だとホラーにはならず、牧歌的でオフビートなコメディーと化す。日本刀を振り回してゾンビを切り倒すティルダ・スウィントンの役名がゼルダ・ウインストンというのも笑える。彼女が中心となる終盤は奇妙きてれつで呆然とさせられる。
好悪が分かれそうな作品だが、乗れるか乗れないか、映画館で一種の肝試しをしてみてはいかが。(2020年6月11日・小野)