最高の花婿
四女の結婚巡る喜劇
フランスのロワーヌ地方で暮らすヴェルヌ夫妻はカトリック教徒でド・ゴール支持者という「典型的なフランス人」。そんな彼らが育てた4人の娘のうち3人は中国人、ユダヤ人、アラブ人の婿とそれぞれ結婚し、四女はアフリカ出身の婿を連れてくる。婿同士がいがみ合い、時には民族や文化の対立となる。そして「四女はフランス人」と結婚しなさい、と娘同士でも小競り合いになる一幕は見ていられない。
四女の結婚をめぐるドタバタ劇を描く「最高の花婿」(2013年)、4姉妹夫婦が婿の祖国に移住しようとして、それを両親が阻止しようとする「最高の花婿 アンコール」(2018年)。両作とも見れば前編、後編としても楽しめそう。そして「レ・ミゼラブル」とは一味違った多民族国家・フランスを楽しめること請け合いだ。
(2020年6月18日・滝田)