劇場版「鬼滅の刃」無限列車編

現代に響くダークファンタジー

吾峠呼世晴の同名コミックを原作にして大ヒットしたテレビアニメの続編。

大正時代、炭売りの少年・竈門炭次郎（かまどたんじろう）は家族を鬼に惨殺される。唯一生き残った妹の禰豆子（ねずこ）は鬼に変ぼう、炭次郎は妹を人間に戻すため鬼と戦う鬼殺隊に入る。短期間に40人以上が行方不明になった無限列車に仲間とともに乗り込んだ炭次郎は、乗客を眠らせて廃人にしようとする鬼と対決する。

鬼殺隊最強の剣士の一人で強い信念を持つ煉獄杏寿郎（れんごくきょうじゅろう）のキャラクターがいい。煉獄と一緒に難敵に挑む炭次郎の成長物語としても好感が持てる。列車の中で眠り続ける人々には、幸せな夢や都合のいい夢を見たがる今の日本人が重ねられているのか。現代に響くダークファンタジーだ。監督はテレビ版と同じ外崎春雄。（2020年10月29日・小野）