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シネマ1987online

AI崩壊

人間を選別し殺りく

天才科学者の桐生浩介(大沢たかお)はAIのプログラムでがん細胞を消滅させる新発明により妻の病気を治そうとするが、法整備が間に合わず妻を亡くしてしまう。2030年、桐生は医療AI「のぞみ」開発の功績が認められ、海外から帰国する。だが突然「のぞみ」が暴走、個人のデータから人間の生死を選別し殺りくを始める。桐生を事件の主犯と追う警察庁の捜査官・桜庭(岩田剛典)の捜査網をかいくぐり、AIの暴走を止められるのか。

「22年目の告白 私が殺人犯です」の入江悠監督がオリジナル脚本で挑んだ新作。コンピューター管理の個人情報が悪用される事件は実際に起きているうえ、AIの人間選別の背後にある超高齢社会や少子化の問題は、これからの日本ではいっそう深刻さを増すだろう。リアルで恐ろしいサスペンス映画の秀作だ。(2020年02月20日・小野)

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