いのちの停車場
在宅医療の現場描く
東京の救命救急センターの医師・白石咲和子はある事件の責任をとって退職、金沢の実家に帰り、「まほろば診療所」で在宅医として再出発した。診療所では院長の仙川徹と訪問看護師の星野麻世が働いていたが、大学病院の事務職を辞めて咲和子を追ってきた野呂聖二が加わる。咲和子は救命救急とは違う医療の形に戸惑うが、在宅医療だからこそできる命の向き合い方があることを学んでいく。
現役医師で作家の南杏子の小説が原作。監督は「グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇」などの成島出、主演は吉永小百合。松坂桃李、広瀬すず、田中泯、西田敏行らが脇を固めている。原作者は「『いのち』の終わりが、ほんの少しでもあたたかいものでありますように」との思いでこの作品を書いたと語っている。(2021年5月27日・酒井)