スイング・ステート
痛快な政治風刺劇
民主党の選挙参謀ゲイリー・ジマーは次の大統領選挙に向け、農村部の票獲得に頭を悩ませていた。そんな時、退役軍人ジャック・ヘイスティングス大佐の感動的な演説を見て、彼を激戦州であるウィスコンシン州の田舎町ディアラーケンの町長選挙に立候補させることを思いつく。一方、共和党は対立候補の選挙参謀としてゲイリーの宿敵フェイス・ブルースターを送り込み、小さな町の町長選がエスカレートしていく。
米国の風刺ニュース番組の司会で知られるコメディアンのジョン・スチュワートが監督。主演にスティーヴ・カレルを迎えて作った政治風刺コメディー。大統領選挙で勝敗の鍵を握る激戦州「スイング・ステート」の町長選が民主・共和両党の威信をかけた仁義なき代理戦争に発展していくさまは見ていて痛快だ。民主主義の根幹である選挙の意義を問い直す作品でもある。(2021年11月11日・酒井)