スウィート・シング

子供への優しいまなざし

アメリカのマサチューセッツ州に住む15歳の少女ビリー（ラナ・ロックウェル）と11歳の弟ニコ（ニコ・ロックウェル）は、酒を飲むと人が変わってしまう父アダム（ウィル・パットン）と暮らしていた。ある日、父が強制入院させられることになり、保護者のいなくなった姉弟は離れて暮らす母親イヴ（カリン・パーソンズ）に引き取られる。

第70回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門で最優秀作品賞を受賞。監督は「イン・ザ・スープ」のアレクサンダー・ロックウェルで、監督の実子ラナ・ロックウェルとニコ・ロックウェルが姉弟を演じ、監督のパートナーのカリン・パーソンズが母イヴ役を演じている。過酷な境遇を乗り越えようとする姉弟を16ミリフィルム撮影による美しいモノクロとパートカラー映像で描いている。子供を見つめる優しいまなざしが全体を覆い、愛情に満ちた作品だ。（2021年12月2日・酒井）