映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021
大人が引き込まれる一作
藤子・F・不二雄原作の劇場版長編第41作で第6作のリメーク。監督は山口晋。
のび太(大原めぐみ)は小さなロケットを拾う。中から現れたのは小さな宇宙人パピ(朴璐美)だった。ピリカ星の大統領で、反乱軍から逃れてきたが、クジラ型の宇宙戦艦が追ってきていた。パピを守るため、のび太はドラえもん(水田わさび)たちとピリカ星へ出発する。
タイトルの末尾は「2022」でなく「2021」で、コロナ禍で1年延期されての公開。独裁者が少年大統領を処刑し、ピリカ星を支配しようとするところなど現実のロシアのウクライナ侵攻が重なり、異様なリアリティーを持って迫る。スネ夫(関智一)が義勇軍を一時離脱し、戦うのが「怖い」と言う場面も心に残る。子ども以上に一緒に劇場に訪れた大人がひき込まれる一作だ。(2022年3月17日・小野)