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シネマ1987online

峠 最後のサムライ

幕末武士の生き方

幕末、烏羽・伏見の戦いを皮切りに戊辰戦争が勃発する。越後長岡藩は藩主(仲代達矢)の意向を受けた家老・河井継之助(役所広司)が朝廷にも幕府にも属さない独立した藩として進むことを決める。侵略されるのを阻止するため、継之助は藩の武器の充実に努める。和平を願って臨んだ談判は決裂、西軍と砲火を交えることになる。

司馬遼太郎の長編時代小説「峠」を原作として、「雨あがる」や「蜩ノ記」などの監督小泉堯史が脚本と監督を務めている。原作の終わりの方の「朝廷軍」対「長岡藩」の戦闘場面を映画の中心に置き、継之助の侍としての生き方や考え方を見事に描き出した。

役所広司や仲代達矢、松たか子などの出演者たちが素晴らしい演技を見せ、見応えのある作品にしている。継之助の行動や長岡藩のことを、現代の視点で考えた作品でもある。(2022年6月23日・金川)

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