天才ヴァイオリニストと消えた旋律

35年前の真実探す旅

1938年のロンドン、ポーランド人でバイオリンの天才少年ドヴィドルが９歳の少年マーティンの家に引き取られてくる。当初は半目しあうが、やがてマーティンとドヴィドルは兄弟のような絆で育つ。しかし、21歳となったドヴィドルはデビューコンサートの当日、突然いなくなってしまう。35年後、マーティンはある青年のバイオリンの音色を耳にしたことで、手がかりをつかむ。ドヴィドルが消えた真実を探す旅が始まった。

姿を消した天才バイオリニストを追い求める主人公をミステリアスに描いた作品。監督は「レッド・バイオリン」「シルク」のフランソワ・ジラールで、「海の上のピアニスト」のティム・ロスと「クローサー」のクライヴ・オーウェンが出演している。

音楽ミステリーの形をとりながら、ナチスのホロコーストで亡くなったユダヤ人たちの悲しみが映画を覆い尽くしている。（2022年1月20日・酒井）