エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
全宇宙と家族の危機
破産寸前のコインランドリーを経営するエヴリン(ミシェル・ヨー)は頼りない夫ウェイモンド(キー・ホイ・クァン)と反抗期の娘ジョイ、頑固な父と暮らしていた。国税局から納税申告の不備を指摘され、疲れ果てたところで、突然夫に“別の宇宙の夫”が乗り移り、強大な悪の存在によって危機に直面した全宇宙を救ってほしいと頼まれる。エヴリンは全人類の命運を懸けて巨大な悪と闘うべく立ち上がる。
アカデミー賞で最多10部門にノミネートされ、7部門を制した。監督は「スイス・アーミー・マン」のダニエル・クワンとダニエル・シャイナートのコンビ。中年女性が突然、多元宇宙を舞台に全宇宙を救う戦いを強いられる設定だが、うまくファミリードラマになっている。ハチャメチャな作品だが、作品の世界観に身をまかせるのが楽しむコツだろう。(2022年3月9日・酒井)