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日本社会の縮図の村

河村光庸の企画を「新聞記者」の藤井道人が監督し、脚本も担当した最新作。

夜霧漂う中、薪能の儀式が行われている霞門村(かもんむら)。山にあるゴミ処理施設で働く片山優(横浜流星)は、かつて父親が起こした事件の汚名を背負い、母親が抱えた借金の支払いもかさんで希望のない日々を送っていた。ある日、幼なじみの美咲(黒木華)が東京から帰り、同じ施設の広報で働き始めたことから、片山の人生も動き始める。

「犬神家の一族」を思わせる、閉ざされて因習に縛られた「村」を舞台としたドラマ。村での人間関係は同調圧力、格差や貧困など日本社会の縮図を思わせる。主演の横浜流星も好演だが、横浜の最後の顔を見ると、藤井監督が信頼し、ほれ込んでいるのが分かる。岩代太郎の音楽もいい。エンドロールの後にも映像がありますので、席をお立ちになりませんよう。(2022年4月27日・小野)

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