バビロン

1920年代の映画界描く

「ラ・ラ・ランド」の鬼才デイミアン・チャゼル監督の新作。

1920年代のハリウッド、映画製作を夢見る青年マニー（ディエゴ・カルバ）は業界の豪華なパーティーにやってきた女優のネリー（マーゴット・ロビー）と意気投合する。ネリーは映画デビューを果たし、マニーはサイレント映画の大スター、ジャック（ブラッド・ピット）の助手となる。だがトーキー映画の革命の波がハリウッドに押し寄せる。

象の糞、人の尿から始まり、ハリウッドを糞尿まみれで描いたような映画。この手のものではフェリーニやパゾリーニの諸作があったが、デリカシーがなく、あきれる。好悪が分かれそうだが、映画史を俯瞰（ふかん）した構成に興味は尽きない。189分の長さを飽きさせないのもさすが。ラストに出てくる名画が何作分かるか、当てっこするのも一興だ。（2022年2月16日・小野）