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ウルトラマンコスモス2 THE BLUE PLANET

「ウルトラマンコスモス2」パンフレット

話はテレビシリーズが終わった後の設定で、番外編と言っていい内容。昨年公開された「ウルトラマンコスモス」(未見)はテレビシリーズが始まる前の話だったので、2つの映画にテレビを挟む構成となる。テレビシリーズの後なので、ムサシ=コスモスということはチームEYESのメンバーは知っている。しかし、ムサシはコスモスと別れたため、自由に変身できないというのがポイントか(単なる設定にとどまっているが)。SFXはテレビよりはるかにましだが、話に破綻はないにしても今ひとつ新鮮さがないし、引きつけられる部分もない。監督の北浦嗣巳は「特撮怪獣映画」を目指したそうだが、ゴジラやガメラのような怪獣映画はまず怪獣の魅力を十分に伝えるところが基本にある。怪獣スコーピスは出自もはっきりしないし、その親玉のサンドロスもただ強いだけである。基本的にはスーパーヒーローもののテレビの話を引き伸ばしただけという感じが拭いきれない。怪獣映画の分かる脚本家を入れた方が良かっただろう。

話はテレビシリーズが終わった後の設定で、番外編と言っていい内容。昨年公開された「ウルトラマンコスモス」(未見)はテレビシリーズが始まる前の話だったので、2つの映画にテレビを挟む構成となる。テレビシリーズの後なので、ムサシ=コスモスということはチームEYESのメンバーは知っている。しかし、ムサシはコスモスと別れたため、自由に変身できないというのがポイントか(単なる設定にとどまっているが)。SFXはテレビよりはるかにましだが、話に破綻はないにしても今ひとつ新鮮さがないし、引きつけられる部分もない。監督の北浦嗣巳は「特撮怪獣映画」を目指したそうだが、ゴジラやガメラのような怪獣映画はまず怪獣の魅力を十分に伝えるところが基本にある。怪獣スコーピスは出自もはっきりしないし、その親玉のサンドロスもただ強いだけである。基本的にはスーパーヒーローもののテレビの話を引き伸ばしただけという感じが拭いきれない。怪獣映画の分かる脚本家を入れた方が良かっただろう。

ムサシ(杉浦太陽)はチームEYESを離れ、宇宙飛行士になっている。調査のため向かった遊星ジュランは死の星になっていた。砂漠を好む怪獣スコーピスが破壊したらしい。ムサシの宇宙船も狙われるが、そこへコスモスが現れ、ムサシを救う。というのがタイトル前の部分。地球に帰ったムサシは友人の結婚式に出るためサイパンへ行く。幼なじみのマリ(西村美保)とダイビングした際、巨大な怪獣レイジャと遭遇。ムサシはけがを負い、マリは行方不明となる。レイジャは海底に住むギャシー星人が操っていた。ギャシー星人はスコーピスに星を破壊され、地球に秘かに逃げてきていたのだった。ギャシー星人のシャウ(斉藤麻衣)は人間に理解を示すが、ジーン(松尾政寿)は強い警戒心を抱いている。そこへスコーピスが襲来。シャウと一体化し、スコーピスに立ち向かったレイジャ(このデザインはまるでデジモン)は、反対にやられてしまう。ギャシー星人とムサシの交流を描きつつ、映画は後半、北九州を舞台にスコーピスとそれを操るサンドロスに立ち向かうムサシとコスモスの活躍を描く。

ウルトラマンシリーズの映画化の中では良い部類に入る出来と思う(これまでの映画化のレベルが低すぎるのだ)。ただ、話は予定調和の中で進行し、子ども向けの域を出ることはない。仮面ライダーシリーズがクウガから新しい領域に踏み込んだのとは対照的にウルトラマンはなかなか脱却できないようだ。俳優の魅力にも乏しい。杉浦太陽の演技はテレビでは気にならないぐらいのレベルだが、スクリーンで見ると、稚拙さが目に付く。併映の「新世紀ウルトラマン伝説」は20分程度の短編。過去のウルトラマンシリーズの各場面をつないでいく構成で、懐かしい映像も。ウルトラセブンが十字架に磔にされる場面を見て、その劇的な映像の力をあらためて感じた。セブンシリーズはやはり名作。こういうドラマティックな場面がコスモスにも欲しい。

【データ】2002年 配給:松竹
監督・特技監督:北浦嗣巳 製作:迫本淳一 東聡 角田良平 児玉守弘 門川博美 天野彊二郎 浜田順一 脚本:長谷川圭一 川上英幸 撮影:大岡新一 美術:大沢哲三 衣装デザイン:小暮恵子 音楽:矢野立美 監修:高野宏一
出演:杉浦太陽 斉藤麻衣 西村美保 松尾政寿 風見しんご 斉藤りさ 加瀬尊朗 中村浩二 杉本彩 嶋大輔 坂上香織 木之元亮 嶋田久作 高樹澪 赤井英和 石坂浩二(ナレーション)  

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