出席者:横山 加賀 笹原 林田 杉尾 野口 手塚 (書記)酒井
今回は、「スウィングガールズ」、「LOVERS」そして「ヴィレッジ」です。最初は杉尾と酒井の2人だけで暗い話をしていたのですが、その後だんだん人が増えてきて8人になりました。では、合評会レポートをお送りしたいと思います。
【データ】2004年 1時間45分 配給:東宝
監督:矢口史靖 製作:亀山千広 島谷能成 森隆一 エグゼクティブ・プロデューサー:桝井省志 脚本:矢口史靖 脚本協力:矢口純子 音楽:ミッキー吉野 岸本ひろし バンドディレクター:山口れお 倉田俊太郎 撮影:柴主高秀 美術:磯田典宏
出演:上野樹里 貫地谷しほり 本仮屋ユイカ 豊島由佳梨 平岡祐太 関根香菜 水田芙美子 あすか 中村知世 谷啓 桜むつ子 渡辺えり子 小日向文世 大倉孝二 木野花 江口のりこ 高橋一生 田中要次 徳井優 武田祐子 竹中直人 白石美帆 根本直枝 松田まどか 金崎睦美 あべなぎさ 長嶋美砂 前原絵里 中沢なつき 辰巳奈都子
笹原さんがほめてたけど、女性陣は相対的に否定的です。林田、野口、手塚、杉尾、酒井の5人が見ていました。
林 田 観た直後はつまらなくなかったけど、テレビドラマぐらいのレベルだと思いました。友人を連れて行ったので友人は面白かったと喜んでいた。しかし、私は乗りそびれた。
野 口 最初になんじゃこらと思ったのは、あまりにもわざとらしい部分が多かった。お金をかけているのに画面が安っぽくて、少し悲しかったです。話自体もついていけなかった。音楽は楽しかったのですが、編集も手を抜いているように思えました。脚本はもっと練ってあったと思うのですが・・。この中で良くできていたのがフォークソングの2人兄弟でした。
手 塚 期待して行ったのですが、これはどこがおもしろいのか分からなかった。無理にこれは面白いんだと思いこみました。でも、イノシシのところは面白かった(決してこの部分は全面的に面白かったというのでもないのですが)。でも、音楽が良かったので不覚にも感動しました。でも、感動したのは映画でもなくて音楽の力です。
杉 尾 みなさんのとうりでした。わざとらしさが好きではなかった。「下妻物語」に比べると演出や脚本が違ったのかも・・・。でも、不覚にもイノシシのシーンでは笑ってしまいました。最後もジーンときました。これも音楽のせいかも。「下妻物語」に比べると強烈な個性が無かったのでしょう。メイキングを見てみたいと思います。
酒 井 こんなものかなと思いました。出来は普通です。笹原さんがほめるほどでの出来ではないし、皆さんがけなすほどでも無かったと思います。この映画、漫画チックな所が入っていけるかどうかによって評価が違ってくると思います。受けようとするところが少々鼻についで不自然になっていると思います。その点がわざとらしいのでしょう。杉尾さんが言うように「下妻物語」に比べると主人公に強烈な個性が無かったのでしょう。東北弁のなまりが良かったですね。それから、もう少し、練習して努力しているところがほしかったです。
野 口 ちょっと、役者が下手すぎて、ギャグがうまく走っていなかったのではないでしょうか。
杉 尾 どうも素直に入って行けなかったですね。
野 口 ジャズの話がほとんどなかったのでは。
いろいろと、批判が続きましたが、笹原さんがいないのが残念でした。
【データ】2004年 アメリカ 1時間48分 配給:ブエナ ビスタ インターナショナル
監督:M・ナイト・シャマラン 製作:M・ナイト・シャマラン スコット・ルーディン サム・マーサー 脚本:M・ナイト・シャマラン 撮影:ロジャー・ディーキンス プロダクション・デザイン:トム・フォーディン 衣装デザイン:アン・ロス 音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:ホアキン・フェニックス エイドリアン・ブロディ シガニー・ウィーバー ウィリアム・ハート ブライス・ダラス・ハワード ジュディ・グリアー ブレンダ・グリーソン チェリー・ジョーンズ
野口、加賀、林田、杉尾、酒井の5人が見ていました。
野 口 おもしろいと思いました。最後に彼女が塀を越えるまで、完全に騙されて現代の話とは思っていませんでした。
加 賀 この監督の作品、「シックスセンス」「サイン」と3度目なんですけど、「サイン」はどうしょうもなくて駄目でした。しかしこの作品は、決して素晴らしい作品ではないのですが、見終わった後満足感がありました。3角関係の3人もそれぞれ良かったです。ラストのシーンは、最初のシーンを見ていなかった(葬式のシーン)のでだまされなかったです。そこそこに良い映画でした。
林 田 期待していなかったので、それ以上でした。「森の中に何かがある」というのはよくある話ですが、これはだれでも感じることでしょう。2人の恋愛も良かったし、森から脱出してからの女の子の表情もなかなかでした。怖いもの見たさではなくて何かわくわくさせられました。
杉 尾 怖いと知らないで行きました。劇場で林田さんに合いました(それが怖かったかも)。見始めたら凄く怖かったです。でも単なるホラーではなくて、愛の映画でもありました。森の中にほかの種族がいて出れないようにしているのかなと思いました。社会から隔離して、災いもなくやっていけるのかなとおもいました。ああゆう落ちは、良かったと思います。でも、60人の人が住むというのは難しいものがあるのでは・・・。
酒 井 ホラーの映画のつもりで行ったのですが、愛の映画でした。非常に考えさせる事が多い作品でした。最初の葬式の部分で年代が出てきて「今から100年前の話だと見せる」のは如何な物でしょうか。あれで観客は100年前に話だから幽霊とか、伝説が生きていても仕方がないと思うわけですよね。そのイメージで映画を追いかけて行って最後にこれは現代の話でしたと言うのはずるいですね。でも、映画として現代社会への批判という主題がはっきりしていて良かったですね。
加 賀 この監督、何処で登場したんですかね。
杉 尾 最後のこの村を守っている警備員の年配のほうじゃないのでしょうか。
【一同】笹原さんがいれば、説明してくれるのに。
杉 尾 最後あと、主人公のオーラは、何色でしたか
林 田 赤だったのかしら・・・
サインと比べても、この作品は好評だったようです。
【データ】2004年 中国 2時間 配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:チャン・イーモウ 製作:ビル・コン チャン・イーモウ 製作総指揮:チャン・ウェイピン 原案:チャン・イーモウ リー・フェン ワン・ビン 脚本:リー・フェン チャン・イーモウ ワン・ビン 撮影:チャオ・シャオティン アクション監督:トニー・チン・シウトン 美術:フォ・ティシャオ 音楽:梅林茂 主題歌:キャスリーン・バトル 衣装デザイン:ワダ・エミ
出演:金城武 アンディ・ラウ チャン・ツィイー ソン・タンタン
ここで、笹原、横山両氏の登場です。この作品、加賀・林田・杉尾・笹原・横山・酒井が見ていました。
加 賀 中国映画で良かったのは「グリーン・デスティニー」ですがそれ以来の出来です。特にアクションシーンですね。竹林の中の戦い、草原での戦いそしてワイヤーアクションが一段と磨きがかかったのは良かったです。現実的でないのだけれど、説得力がありました。ストーリーは単純だったのですが・・・
林 田 イーモウ監督、「HERO」でがっくりでした。今回は、最初から最後までの「グリーン・デスティニー」の時みたいに、すごくきれいだったです。特に竹の緑の美しさとか。なにもかも良かった。チャン・ツィイーが良かったです。東洋の映画の中では一番中国の映画が優れていると思います。最後の3人のシーンはつまらないが、好きという事に理屈もいらないのでこれで良いのではないでしょうか。
杉 尾 前半は、のめり込めたのです(特にチャン・ツィイーの美しさ)が、後半3人に焦点が絞られてからあまり良くなかった。最後のまとめ方がイマイチ。不謹慎だけど、笑いを抑えてしまいました。とにかくワイヤーアクションとチャン・ツィイーの作品でした。
酒 井 この作品、僕はあまり評価していません。ワイヤーアクションの凄さ、チャン・ツィイーの美しさそして色彩感覚の素晴らしさは大いに評価できます。でも、評価できない点として、まず題名ですよね。「LOVERS」じゃあよくわからない。もう少し何とかならないですかね。次に、ストーリーの破綻です。この作品最初はストーリー展開で映画を引っ張って行っているのに、後半、その部分がどこかに飛んでしまっている。話の結末はどうなったのかまったく描かれていない。ストーリーの結末に問題が無ければ、良い映画だったと思います。最後に、あの遊郭のシーンでばらまいた豆は何処へ行ったのでしょうか。これがどうしても引っかかるのですが。
笹 原 ストーリーは別にして満足です。ワイヤーアクションと映像の美しさは格別でした。HIROはワイヤーアクションは不自然でしたが、今回は良かったです。
横 山 チャン・ツィイーが好きなので良かったです。「グリーン・デスティニー」以来です。アンディ・ラウだけは頂けなかった。好きな映画です。
手 塚 ちなみに私は、チャン・ツィイーは好きではないんです。むかしイーモウ監督は、コン・リーだったでしょう。彼女は良かったのですが。
みなさん、途中までは良かったのですが、後半のストーリー展開については疑問を感じる人もいらっしゃるようです。でも、これはチャン・ツィイーと言うことで。
林 田 「ハウルの動く城」の予告編 期待が持てそうです。
加 賀 「殺人の追憶」最後がもう少しだけど・・・
横 山 「スクール・ウォーズ HERO」
杉 尾 「コール」ケビン・ベーコンの悪役が決まっている。
笹 原 「インファナル・アフェア 無間序曲」アンソニー・ウエンとエリック・ツァンが良かった。
野 口 「アイ,ロボット」
手 塚 「ミニミニ大作戦」
酒 井 「殺人の追憶」傑作です。「インファナル・アフェア 無間序曲」