映画とネットのDIARY(tDiary版)

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映画の感想一覧 2004年7月以降 2005年  2006年  2007年  2008年  2009年

2005年03月05日 [Sat]

[MOVIE] 「ローレライ」

「ローレライ」パンフレット福井晴敏の傑作戦争冒険小説「終戦のローレライ」(一昨年10月に読んだ)を平成ガメラシリーズの特撮で知られる樋口真嗣監督が映画化した。というのは正確な言い方ではなく、元々、映画のためにこの小説は始まったのだそうだ。元になったプロットから福井晴敏は小説を書き、樋口真嗣は脚本化の作業を進めた。「2001年宇宙の旅」の映画と小説の関係と同じような関係と言える。だからというわけではないが、原作を読んでいても映画は楽しめる。いや、もちろん原作の方が密度が濃いし、登場人物のキャラクターや事件の背景が書き込んであってはるかに面白いのだけれど、映画はうまく省略してあったり、変更を加えてある(原作では重要な役割を担っていたパウラの兄は登場しない)。浅倉大佐が東京に原爆を落とそうとする意図に説得力がちょっと足りないし、物語のポイントである潜水艦内での反乱と鎮圧の描写が簡単になってしまったのは残念だが、上下2巻で1,000ページを越す膨大な原作のまとめ方としては賢明であり、うまい脚本だと思う。

樋口真嗣が劇場用映画を監督するのは「ミニモニ。じゃMOVIE お菓子な大冒険!」に続いて2作目。といっても「ミニモニ。…」は53分しかなく、これが本格的なデビュー作と言っていいだろう。ビジュアル面の設計に問題はないにしてもドラマの演出には不安を持っていたのだが、意外にも極めて正攻法の演出を見せる。しっかりと画面を作っていく作業はVFXにも普通のドラマにも共通することなのかもしれない。それを支えるのが「私は信じる。日本人は…自分で焼け跡から立ち上がる」と話す信念の艦長役・役所広司の熱い演技で、この説得力、演技の奥行きの深さには感心した。堤真一、柳葉敏郎、國村隼、妻夫木聡の演技も的確である。そして何よりも潜水艦内部の詳細な描写とVFXがいい。アメリカ艦隊との戦闘シーンをはじめとして随所にあるCGは海外の潜水艦映画に肩を並べる出来である。このVFXがなかったら映画は成功しなかっただろう。さまざまな小さな傷は散見されるにしても、積極的に評価したい映画だ。

1945年8月。特攻に反対したために潜水艦勤務を解かれていた絹見(役所広司)は浅倉大佐(堤真一)から呼び出され、ドイツ製の潜水艦「伊507」に乗艦するよう命じられる。任務は広島に続く第2の原爆投下を阻止すること。この艦にはドイツが開発した秘密兵器「ローレライ」が搭載されていた。乗組員は寄せ集めで、艦長の補佐役の木崎(柳葉敏郎)、掌砲長・田口(ピエール瀧)、ローレライシステムの秘密を知る高須(石黒賢)、特殊潜行艇N式潜の操舵手である折笠征人(妻夫木聡)、その親友の清永(佐藤隆太)らが乗り組んでいた。征人はN式潜の中に日系ドイツ人の少女パウラ(香椎由宇)が潜んでいるのを見つける。パウラはローレライシステムと関係があるらしい。「伊507」は原爆搭載機が出発するテニアン島に向かうが、それにはアメリカ太平洋艦隊の防衛網を突破しなければならない。襲ってきた駆逐艦を撃退するため、絹見はローレライの使用を決意する。

小説では読み応えがあった2つの場面(浅倉の変化の原因となる南洋での凄まじい飢餓の描写とパウラがナチス・ドイツの研究所で薬漬けにされる描写)は映画では回想で簡単に済まされている。これは小説のように詳細に描いた方が映画に幅が出たかもしれないけれど、そうすると上映時間は3時間を超えるだろう。この2つの処理の仕方はパンフレットにある樋口真嗣の表現を借りれば、「ビジュアル主導型」の映画としてぶれさせないための措置だったのだと思う。映画に迷いがないのである。それは映画のために原作を依頼したことと無関係ではないだろう。物語をよく咀嚼しており、単なるダイジェストにはなっていない。

ともあれ、原作の映画化が3本公開される“福井晴敏イヤー”の始まりを告げる作品として十分合格点の出来だと思う。次は6月11日公開の「戦国自衛隊1549」(手塚昌明監督)、そして夏休み公開の「亡国のイージス」(阪本順治監督)が続く。どちらも楽しみな映画だ。


2006年03月05日 [Sun]

[MOVIE] 「ナルニア国物語 第1章ライオンと魔女」

「ナルニア国物語 第1章ライオンと魔女」パンフレットC・S・ルイスの傑作ファンタジーを「シュレック」(2001年)のアンドリュー・アダムソン監督で映画化。「シュレック」はおとぎ話をひねった大人向け作品だったが、今回はディズニー製作ということもあって真っ当な子供向け作品である。子供向けとしてはロバート・ロドリゲス「シャークボーイ&マグマガール」などよりはよほど志が高く、刺激は少ないけれども大人が一緒に見に行っても退屈はしない。クリーチャーのデザインはWETA社が担当しているので、敵方の怪物などは「ロード・オブ・ザ・リング」を思わせる。クライマックスの戦闘シーンも「ロード…」風である。大きく異なるのは主人公が子供であることもあって、物語の深みやドラマティックな展開に欠けることだ。原作が子供向けなのでしょうがないのだが、外見をいくら似せようとも「ロード・オブ・ザ・リング」の牙城には大きく及ばない。いや同じ子供向けの「ハリー・ポッター」にも負けているだろう。主役の4人の兄妹にあまり魅力がないとかの問題はあるにせよ、物語の語り口が単調なことが一番の問題で、これはもう少し緩急を付けて見せる工夫が必要だったように思う。当然作られるであろう第2作ではそのあたりを考えてドラマを面白く見せて欲しいと思う。

第2次大戦中のロンドン。ドイツの空襲から逃れてペベンシー家の4人の兄妹は田舎の古い屋敷に預けられる。広大な屋敷の中である日、末っ子のルーシー(ジョージー・ヘンリー)が空き部屋の衣装だんすの中に入ると、そこは不思議な世界につながっていた。雪の降る中、ルーシーは半神半獣のフォーンであるタムナス(ジェームズ・マカヴォイ)と出会う。そこはナルニアと呼ばれる国で白い魔女(ティルダ・スウィントン)の支配によって100年間冬が続いていた。元の世界に帰ったルーシーの話を兄姉は信じなかったが、再び衣装だんすからナルニアに向かったルーシーの後を付けた次男のエドマンド(スキャンダー・ケインズ)はナルニアで白い魔女に出会う。禁断の菓子ターキッシュ・デライト欲しさにエドマンドは白い魔女の要求を聞くことを約束する。白い魔女は4人の兄妹を捕らえることを計画していた。動物や魔女、魔物の住むナルニアには「ふたりのアダムの息子とふたりのイブの娘」、つまり4人の子供たちが白い魔女の支配を終わらせるという伝説があったのだ。長男ピーター(ウィリアム・モーズリー)、長女スーザン(アナ・ポップルウェル)を含めた4人の兄妹はナルニアで白い魔女に対抗することになる。

全7巻の原作は2555年に及ぶナルニアの年代記で、この第1章はそのうち1000年あたりのことを描いているそうだ。だからこの4人の兄妹が全部の作品に出てくるわけではないのだろう。話はこれだけで完結しており、「ロード・オブ・ザ・リング」のように早く続きが見たいという切実な気分にはならない。ディズニーに7作とも映画化する計画があるのかどうかは知らないが、シリーズを考えれば、何か謎を提示しておきたいところではあった。ナルニアの創造主で最初の王であるライオンのアスランに絡む謎を何か残しておけば、第2作以降に興味がつながったのではないか。観客の気持ちを引きつけるものが映画にはあまりない。

言葉をしゃべる動物たちなどVFXはよくできている。ただ、全体的に平凡なレベルにとどまっている感じが拭えないのはオリジナリティーが不足しているからか。視覚的にも物語的にも強烈な印象を残すものが欲しくなってくるのである。


2007年03月05日 [Mon]

ロケフリ

ITmediaのテレビ局を震撼させた「まねきTV裁判」の中身を読んでおお、そういうのがあるのなら入ろうかと一瞬思ったのだが、考えてみれば、自宅にロケーションフリーの機器を買って接続すれば、いいのだった。先日のアカデミー賞授賞式が見られなかったのもこれで解消できる。ま、こちらでケーブルテレビに入れば、何の問題もないのだが、ロケフリの方が自宅でもテレビのない部屋で見られるようになるのだから何かと面白い。

問題はどの程度の画質なのかということと、グローバルIPが必要なこと。ルーターも買い換えなくてはいけない。ルーターはもう5年近く使っているから買い換えてもいいころだ。リモートアクセスができるルーターなら、バッファローのWZR-RS-G54HPあたりが手頃か。グローバルIPは@niftyの場合、初期費用5000円、月額2650円(@nifty 固定IPサービス)。これだけかかると、ケーブルテレビに入った方がましな気がする。さくらインターネットの「さくらのフレッツ接続」を使うと、月額980円でグローバルIPはただで付いてくる。こちらの方がいいか。ま、とりあえず、ルーターを買い換えよう。

ツッコミスパム

ツッコミは表示していないから何の問題もない、と思っていたのだが、それでもスパムを突っ込んでくるやつはいる。それがRSSに反映されるのが困る。とりあえず、フィルターにantispam.rbを(少し手を加えて)入れたので、今後は大丈夫だろうが、既に書き込まれたスパムに関しては削除するしかないか。


2009年03月05日 [Thu]

名刺作成ソフト

名刺が残り10枚ほどになった。いくら今の職場は今月末までとはいえ、これでは足りない恐れがある。100枚単位で印刷を頼むのも無駄なので、自分で作ることにする。家内は昨年、ジャストシステムのラベルマイティというソフトを使っていたが、フリーソフトでもあるはず。と思って探したら、ラベル屋さんHOMEというフリーソフトがあった。

「ラベル屋さんHOMEは、名刺や会員証、宛名ラベル、CDラベル、お名前シールなどを簡単に印刷できる、ラベル・カード印刷ソフト」。名刺用紙・宛名ラベル・CD/DVDラベルなどプリント用紙を販売しているエーワンが公開している。

ちゃんとエーワンの用紙を買ってきて、ソフトを使ってみた。今ある名刺をスキャンしてそのまま貼り付ければ簡単。用紙はA4サイズ1枚で10枚の名刺が作れる。せっかくなので裏には新しい職場の電話番号を入れた。満足できる出来栄えだ。しかし、作った後に机の引き出しから15枚ほどの名刺を発見。うーん、これだけあれば作る必要はなかったか。

このソフトはけっこう使いやすいので、今後はいろいろなラベルを印刷してみよう。用紙を買わせるためにソフトを無料で公開するというのは賢明な方法だと思う。ま、名刺ぐらいだったら、一太郎でもはがき作成ソフトでも作れますけどね。


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