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【映画の感想一覧】 2004年7月以降 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
2004年09月25日 [Sat]
■ [MOVIE] 「アイ,ロボット」
昨日見た。「ダークシティ」のアレックス・プロヤス監督がアイザック・アシモフのロボットシリーズにインスパイアされて撮ったSF。ジェフ・ヴィンターの“Hardwired”という脚本が基になっており、これにアシモフの「われはロボット」や「鋼鉄都市」などを組み合わせたという。ロボットが犯人とみられる殺人事件によって始まり、ロボット工学三原則をメインにしたプロットから、アクションたっぷりのスケールの大きな話に展開していく。この脚本の完成度が高い。知的なプロットであるばかりでなく、ミステリとしても良くできており、しかも大衆向けの視線をずらしていないので、同じような展開を見せた押井守「イノセンス」より分かりやすい。ロボットのVFXはレベルが高いし、ロボットを嫌悪する主人公のキャラクターも彫りの深いものになっている。しっかりしたSFになっている点でここ数年のSF映画では最も充実感があり、数少ないロボットテーマのSF映画に限れば、スピルバーグ「A.I.」など軽く越えてこれがベストだろう。
三原則とは言うまでもなく、
1.ロボットは人間に危害を加えてはならない
2.ロボットは人間から与えられた命令に服従しなければならない
3.ロボットは第1条、第2条に反する恐れのない限り、自分を守らなければならない
の3項である(ポール・バーホーベン「ロボコップ」では独自のものに置き換えて使ってあった)。アシモフの小説ではこれに矛盾する状況が現出し、ミステリ的に展開されることが多い。アシモフはミステリ方面でも評価の高い作家で、「黒後家蜘蛛の会」シリーズなど非SFのミステリもある。
「アイ,ロボット」も三原則との矛盾が発端となる。2035年のシカゴ、ロボット工学の権威であるラニング博士(ジェームズ・クロムウェル)がビルから転落死する。博士の死の状況から刑事のスプーナー(ウィル・スミス)は他殺を疑う。その第一容疑者がUSロボティクス(USR)社の新型ロボットNS-5のサニーだった。サニーは逃走するが、警察によって署に連行される。スプーナーの尋問に対し、サニーはロボットが持つはずのない怒りの感情を見せた。サニーはラニング博士によって感情回路をインプットされたユニークな存在らしい。警察はサニーの犯行と断定。しかし、ロボットに殺人罪は適用されないと主張するUSR社の社長ロバートソン(ブルース・グリーンウッド)によって、社に連れ帰られ、廃棄処分を受けることになる。USR社はそれまでのNS-4型に代わって、NS-5型の量産を進めていた。世界中に2億体のNS-5が送り込まれていく。スプーナーはNS-4型のロボットが格納された地域で、NS-5がNS-4を破壊している光景を見る。そして大量のNS-5たちが人間に対して反乱を起こし始める。
三原則があるのに、なぜサニーは博士を殺せたのか、なぜ博士はサニーをユニークな存在にしたのか、なぜロボットたちは反乱を起こしたのか、その背後にいるのは誰なのかという謎を散りばめつつ、ストーリーは進行する。加えて、主人公スプーナーにも三原則を頑固に守ったロボットに絡む哀しい過去がある。スプーナーはロボットを毛嫌いし、アナログな生活を送っている男なのである。さまざまな状況をタイトにまとめ、ユーモアを織り込みつつ映画を作り上げたプロヤスの演出は見事で、つくづくSFを分かっている監督だなと思う。
プロヤスは「アイ,ロボット」に飽きたらず、純粋なアシモフ作品を映画化したい希望を持っているそうだ。それならば、同じロボットシリーズで、人は本能的に宇宙を目指すものだという力強い主張に彩られた傑作「はだかの太陽」をぜひぜひ映画化してほしいと思う。
2005年09月25日 [Sun]
■ 運動会
秋晴れ。雲一つない上天気。絶好の運動会日和。参加する方には…。観戦する方には暑くてたまらない。特に今年の席は日陰のない所(毎年、地区ごとにグラウンドを右回りに移るのだ。今年は最悪の場所)だったので、朝から強い日差しにさらされてぐったり。さすがに昼食時には木陰に移ったが、午後からまたもや強い日差し。しかも今年はうちの子どもが出る競技は午後の方が多かった。ビデオ担当としては多数のライバルカメラマンと場所取り競争しながら、あっちへ行ったりこっちへ来たりしながら撮影。それでさらにぐったり。
去年はスチル写真をスライドショー形式に編集してDVDに焼いた。それも悪くなかったが、やはり後から見るにはビデオの方が楽しい。これからPremiere Proで編集しなくてはならない。
それにしても今日来ていた多数の父母カメラマンの中で、撮ったビデオを編集する人はどれぐらいいるのだろう。たいていは一度見たら、終わりなのでしょう。いや、編集しても一度見たら終わりなんですけどね。少なくともテープのままにしておくよりはいい。テープは必ずカビが生える(体験談)。
以前、ITmediaにビデオカメラの需要は子どもが小さな時だけという記事があった。たいていの家庭では子どもが生まれたらビデオカメラを買うが、成長するに従って使う機会が減る。だからビデオカメラの買い換え需要は少ないという記事。ビデオは撮影にも編集にもある程度の技術が必要になる。デジカメのように旅先で気軽に撮れるものでもない。だからビデオカメラの販売には限界があるのだという。
なるほどと思う。うちはビデオカメラ2台目だが、3台目を買うかどうかは疑問だものなあ。子どもが保育園のころは運動会と発表会の年2回は必ず使っていたが、今は運動会の時だけ(あ、神楽の時も撮影したんだっけか)。その年2回も子どもが中学生になると、なくなる家庭が多いだろう。ちょっとした動画なら携帯でもデジカメでもかまわないわけだしね。
■ 編集
というわけで3時間ほどかけて編集。いつものエンドクレジットのほかに今回はオープニングタイトルも作ってみる。いやあ、面白い。ハイライト部分の映像を短くつなぎ、音楽と字幕を入れると、本格的になる。取り込んだビデオにシーンごとに字幕を付けた後、エンディングを作る。いろいろと試行錯誤しながら、これで3時間。プロの編集者はどれぐらいの時間で作っているんですかね。
ところが、Premiere Proからテープに書き出そうとしたら、途中で止まる。あれ、メモリーが足りないかと思い、再起動してもう一度書き出してみたが、ダメ。レンダリングの際にオーディオのレンダリングをオフにしたら、なんとか書き出せた。どこか音声のエラーがあったのか。テレビにつないで見てみると、修正したい部分が出てくる。細かい修正をして、ムービー(MPEG2)に書き出す。これをTMPGEnc DVD AuthorでDVD用のファイル(VOB)に書き出す。最後にB's Recorder GoldでDVDに焼き、DVDのラベルを印刷して終了。たった22分のDVDに半日がかりだな。