映画とネットのDIARY(tDiary版)
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【映画の感想一覧】 2004年7月以降 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
2005年01月03日 [Mon]
■ 「白いカラス」US公開版(DVD)
日本公開版は見ていないが、こちらには「日本公開版では観られない、ニコールのセクシー・シーンを収録」とのことなので見てみた。どこがセクシー・シーンなんですかね。そのあたりを期待すると肩すかしを食いますね。
それはともかく、映画は退屈せずに見られた。賛否があるようだが、要するに題材を詰め込みすぎて失敗した感じがありあり。主人公アンソニー・ホプキンスの嘘で固めた人生の苦悩だけに絞れば良かったのだと思う。ホプキンスの人生最後の恋の相手役ニコール・キッドマンもホプキンスに劣らない苦悩を抱えているので焦点が分散してしまう。なにせ、継父からの性的虐待、夫からの暴力、子供の事故死という不幸の三点セットを抱えているのだ。しかし、それでもキッドマンはいつものようにすごく魅力的なのだから、キッドマンが悪いとも言えない。これに対してホプキンスはミスキャストに近いと思う。
原作はフィリップ・ロス。脚本を「スター・トレック カーンの逆襲」の監督ニコラス・メイヤーが書き、ロバート・ベントンが監督している。ゲイリー・シニーズが語り手の作家役で、エド・ハリスがキッドマンの夫役で出演。こういう一流スタッフ、キャストが携わりながら、映画がそれほど芳しくない出来に終わることもあるのだ。
ついでに書いておくと、邦題「白いカラス」は内容に合っているようで合っていない。白いカラスと言えば、アルビノだろうが、主人公はアルビノではないからだ。
■ 最初に見た映画の記憶
僕自身は記憶がない。というか、タイトルは分からない。親が連れて行った時代劇だったと思う。自分の子供に関しては覚えている。僕が連れて行ったからだ。長女=「ガメラ2 レギオン襲来」(1996年) 長男=「クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦」(1998年) 次女=「トイ・ストーリー2」(1999年、見たのは2000年)。長女は家内のお腹の中にいる時、「機動警察パトレイバー2 The Movie」(1993年)も体験している。
なぜこんなことを書いたかというと、昨日、WOWOWでガメラ3部作を一挙放映したから。長男は「ガメラ3 邪神覚醒」(1999年)を見たとき、映画館でガメラのソフビを買ったが、「あれはもう、壊れて捨てた」そうだ。
■ [MOVIE] 「カンフーハッスル」
傑作「少林サッカー」以来2年ぶりの周星馳(チャウ・シンチー)の新作。序盤に、「大いなる力には責任が伴う」という「スパイダーマン」のようなセリフがある。カンフーの達人3人がナンバー2の殺し屋に負けて瀕死の重傷を負った際、大家夫婦に言うセリフ。この大家夫婦(ユン・ワーとユン・チウ)は世俗的な外見とは裏腹に凄腕のカンフーの達人であり、殺し屋2人を超人的な技で簡単にやっつけてしまう。そして主人公シン(チャウ・シンチー)にはどんな傷からも回復する力があり、やがて自分の本当の能力に覚醒していく。これを見ると、この映画がカンフー映画であると同時に超人映画であることが分かる(シンチーは「ドラゴンボール」のファンでもあるらしい)。序盤から徐々にエスカレーションし、デフォルメされていくアクション描写には快感があり、ドラマよりもカンフーアクションを見せることに徹した映画になっている。「少林サッカー」にあった泣きや浪花節的な場面はないけれど、この映画もしっかりと大衆に軸足を置いた作りであり、シンチーは今回も期待を裏切らなかった。ブラックで乾いた笑いと大がかりなアクションが融合したエンタテインメントの快作だと思う。
時代は文化大革命前の中国。警察も手を出せない悪がはびこり、斧を武器にした斧頭会(ふとうかい)が凶暴さでのし上がってくる。斧頭会は貧困地区には目もくれなかったが、豚小屋砦と呼ばれる集合住宅にチンピラ2人が訪れたことで豚小屋砦は斧頭会に目を付けられることになる。チンピラ2人はシンと相棒(ラム・ジーチョン)。シンが放った花火で頭を火傷した斧頭会のメンバーの怒りを買い、豚小屋砦に攻撃を仕掛けるのだ。しかし、砦には3人のカンフーの達人がいた。手下をボコボコにされた斧頭会の組長サム(チャン・クォックワン)は怒り、殺し屋ナンバー2を砦に差し向ける。
映画は善よりも悪の方が儲かるとして、斧頭会に入った主人公がやがて自分の力に目覚めていくという展開をたどる。中盤、シンが大家夫婦を倒そうとしてナイフを投げると、壁にぶつかって跳ね返ったナイフがシンの肩に突き刺さる。後を引き継いだ相棒がナイフを投げると、それがシンのもう片方の肩に突き刺さり、さらにもう1本投げようとして振りかぶると、それもシンに刺さってしまう(これは北野武「座頭市」の影響か)。このブラックなユーモアがとてもおかしい。さらにここにはだめ押しのギャグがあるのだが、この場面を見て思うのはシンチーの笑いがとても乾いているということ。キートンやロイドやマルクス兄弟の乾いた笑いよりも、チャップリンのペーソスの方が日本では人気があるけれど、ペーソスなどとは無縁のシンチーのギャグの才能は貴重だと思う。幼いころに助けた少女との交流も映画は描いているけれど、ここが物語の主軸に絡む場面なのにあまり効果を上げていないのは、シンチー、こういう描写が得意ではないからなのかもしれない。いや、それ以上にこの映画ではカンフーアクションそのものを描きたかったからなのだろう。
チャウ・シンチー映画の良さは貧しい庶民と正義に軸足を置いていることで、それを笑いにくるめながらも本気なのがよく分かる。「少林サッカー」でさえ渡ったCGはここでも存分に発揮され、クライマックスの悪の集団およびナンバーワンの殺し屋(ブルース・リャン)と主人公の対決は、「マトリックス」を凌駕していると言っていい(アクション監督は最初、サモ・ハンで途中から「マトリックス」のユエン・ウーピンに代わった)。シンチーは卑屈でいい加減なチンピラの役もよく似合うが、飛び切り強いカンフーの達人の役にも違和感がない。ジェット・リーともジャッキー・チェンとも違った庶民的なカンフースターなのだなと思う。
2006年01月03日 [Tue]
■ 「ZOO」(WOWOW)
録画しておいたのを見る。乙一の短編集の中から5編を5人の監督(金田龍、安達正軌、水崎淳平、小宮雅哲、安藤尋)がオムニバスで映画化。「カザリとヨーコ」「SEVEN ROOMS」「SO-far ソ・ファー」「陽だまりの詩」(アニメ)まで見て、なかなかバラエティに富んでいて面白いと思ったが、最後の「ZOO」がよく分からない。積ん読状態(「カザリとヨーコ」のみ読んでいた)だった原作を読んだら、ああこういう話かと納得できた。映画の方はフェリーニ「悪魔の首飾り」のような雰囲気だが、話が分かりにくいのでは仕方がない。
「SEVEN ROOMS」には須賀健太(「三丁目の夕日」)、「SO-far ソ・ファー」には神木隆之介(「妖怪大戦争」)が出ていて、どちらもうまい。「陽だまりの詩」はロボットが出てくる破滅SFで、こういう話は好きである。
■ 「クライム・マシン」
「このミス」1位、文春2位に入ったジャック・リッチーの短編集。冒頭に収められた表題作は殺し屋の男の前にタイムマシンを発明したという男が現れ、殺人現場を見たと脅迫される話。1件だけならともかく3件の殺人現場について詳細に話すので、殺し屋は男の言葉を信用するようになる。そして25万ドルでタイムマシンを買い取ることにする。SFではないので、ちゃんと合理的な説明があり、ひねったストーリーが面白い。
本書には17編の短編およびショートショートが収録されている。特に前半に収められた「ルーレット必勝法」「歳はいくつだ」「日当22セント」はどれも巧みなストーリーテリングが光る傑作だと思う。個人的に面白かったのはショートショートの「殺人哲学者」で、最後のオチが秀逸。ショートショートのお手本みたいな話である。
巻末に収められた解説によれば、ジャック・リッチーは生前に350の短編を書いたが、アメリカでも生前に本にまとめられたのは1冊だけ。その1冊は映画「おかしな求婚」(1971年、エレイン・メイ監督)の原作となった短編を含む作品集で、映画公開に併せて編まれたものという。雑誌に掲載された短編を僕はあまり読まないが、こうした都会的なセンスにあふれたうまい短編集は時々読みたくなる。シオドア・スタージョン「輝く断片」も注文しようか。
2007年01月03日 [Wed]
■ 正月休みに見たDVD
30日に「雪に願うこと」「花よりもなほ」「アサルト13 要塞警察」の3本を借りた。どれも見ないでベストテンを選ぶのをためらわさせる作品で、それぞれに面白かった。「雪に願うこと」は東京で事業に失敗した男(伊勢谷友介)が故郷の北海道でばんえい競馬の調教をやっている兄(佐藤浩市)の元へ帰ってくる話。兄弟の確執を描きつつ、弟と女性騎手(吹石一恵)のシンプルな再生の話になっているところがいい。
「アサルト13 要塞警察」はジョン・カーペンター「要塞警察」のリメイク。暗黒街のボス(ローレンス・フィッシュバーン)が逮捕されたことから警察署が襲撃される。ストレートでスピーディーなアクションの快作。ベストテンに入れるほどではないが、ジャン=フランソワ・リシェ監督の名前は記憶に値する。今後の作品に注目したい。
「花よりもなほ」は「誰も知らない」の是枝裕和監督作品。父親を殺された男(岡田准一)が汚い長屋に住みながら、仇を討とうとするが、次第に心境の変化を迎えることになる。「憎しみの連鎖を断て」という主張はもちろん現在の世相を反映したものであり、是枝裕和は現実に近いところで映画を撮っている監督だなという思いを強くした。映画の技術では山田洋次「武士の一分」の方が上だろうが、内容的にはこちらの方が好ましい。
2009年01月03日 [Sat]
■ 紅白、視聴率42.1%
ちらほらとしか見ていなかった。じっくり見たのは一青窈→ミスチル→中島美嘉の部分だけ。視聴率が良かったのは民放の番組がつまらなかったためもあるのではないか。「4連敗を喫した紅組の担当ディレクターは“引責”丸刈りになったという」というのがおかしい。たかが番組のためにそこまでやる必要はないような気が。ま、しゃれなんでしょうね。
映画の情報サイトはいろいろあるが、年末年始も休まずに熱心に更新しているのはこのgoo映画とバラエティ・ジャパン 。もっともgoo映画の場合は新聞社などのニュースを自動更新しているだけ。手動更新のバラエティ・ジャパンはえらい。映画情報サイトではここが一番充実していると思う。
ニュースの更新で思い出したが、mixiのニュースは手動更新のようだ。掲載が少し遅れるのはニュース提供サイトに遠慮しているのかと思ったが、見出しまで変えているから手動更新なのだろう。いや、ニュースの取り込みは自動で見出し部分だけ手動で書き換えているのでしょう。
■ Namazu検索結果の文字化け
トップページの文字コードをUTF-8に変えたので、Namazuの検索結果が文字化けするようになっていた。Namazuに検索キーワードを渡す前に自作の検索CGIでNamazu、Google、Yahoo、gooでも検索できるように処理していて、これがUTF-8に対応していなかったのが原因。未だにjcode.plを使っているスクリプトだからしょうがない(というか、Namazu自体もUTF-8の検索キーワードには対応していない)。応急措置としてjcode.pmを使い、デコード部分に
$value = jcode($value)->sjis;
を書き加えた。元のトップページがSJISだったので、検索キーワードをSJISに戻す処理を追加しただけ。このCGIスクリプトも古くなっているので、そろそろ書き直さないといけないな。
2012年01月03日 [Tue]
■ 無線LANとファクス
自宅のファクスが壊れたので購入を検討。いろいろあって迷うが、ほぼブラザーの複合機に決めた。パソコンでファクスを送受信でき、無線LANが使えるのがポイントだ。プリンタは現在、2台あり、もういらないとも思うが、ファクス単体を買っても、そんなにファクスを送受信するわけでもないのだから、無駄になりそうなのだ。ほとんど使わないファクスの印刷機能よりもコピーやスキャンができるプリンタの方がましだ。
薄型インクジェット複合機(MyMio)の紹介ページを見ると、ファクス付きで検討できるのはMFC-J825N、その上位機種で電話付きのMFC-J955DN、本体と電話機を離れたところに置けるMFC-J855DNの3台。実際にヤマダ電機に見に行ったら、通販の価格よりも少し高かった。とりあえず、カタログを持って帰って仕様を検討。買おうと思っていたMFC-J855DNは両面プリント機能がなく、ファクスの通信速度も遅い。プリンタ1台を選ぶ場合にはこれは少し障害になるか。両面プリントは今や普通の機能だからなあ。まあ、それを考慮しても電話機と本体が無線でつながるメリットは大きい。
各社のファクスも検討してみた。Panasonicとシャープのファクスは受信データをSDカードに保存でき、パソコンにつないだプリンタから印刷できる。シャープ製品の場合、SDでできるのは受信データの保存と携帯電話の電話帳取り込み、会話の録音で、パソコンでデータを作ってそれをファクスすることはできない。パソコンでデータ作るなら、メール使えよということなんだろう。パナソニック製品はパソコンで作ったデータをSDに保存してファクスすることもできる。ところが、驚いたことにこの機能(ファクス送信用変換ソフト)、64ビットのパソコンには対応していない。何考えてんだろう。今や64ビットが主流になりつつあるのに。これは将来的に対応するのだろうか。
SDでデータをパソコンに移動するよりは無線LANでつながった方が手間はかからない。ブラザー製品の優位性はここにある。ただ、Panasonicとシャープの製品はDECT1.9GHz方式に対応している。2.4GHzの電波は無線LANと干渉する。電子レンジなどでノイズが入ったり、通話が切れたりする場合もあるため、「日本ではこのDECT方式を参考に、1.9GHz帯を使用するデジタルコードレス電話の新方式として、2010年10月に総務省にて正式に制度改正が行われ」たのだそうだ。これはメリットだろう。
はっきり言って、プリンタが広く普及した今、パソコンと無線でつながれば、ファクスに印刷機能なんていらない(印刷機能のないシャープのインテリアホンにはそういう意味もあるのだろう)。電話機単体で無線LAN機能を搭載し、画面で見て必要なものだけ、プリントすればいいのだ。しかし今後、コードレス電話の電波が1.9GHzに移行していけば(間違いなくそうなる)、ブラザー製品のような仕様は難しくなる。電話機本体と受話器は1.9GHzでつなぎ、パソコンとは2.4GHz(か5GHz)でつながなくてはいけない。2.4GHzと5GHzの両方を搭載したルーターはあるから、電話機でも2.4GHzと1.9GHzの両方を搭載することはできなくはないと思いますけどね。