映画とネットのDIARY(tDiary版)

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2005年02月10日 [Thu]

一太郎2005

何かと話題の一太郎の新バージョンが届いたのでインストール。起動してみたが、外観は変わりませんね。例年のように関心事はATOKの方。使いやすくなってるかな。だいたいバージョンアップすると、省入力モードの履歴がクリアされていたような気がするんだが、今回は引き継いでいるようだ。これまでが気のせいだった?


2006年02月10日 [Fri]

一太郎2006

届いたのでインストール。今回は広辞苑第5版 for ATOKも併せて購入。午前9時過ぎにセットアップして登録特典ページに行ったら、まだ一太郎2006用の特典は掲載されていなかった。遅いぞジャストシステム。と思ったら、ATOKの方のページに掲載されていた。

一太郎を起動してみると、おおインターフェイスが一新されている。動作も軽くなったと思うのは気のせいか。ま、一太郎のアップよりもATOKのアップの方が重要なんですがね。

広辞苑は文字入力後、未確定の状態でEndキーを押すと、語句の意味が表示される。とあったので、Endキーを押してみたが、表示されない。僕のキーボードではFnキーとEndキーを同時に押す必要があった。

Namazu2.0.15をインストール

ようやく時間ができたのでインストール。いつものように

tar zxvf namazu-2.0.15.tar.gz
cd namazu-2.0.15/File-MMagic
perl Makefile.PL LIB=/home/cinema1987/lib INSTALLMAN3DIR=/home/cinema1987/man
make
make install
cd /home/cinema1987/namazu-2.0.15
./configure --disable-shared --prefix=/home/cinema1987/local --with-pmdir=/home/cinema1987/lib
 --with-libintl-prefix=/usr/local(実際は上の行と合わせて1行に)
としたら、File-MMagicがインストールされていないとエラーが出た。エラーメッセージに
    Or you can install File-MMagic to your home directory by the following way:
 
      % cd File-MMagic
 
      ExtUtils::MakeMaker older
      % perl Makefile.PL LIB=/home/cinema1987/lib INSTALLMAN3DIR=/home/cinema1987/man
 
      ExtUtils::MakeMaker newer
      % perl Makefile.PL LIB=/home/cinema1987/lib INSTALLSITEMAN3DIR=/home/cinema1987/man
 
      % make
      % make install
 
     Then, run configure again with --with-pmdir=DIR option.
      % cd ..
      % ./configure --with-pmdir=/home/cinema1987/lib

とあったので、perl Makefile.PL LIB=/home/cinema1987/lib INSTALLSITEMAN3DIR=/home/cinema1987/manの方を再度実行。./configureをやり直し、

make
make check

今度はmake checkでError Code 1のエラーが出た。testsのエラーが出ている。うーん。少し悩んでいろいろやってみたが、ダメ。しかし、ダメもとでそのままmake installしたらインストールできた。インデックス作成もOK。ちょっと不安はあるが、動いているのでまあいいでしょう。

[MOVIE] 「博士の愛した数式」

「博士の愛した数式」パンフレット吉岡秀隆がなぜ自分がルートと呼ばれているかを教室で生徒に説明する。それがこの物語の語り方。原作でルートは確かにラストで数学の教師になるが、黒板で数式の説明するようなシーンは映画としては、うまくはないなと思う。原作の地の文にある数学の説明をするには黒板は確かに便利だが、日本のSF映画でよくあった白衣の科学者が物事を説明するシーンになんだか似ているのだ。しかし、これは小さな傷で、全体としては心優しい気分になれる佳作だと思う。博士(寺尾聰)と義姉(浅丘ルリ子)の関係を原作より明確に描いたことは生々しくなってあまり好みではないのだけれど、ゆったりとした静かな物語のアクセントになっている。「義弟には10年前の私の姿がそのまま見えているのです」という義姉の言葉にはドキリとさせられた。博士の記憶が80分しかもたないことによって、この2人は他人には入り込めない濃密な関係にある。同時に80分しか記憶を持てないがゆえに博士は苦しみも悩みも記憶せずに純粋でいられる。小泉堯史の脚本・演出は博士の枯れた静謐な生活の裏にどろどろしたものがあることをそっと浮かび上がらせている。博士の純粋さに惹かれていく深津絵里の真っ直ぐな生き方が心地よい。

家政婦として働きながら10歳の子供を育てる主人公が元大学教授の博士の家で働き始める。博士は10年前に交通事故に遭って職と記憶の能力を失い、その後は義姉の世話になって離れに住み、細々と暮らしている。数学雑誌の懸賞に応募して賞金を得るのが唯一の収入である。原作で素晴らしいのは博士の人柄を示すこんなシーンである。

「プレゼントを贈るのは苦手でも、もらうことについて博士は素晴らしい才能の持ち主だった。ルートが江夏カードを渡した時の博士の表情を、きっと私たちは生涯忘れないだろう。(中略)彼の心の根底にはいつも、自分はこんな小さな存在でしかないのに……という思いが流れていた。数字の前でひざまずくのと変わりなく、私とルートの前でも足を折り、頭を垂れ、目をつぶって両手を合わせた。私たち二人は、差し出した以上のものを受け取っていると、感じることができた」

家政婦が何人も辞めた変わり者でありながら、数学を愛し、謙虚な姿勢を貫き、子供を庇護する。タイガースファンであるという共通点を持っていた博士と家政婦親子の3人は一緒に過ごすことで幸福な時間を得る。原作はそうした幸福な描写と数学の魅力がうまく調和して、とてもとても心地よい話になっている。ただし、原作を読んで少し不満に思ったのは終盤にもっと大きな秘密が明らかになるのではないかというこちらの想像がまったく裏切られたことだった。これはミステリ慣れしている自分が悪いのだけれど、映画はそういう不満をラスト近くの義姉の言葉によっていくらか緩和してくれた。両親も捨て、親戚も捨て、世捨て人のように暮らしている2人の関係がより現実的に浮かび上がってくるのである。

映画が幸福な描写だけに終始していたら、小泉堯史らしい映画ということで終わっていただろう。この脚本、決して絶妙にうまいわけではないが、少なくとも映画としてのバランスは取れている。寺尾聰と深津絵里が良く、特に深津絵里は映画では初めての適役といっていいぐらいの演技だと思う。


2007年02月10日 [Sat]

[MOVIE] 「幸福な食卓」

「幸福な食卓」パンフレットこのタイトルと「父さんは、今日で父さんを辞めようと思う」というとんでもないセリフで始まる映画なので、これは家族の問題を扱った映画なのだろうと思ってしまうのだが、この映画、家族の問題の追求部分は決して深くはない。例えば、マイク・リーあたりの映画に比べるべくもないぐらいの深みである。しかし、これは幸福な家族の食卓にかつていて、今は壊れた家族の食卓にいる主人公・中原佐和子(北乃きい)の話であると割り切ってしまえば、好感の持てる作品だと思う。

佐和子と席が隣になった大浦勉学(勝地涼)との関係が心地よい。佐和子はきりっとしたまっすぐにまじめな少女であり、大浦は佐和子を守るように包み込むように佐和子に接する。大浦は金持ちの息子で、母親がベンツで塾へ送り迎えするという、普通に考えれば、お坊ちゃまなタイプのひ弱なやつと思えるのだが、そのキャラクターの根幹はかつてのガキ大将っぽい男らしい男なのである。2人を接近させることになる給食のサバのエピソードがそれを象徴しており、佐和子に自分が稼いだ金でクリスマスプレゼントを贈るために新聞配達のアルバイトをするというのも大浦のキャラクターをよく表している。北乃きいと勝地涼のキャラクターの魅力で見せる映画であり、よくできた青春映画と受け取ってしまっていいのではないかと思う。堤防を歩く北乃きいを延々と映し続けるラストシーンなどはアイドル映画のような趣で、小松隆志監督は北乃きいをとても魅力的に撮っている。他の描写すべてが北乃きいを引き立たせる道具になり、壊れた家族の再生が背景に退いてしまっているのだが、それでもいいと思えてくる映画である。

原作は中学教師でもある瀬尾まいこ。父親(羽場裕一)が「父さんを辞める」と言い出した理由は徐々に明らかになる。父親は3年前、風呂場で自殺未遂を起こした。それが原因で、母親(石田ゆり子)は家を出てアパートで一人暮らしを始め、兄(平岡祐太)は成績がずっと一番であったにもかかわらず、大学進学をやめて農業を始めた。兄が語る「歪み」がこの映画のテーマの一つ。兄は一番を維持するためにだんだん自分の中で歪みが大きくなってきたと佐和子に告白する。その歪みを断つには死ぬしかないと、父親の姿を見て思ったというのがよく分かる。父母もまた、自分を押し殺して決められたレールの上に乗っているのが耐えられなくなったのである。レールを外れた家族はそれでも緩やかな関係を保っているけれど、佐和子が精神的なショック状態に陥ったことで再び、関係に変化が訪れる。「気づかないところで、中原っていろいろ守られてる」という大浦の言葉が示すように佐和子を守るために家族は元に戻ることになるのだろう。それを具体的に描かず、兆しで終わらせているところがいい。

レールに乗った家族と対照的なのが兄の恋人の小林ヨシコ(さくら)で、兄のほかにも恋人を持つヨシコに佐和子は怒るのだが、ヨシコは自由だからこそ精神的には最も健全な立場にいる存在だ。小松隆志はこうした人間関係にはあまり深入りしていない。というか、説明過剰になることを避けて、抑制していると言うべきか。演出に緩みと思える部分も少しあるが、全体的には少女を中心にした物語としてうまくいっていると思う。


2011年02月10日 [Thu]

ATOK Syncアドバンス

一太郎2011が届いたのでインストール。辞書を同期するATOK Syncアドバンスをインストールしようとしたが、ダウンロード先が見つからない。ATOK.comから案内されるのはインターネットディスクのページで、利用にはインターネットディスクの利用登録が必要になったから仕方がないが、そこからリンクしていないのでは分かりにくいことこの上ない。結局、Justオンラインアップデートからインストールしたが、よく探したらATOK Syncツール for ATOK 2011にあった。

パソコンを変えたり、2台のパソコンでATOKを使う場合には便利な機能。辞書を一から構築する必要がないのは助かる。新バージョンは辞書のほかにお気に入り文書や環境設定もアップロードできるようになった。ま、これはあまり利用者が多いとは思えないインターネットディスクの活用を図るためもあるのかもしれない。DropboxやSugarSync、WindowsLiveのSkyDriveなど無料の同期サービスがあるから、インターネットディスクは難しいだろうなと思う。


2013年02月10日 [Sun]

「イノさんのトランク」

まいった。泣けて泣けてしょうがなかった。録画しておいた「イノさんのトランク 黒澤明と本多猪四郎 知られざる絆」をようやく見た。昨年12月20日にNHK-BSプレミアムで放送されたドキュメンタリー。黒澤明と本多猪四郎の友情を本多の妻きみの視点から描き、深い感動を残す傑作だった。

戦前の助監督時代に意気投合した2人はその後、死ぬまで友情をはぐくむことになる。本多は戦争に行ったが、黒澤は行かなかった。復員後、30代半ばだった本多には仕事がなく、東宝からは監督になることは諦めるように言われる。そんな時、黒澤は本多に「野良犬」の助監督を依頼する。これが本多の監督への道を開くことにつながった。晩年も会えば、2人は映画の話ばかりしていたという。温厚な本多に対して、黒澤は現場で怒ることが多かった。正反対の性格であり、お互いに尊敬しあっていたから、友情は長く続いたのだろう。

本多が死んだ時のことについて黒澤、本多の映画に多数出演した土屋嘉男はこう話す。「さぞがっくりしているだろうと思って自宅に行ったら、黒澤さん、言いました。『さあ、めそめそなんかしていられるか! 元気出してこれから頑張るぞ』。あれはね、すごい哀しみだったんですよ」

僕は「ゴジラ」シリーズから本格的に映画を見始めたので、本多猪四郎は最初に名前を覚えた監督だ。同時に小学生の時にテレビで見た「マタンゴ」によって深いトラウマを刻みつけてくれた恨み多い監督でもある。しかし、監督自身のことは何も知らなかった。亡くなっても、「いい人だった」と言われる人は幸せだなと思う。


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