映画とネットのDIARY(tDiary版)

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2004年10月26日 [Tue]

AdobeとYahoo!が提携――新Yahoo! ToolbarはPDF機能付き

WebページをPDFに出力できるとのこと。そのままHTMLファイルの方が軽いじゃないかと思うが、複数のPDFファイルに組み込むには便利かもしれない。日本のYahoo!ではまだか。

「王の帰還 スペシャル・エクステンデッド・エディション」

来年2月発売で、オリジナルに50分追加してあるそうだ。インプレス・ダイレクトのメールに書いてあった。インプレスでの価格は9,261円。楽天で一番安い店を探したら、いーでじ!!で、7,835円だった。

4枚組。購入意欲がフツフツだなあ。トリロジーボックスセット(23,500円)にも心が動きます。

blogeet

窓の杜で紹介されていたテキストエリアを編集するソフト。AreaEditorと同じようにテキストエリアで右クリックすることで、編集できる。好きなエディタを選べる分、AreaEditorの方が有利か。僕は秀丸とxyzzyで使えるようにしている。

こういうソフトを使う利点は狭いテキストエリアでも気にしないで書けることか。ただ、tDiaryでプレビューボタンを押すと、エディタが終了してしまう。これはブラウザの画面が切り替わるから仕方がないのだろう。

で、いつも思うのは秀丸で編集したものを指定のテキストエリアに貼り付けられないかということ。秀丸で書いた文章をすべて選択してコピーしてブラウザを起動して指定のURLを開けばいいわけで、tDiaryの更新ページをSleipnirで開く場合はこんな感じか。

//日記更新秀丸マクロ
selectall;
copy2;
run "C:\\Program Files\\sleipnir\\Sleipnir.exe http://foo.bar.ne.jp/diary/update.rb";
endmacro;

これだと、追記しかできませんけどね。これに入力補助を組み合わせてもいい。よく使うblockquoteとか、よく書き方を忘れる脚注プラグインの書式とか。

//tDiary入力補助マクロ
menu
"脚注  (&F)",
"引用  (&B)",
"PRE   (&R)",
"段落  (&P)",
"更新  (&U)";
if (result == 0){
   endmacro;
}else if(result == 1){
   insert "<%=fn '' %>";
   left 4;
}else if(result == 2){
   insert "<blockquote>\n</blockquote>";
   up;
}else if(result == 3){
   insert "<pre>\n</pre>";
   up;
}else if(result == 4){
   insert "<p>\n</p>";
   up;
}else if(result == 5){
   selectall;
   copy2;
   run "C:\\Program Files\\sleipnir\\Sleipnir.exe http://foo.bar.ne.jp/diary/update.rb";
}else {endmacro;}
endmacro;
 これで少しは便利か。

2005年10月26日 [Wed]

[MOVIE] 「ドミノ」

「ドミノ」パンフレット実在した女賞金稼ぎドミノ・ハーヴェイを描くアクション映画。というよりはアクション映画のストーリーに実在の賞金稼ぎをはめ込んだと言うべきだろう。中心となる事件がうまくできすぎていて、いかにもフィクションという感じがある。マフィアと現金輸送車強奪グループと賞金稼ぎの三つどもえの争いとなるこの事件自体は、誤解と陰謀が絡み合って面白い。監督のトニー・スコットはミュージック・ビデオのような映像で物語を綴っていく。短いカット割りとフラッシュバック、ざらついた映像の連続は、しかし、効果を上げているとは言えない。スタイリッシュを目指したと思えるのにそうなっていず、感情移入を拒否して見にくいだけなのである。同じく凝った映像で楽しませた「シン・シティ」と比べれば、両者の優劣は歴然とするだろう。それ以上に問題なのは端的に「ドミノ」にはハートがないこと。ドミノのキャラクターや仲間との関係が極めて表層的なものに終わっており、エモーションが高まっていかない。主演のキーラ・ナイトレイは悪くないだけに残念だ。

映画は警察の取調室でFBI捜査官(ルーシー・リュー)の聴取に答えて、ドミノが事件を回想する形式。ドミノは俳優ローレンス・ハーヴェイとモデルの母親(ジャクリーン・ビセット)の間に生まれた。高校時代からスーパーモデルとして活躍したが、セレブな生活に嫌気が差して、新聞広告で募集記事を見つけた賞金稼ぎ(バウンティ・ハンター)となる。映画の前半は実際のドミノの奔放な人生を描いていく。メインの事件が始まってからはほとんどフィクション(映画の冒頭にはBased on a True Storyと出た後にSort of ...とただし書きがつく)。賞金稼ぎのボスはエド(ミッキー・ローク)、仲間はチョコ(エドガー・ラミレス)とアフガニスタン人の運転手アルフ(リズワン・アビシ)。これに保釈金保証人クレアモント(デルロイ・リンドー)、ドミノを取材するテレビ局スタッフ(クリストファー・ウォーケンが変人プロデューサー、「アメリカン・ビューティー」のミーナ・スヴァリが美人スタッフを演じる)、マフィア、カジノのオーナー、現金輸送車強奪グループが絡まり合ってストーリーが進む。

脚本は「ドニー・ダーコ」のリチャード・ケリー。メインの事件の描き方は、映画の最初の方から事件の断片を入れていくところなどガイ・リッチー「スナッチ」を思わせる。これは人命がかかった事件なので、もっとエモーショナルなものになっていくはずなのだが、この映画の描き方ではそれが希薄になってしまう。希薄なのはドミノとチョコの関係にも言え、クライマックス前のラブシーンが盛り上がらないのはそれまでの2人の関係の描き方が不十分だからだろう。凝った映像だけがあって、中身がない映画になってしまっている。描写を積み重ねて登場人物の内面まで描き出していくような演出に欠けているのである。MTV出身の監督にはこういうケースがよくあるが、ベテランと言えるトニー・スコットがこういう映画を撮っているようでは困る。

映画の最後に登場する実際のドミノ・ハーヴェイはフランセス・マクドーマンドのような容貌だった。ドミノは今年6月27日、自宅の浴槽で死んだ。35歳。死因は特定されていないが、麻薬の大量摂取が原因とされているという。母親役のジャクリーン・ビセットは久しぶりに見た。かつてはキーラ・ナイトレイ同様、指折りの美人女優だったが、細かいしわが顔全体に刻まれていて、あまりと言えばあまりの老けよう。61歳だから仕方がないのだが、それにしてもこんなに老けるとは驚きである。

31年ぶり日本一

きょうだけは野球らしくなった。昨日まではロッテのバッティング練習みたいな内容だった。試合勘がどうの、プレーオフの制度がどうのという声があり、確かにそれはそうなのだが、去年の中日−西武は第7戦まで行ったし、中日は第2戦で11点取って勝っている。阪神の調整ミスが大きな敗因なのは否定できない。ゲッツーがあれほど多くてはどうしようもない。采配も悪かったのでしょうがね。

短期決戦の場合、流れを変えるのは容易ではない。だから3連敗の後の4連勝というのは過去に2度しかないのだろう(1986年の西武−広島は第1戦が引き分けで、その後西武が3連敗の後4連勝している。これを含めると、3度になる)。


2008年10月26日 [Sun]

「パコと魔法の絵本」

「パコと魔法の絵本」パンフレット

やっぱり中島哲也の映画は見逃せないと思い直し、キネ旬でも褒めてあったので見に行く。もう公開も終わり間近にしてはまずまずの入りだった。映画は「嫌われ松子の一生」ほどではないが、まあ面白かったというのが率直な感想。まるで舞台のような展開だなと思ったら、原作は舞台劇なのだそうだ。ディズニー風の音楽とともに始まるにもかかわらず、過剰なメイクと極彩色の色遣い、乱暴な言葉遣い、過激な描写、脱ドラマとユーモアが混ざり合って、いかにも中島哲也らしいポップさだ。でも本筋は真っ当で、ほろりときそうなラストをひっくり返し、さらにほろりとさせるように持って行くのがうまい。もっともこれは元の舞台の台本通りなのだろう。前半をコンパクトにして「松子」のように歌を散りばめてくれたら言うことはなかった。「松子」のようなミュージカルを期待していたのだ。

原作は後藤ひろひとの「MIDSUMMER CAROL 〜ガマ王子VSザリガニ魔人〜」。CAROLで分かるようにこれは「クリスマス・キャロル」にインスパイアされた物語だ。主人公の大貫(役所広司)は一人で会社を興し、仕事一筋に生きて会社を大きくしたが、発作で倒れて入院。「お前が私を知ってるってだけで腹が立つ」と周囲に当たり散らしているスクルージのような男で、周囲からはクソジジイと呼ばれている。ある日、大貫は病院の庭で「ガマ王子とザリガニ魔人」という絵本を読んでいる女の子パコ(アヤカ・ウィルソン)に出会う。

パコは交通事故の後遺症で1日しか記憶が持たなかった。だから大貫の大事なライターを持っていて、大貫からぶたれても翌日は天使のような笑顔を見せる。パコの1日は誕生日で、ママから「毎日読んでね」とプレゼントされた絵本を毎日読んでいるのだった。両親は事故で死んだが、パコはそれを知らず「ママ、会いに来てくれないかな」と願っている。パコの頬に手を触れた大貫に対してパコは「おじさん、昨日もパコに触ったわね」と言う。大貫はパコに思い出を残してやりたいと病院の人たちにパコの絵本を演じてくれるように頼む。

「先生、俺は子供時代から泣いたことがないから涙の止め方が分からない。どうやったら止まるんだ」

「簡単ですよ。いっぱい泣けばいいんです」

パコの身の上に涙した大貫に病院の院長(上川隆也)が言う。いっぱい泣いて、涙が涸れるまで泣いたら、涙は自然に止まる。泣きたいときには泣けばいいという当たり前のことをさらりと言うセリフが心に残る。そのほか、ユーモアの中での真実みのあるセリフが詰まっていて、これまた中島哲也らしいなと思わせる。

「ざけんじゃねえよ」と言いつつ、子供時代の不幸と唯一の希望だった思い出を、その希望を与えてくれた当事者で今は薬物依存症の入院患者(妻夫木聡)に語る土屋アンナのまるで「下妻物語」の延長のような弾けた役柄が良い。小池栄子の歯がギザギザですぐにかみつく凶暴な看護師も良い。残念なのは何回も見せられた予告編で物語の大筋が分かり、本編にはそれを大きく超える感動がなかったことか。パコのために病院全体をセットにして絵本の扮装をした登場人物が所々で3DCGに変わるクライマックスもこちらのイメージ以上のものはなかった。

出演者は唯一過剰なメイクのない劇団ひとりや過剰だらけの阿部サダヲ、加瀬亮、國村隼などいずれも好演していた。


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