映画とネットのDIARY(tDiary版)
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【映画の感想一覧】 2004年7月以降 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
2004年11月19日 [Fri]
■ 秋のグラフィックスソフト新製品 主要3製品を機能別に徹底比較!
さんざん機能比較しているのに、結論が「目的や操作性の好みで自分に合ったソフトを選んでほしい」では困る。「これが一番」と書いてほしいところ。ま、無理なんでしょうね。
きょうはPhotoshop Elements3.0の発売日。先日注文したのが届くのは明日になるようだ。
2005年11月19日 [Sat]
■ hotmailの迷惑メール
Yahoo!が送信側のスパム対策を施したためかどうかは知らないが、きょうだけで5通来た。hotmailはすべて拒否しようか。hotmailで各種MLにメールを出す人もいるので、ML宛のメールは受信するように設定しておけば、大丈夫だろう。しばらく、ごみ箱に振り分けるように設定して様子を見た後に拒否したい。
■ 観賞本数
数えてみたら、昨年より少ない。まだ1カ月ちょっとあるとはいえ、もう少し見ておかないと。洋画はまずまず去年並みだが、邦画が10本少なかった。けっこう見ているつもりだったので意外。映画館で見逃した作品はDVDでこれからフォローしよう。テレビ録画のものもたまりっぱなしだ。
2006年11月19日 [Sun]
■ [MOVIE] 「トゥモロー・ワールド」
英国ミステリの女王P・D・ジェイムズの原作を「天国の口、終りの楽園。」「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」のアルフォンソ・キュアロン監督が映画化。子供が生まれなくなった未来社会を舞台にしているが、SFではなく、作りとしては逃亡劇・脱出劇の趣である。
テーマははっきりと反戦で、クライマックス、熾烈な市街戦の中で赤ん坊を見た敵味方の兵士たちが争いを中断するシーンにそれが色濃く、感動的に現れる。人類の絶滅が時間の問題と思われたところに出てくる赤ん坊だから、赤ん坊は単純に希望を、救世主の出現を明示しているのだ。人口抑制のために30年間、子供を産むことを禁じられた「赤ちゃんよ永遠に」(1971年)を思い起こさせる設定だが、この映画には当然のことながら、さらに絶望的な雰囲気が漂っている。子供がいないというのは未来がないということと同義であり、これが世界の国々の崩壊をもたらしたのだろう。好みから言えば、SF的な部分を補強し、スケールを感じさせるドラマにした方が映画は面白くなったのではないかと思うけれど、キュアロンの立ち位置が分かる力作である。原題のChildren of Men「人類の子供たち」が子供の重要さを表しているのに、なぜ「トゥモロー・ワールド」などという邦題になるのか理解に苦しむ。
2027年、地球上で最年少の18歳の少年が死ぬ。人類には18年間子供が生まれず、世界の国々は暴動によって崩壊。不法移民を厳しく制限することでイギリスのみが政府としての機能を果たしていた。しかし、ここも爆弾テロが相次ぎ、全体主義社会を思わせるディストピアだ。主人公のエネルギー省官僚セオ(クライブ・オーウェン)はある日、反政府組織のフィッシュから拉致される。リーダーはかつての妻のジュリアン(ジュリアン・ムーア)。セオ自身、かつては活動家だったが、今は酒に溺れ、体制側の人間になりきっている。ジュリアンはセオに文化大臣のいとこから通行証を都合するよう依頼する。ジュリアンはキー(クレア=ホープ・アシティ)という少女を「ヒューマン・プロジェクト」という世界組織に送り届けようとしていた。通行証は最初の検問までセオの同行が必要で、セオはジュリアン、キーらと、行動をともにする。途中、暴徒から襲撃され、ジュリアンは撃たれて死んでしまう。
主人公が連れ去られた赤ん坊と母親を探して市街戦の中を走り回るクライマックスの長いワンカットが話題だが、カメラに血糊が飛び散ったままの長回しは普通なら撮り直すところ。それともあれは臨場感を出すためだったのか。この市街戦のシーンは遠景の中で人が簡単に死んでいく。現在の中東情勢を思わせるものであり、キュアロンは未来に託して現在を照射しているのだ。エンドクレジットの最後にShanti Shanti Shanti(サンスクリット語で平和の意味)と出すのも子供のために反戦を訴える作品であることを明確にしている。
有名女優の使い方としては非常に効果的だとは思うが、ひいきのジュリアン・ムーアがすぐに退場するのは残念。マイケル・ケインの使い方も同じようなもので、この映画のテーマ重視の姿勢が表れている。
2011年11月19日 [Sat]
■ 「エリート・スクワッド」
ベルリン映画祭金熊賞のブラジル映画(2007年)。2作目の「エリート・スクワッド ブラジル特殊部隊BOPE」(2010年)と合わせてWOWOWが一挙放送した。日本では劇場未公開のまま、12月2日にDVDが発売される。監督はジョゼ・パジーリャ。
2本続けて見て断言するが、これは2作目の方が断然、傑作だ。1作目が手持ちカメラとドキュメントタッチを駆使し、警察の腐敗とリオデジャネイロにたくさんある麻薬組織の一つを潰す話だったのに対して、2作目は技術的にも進歩しており、大作映画らしい風格と堂々としたストーリー展開でまったく飽きさせない。州知事を含む政治の中枢に巨悪があるというスケールアップした設定の下、警察特殊部隊BOPE(ボッピ)隊長ナシメント中佐(ヴァグネル・モーラ)の活躍をハードなアクションとともに描き出す。社会派とエンタテインメントを融合した見事な作りと言える。
IMDBの評価は1作目が8.0、2作目が8.3。2作目はブラジルで1100万人以上の観客を動員し、「アバター」を超える大ヒットになったのだそうだ。脚本のブラウリオ・マントヴァーニは「シティ・オブ・ゴッド」(2002年)の脚本家で、1作目のタッチは確かにそれを引きずった感じがある。「シティ・オブ・ゴッド」ほど描写に過激さがないのはジョゼ・パジーリャ監督の持ち味か。ジョゼ・パジーリャは6本の映画を撮っているが、ドキュメンタリー映画が多く、劇映画はこの2本のみ。描写のリアルさはドキュメンタリー出身であることが影響しているのだろう。