映画とネットのDIARY(tDiary版)
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【映画の感想一覧】 2004年7月以降 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
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2011年11月19日 [Sat]
■ 「エリート・スクワッド」
ベルリン映画祭金熊賞のブラジル映画(2007年)。2作目の「エリート・スクワッド ブラジル特殊部隊BOPE」(2010年)と合わせてWOWOWが一挙放送した。日本では劇場未公開のまま、12月2日にDVDが発売される。監督はジョゼ・パジーリャ。
2本続けて見て断言するが、これは2作目の方が断然、傑作だ。1作目が手持ちカメラとドキュメントタッチを駆使し、警察の腐敗とリオデジャネイロにたくさんある麻薬組織の一つを潰す話だったのに対して、2作目は技術的にも進歩しており、大作映画らしい風格と堂々としたストーリー展開でまったく飽きさせない。州知事を含む政治の中枢に巨悪があるというスケールアップした設定の下、警察特殊部隊BOPE(ボッピ)隊長ナシメント中佐(ヴァグネル・モーラ)の活躍をハードなアクションとともに描き出す。社会派とエンタテインメントを融合した見事な作りと言える。
IMDBの評価は1作目が8.0、2作目が8.3。2作目はブラジルで1100万人以上の観客を動員し、「アバター」を超える大ヒットになったのだそうだ。脚本のブラウリオ・マントヴァーニは「シティ・オブ・ゴッド」(2002年)の脚本家で、1作目のタッチは確かにそれを引きずった感じがある。「シティ・オブ・ゴッド」ほど描写に過激さがないのはジョゼ・パジーリャ監督の持ち味か。ジョゼ・パジーリャは6本の映画を撮っているが、ドキュメンタリー映画が多く、劇映画はこの2本のみ。描写のリアルさはドキュメンタリー出身であることが影響しているのだろう。