映画とネットのDIARY(tDiary版)
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【映画の感想一覧】 2004年7月以降 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
2011年09月05日 [Mon]
■ 「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」
予算の無駄遣いとしか思えない。かかった製作費に対してどれだけ観客の心を動かせるのかを考えると、費用対効果は相当に悪いのではないか。このシリーズ、いつも思うのだが、シャイア・ラブーフ演じるサムの私生活のドラマがさっぱり面白くない。本筋はもちろん、ロボット(というか、機械生命体)の方にあるのだけれど、それにしてももう少し何とかならないものか。
ミーガン・フォックスは降板して(させられて?)、恋人役はロージー・ハンティントン=ホワイトリーに代わった(サムが振られたという設定)。こういう華を添えるだけの役なら、ミーガン・フォックスの方がよろしい(ホワイトリーはスタイル抜群で顔はキャメロン・ディアスにちょっと似ている)。
機械生命体のCGは良くできているが、重量感がないのが物足りない。質感がぺらぺらで、すぐに壊れそうな感じなのだ。ここらあたりは宮崎駿のアニメのように重量感を持たせる描写の仕方が必要なのだろう。CGの技術にも描写力はいるのである。
■ 「ゴッドファーザー」
午前10時の映画祭。テレビやビデオでは見ているが、劇場で見たのは初めて。記憶ではシシリー島の場面はもっと黄色っぽく明るかった印象がある。劇中で「愛のテーマ」が初めて流れるこのシーン、暗いニューヨークの色調(音楽も)と鮮烈な対比をなしている、と思っていたが、今回はそうでもなかった。一部、褪色と思われるシーンもある。リストアされているのだけれど、完全ではないのだろう。
見たのは20数年ぶりぐらいだったが、記憶と違うところはその1点のみ。それほど初見の印象が強かったのだ。高校生の時でしたからね。だいたい、僕は同じ映画を繰り返し見る習慣はない。再見しても「あれ、こんな映画だったのか」と思うことがほとんどないのだ。だから、この映画祭も今までスルーしていた。
シシリー島で愛する妻を爆殺されたマイケル(アル・パチーノ)の場面から、映画は1年後に飛ぶ。堅気だったマイケルはすっかりマフィアの世界の人間になっている。映画では省略してあるが、その契機が妻を殺されたことにあるのは明確だ。マフィアのドンに成長していくマイケルを描く後半は再び暗い色調に戻るが、だからこそシシリー島での明るさは必要だった。幸福を象徴する明るさなのである。
裏切りとバイオレンスが渦巻くマフィアの世界は翌年から始まる「仁義なき戦い」シリーズにも影響を与えたのかなと今回、再見して思った。
2011年09月11日 [Sun]
■ 連続ドラマW「下町ロケット」
WOWOWで放送中のドラマ。録画しておいた第3話までを一気に見た。もう第1話を見た時に嗚咽が漏れまくり、2話目を見た後に本屋へ走って池井戸潤の原作を買う羽目になった。直木賞受賞など僕には何の意味もないが、これほどの内容とは思わなかった。第3話も期待通りの出来。これ、今年屈指の傑作ドラマと断言する。いや、テレビドラマはほとんど見ないので僕の断言など信用がならないのだが、こんなに毎回毎回胸を熱く打ちまくってくれるドラマはそうそうないだろう。これ見るためだけにWOWOWに入ってもまったく損はない。
話はまっすぐな心を持つ人間たちがねじ曲がった人間たちに打ち勝つ話とまとめてしまえるだろう。小さな町工場の意地とプライドと誇りをかけて、大企業の妨害に対していく姿勢がとても気持ちよい。社長になった今も夢を捨てない三上博史が久しぶりの大はまり役であるのをはじめとして、大手事務所のあくどさに耐えきれずに独立した弁護士の寺島しのぶ、国産ロケット打ち上げに熱意を燃やす渡部篤郎などなどがいずれも好演。まったく隙がない緊密なドラマである。第1話と第2話の監督は鈴木浩介、第3話は水谷俊之だった。今日が第4話。来週が最終回だ。もう楽しみ楽しみで仕方がない。
2011年09月12日 [Mon]
■ ドラマの質
「下町ロケット」第4話もとても面白かった。大企業の横暴とそれへの反撃、そして不当な裁判が決着したかと思ったら、またしてもラストで大きな困難が待ち構えていた。視聴者の次回を見たいという欲求を否が応でも高めるこの作りはクリフハンガーみたいにうまい。WOWOWがこんなにレベルの高いドラマを生み出すとは驚きだ。いや、3月に傑作ぞろいの「横山秀夫サスペンス」4話を見ているのだが、「下町ロケット」はそれよりも数段レベルが高いのだ。脇の人物に至るまでキャラが立ちまくりなのが素晴らしい。
WOWOWは今年で開局20年。今月号のプログラムガイドと一緒に送られてきたパンフによると、WOWOWがドラマWの製作を始めたのは2003年で、第1作は川上弘美原作の「センセイの鞄」(文化庁芸術祭テレビの部ドラマ部門最優秀賞)だった。連続ドラマWは2008年の「パンドラ」が最初だから、ドラマに関して長い歴史があるわけではない。
ただし、1992年に始まったJ・MOVIE WARSがその萌芽と言えるかもしれない。崔洋一「月はどっちに出ている」(キネ旬ベストテン1位)なども生んだこの企画は主に放送ソフトの充実の意味があったのだと思う。WOWOWの柱である映画はレンタルもできるし、スターチャンネルなど他の放送局で見ることもできる。不完全とはいえ、地上波なら無料で見られる。独自のコンテンツと呼べるものがないと、加入契約を伸ばすことは難しいという判断があったのだろう。最初は単発のドラマだったが、連続ドラマの方が視聴者の関心を長く保つことができるのは当然で、連続ドラマの製作を始めたことは理にかなっている。
加入者の視聴料で成り立つWOWOWは民放のようにスポンサーの顔色をうかがう必要がない。加入者の満足度のみ考えればいいわけで、ドラマの出来不出来は加入契約の伸びに影響を及ぼすだろう。映画監督を使った質の高いドラマ作りの背景にはそんなところも影響しているのに違いない。地上波のように1クールに決まっているわけでもないのだから、製作する側にとっても有利なのではないか。
「センセイの鞄」以降、賞を取ったドラマは「祖国」(2005年)「パンドラ」(2008年)「空飛ぶタイヤ」(2009年)「なぜ君は絶望と闘えたのか」(2010年)。「下町ロケット」も何らかの賞を取るのは確実に思える。
2011年09月14日 [Wed]
■ WiMAX
先週、BBIQからWiMAXモバイルルーターのURoad-9000が届いた。自宅では予想通り、圏外ぎりぎりで電波が弱い。アンテナが1本も立っていない。と思ったが、計測してみたら、640kbpsは出ている。一昔前のネットスピードであるにしても、まあ、我慢できる。なんせ、アナログ回線のころは33.6kbpsだったわけですしね。その後、ADSLにしたころがちょうどこれぐらいの速度だった。自宅でも場所を変えてみると、2~3Mbps以上は出るのが分かった。これぐらい出れば、十分か。ちなみに自宅はWiMAXのピンポイントエリア判定で△のところにある。
出張先の東京の月島で計測したら、2.4Mbps。夜になって再度計測したら、800kbpsほどだった。どうも速度に波があるようだ。宮崎市内の会社ではスマホで2~3Mbps、iPadで5Mbpsほど。会社は「△~○」の地区にある。一般的にパソコンの方がスマホより高い数値が出るようで、これは処理能力の違いが影響しているのだろう。
URoad-9000にはUSB充電ケーブルと充電器が付属しているのが良い。出先ではパソコンに接続して充電しながら使える。(パソコンのバッテリー消費量は増える)。しかもミニUSBなのでこのケーブルを使えば、スマホも充電できる。
WiMAXに変えて何が良かったといって、パソコンがフリーズすることがなくなったこと。僕のノートパソコン、ドコモのFOMA接続ソフトと相性が悪かったらしく、テキストファイルの作成途中でフリーズしてしまい、内容を失ったことがたびたびあった。これがなくなっただけでもありがたい。あとはWiMAXが使える範囲が拡大してくれれば言うことはない。
2011年09月17日 [Sat]
■ ELECOM TK-FBP017BK
SPPで接続するAndroid携帯用のBluetoothキーボード。楽天のショップに注文したのが昨日届いた。Android用のBluetoothキーボードは今のところこれしか選択肢がない。出張の時にはいつもノートパソコンを持っていくが、1.5キロぐらいあって、移動の際に重くて仕方がない。これがあれば、スマホ(IS03)だけですむ、と思ったのだ。
AndroidマーケットからEleWnnとElecomBtAssistantをインストール(ELECOMのサイトにリンクがある)。スイッチをSPPにしてスマホとペアリングする。ペアリングは簡単にできたが、なぜか入力ができない。あれれ、と思っていろいろやってみたが、ダメ。何度も設定を繰り返しているうちに入力できるようになった。うーん、何が悪かったんだろう。
EleWnnの変換精度はあまり評判がよろしくないが、まあ、常時使うわけではなく、会議のメモに使うぐらいだからそんなにストレスはない。ただ、キー操作には少し慣れが必要だ。キーの間隔はノートパソコン並みなのだが、慣れないと隣のキーとの打ち間違いが多くなる。キーボードに少し傾斜も欲しいところだ。変換は補足マニュアルには「スペースキーではできない」と書いてあるが、できるようになっている(現在のバージョンは1.1.2)。スクリーンキーボードで打つよりやっぱり入力は速い。
いろいろ試した結果、エディタにはEvernoteを使うと便利であることを実感。他のエディタを使ってDropboxでパソコンと同期してもいいのだが、Evernoteの方が手間はかからない。
パソコンともペアリングしてみた。接続はHIDなので入力にいつも使っているATOKが使えてストレスがない。Android携帯もHIDに対応してほしいものだ。
2011年09月19日 [Mon]
■ 「未来を生きる君たちへ」
アカデミー外国語映画賞を受賞したデンマーク映画。内容を伝えない邦題だが、原題は「報復」「復讐」を意味しているそうだ。英語のタイトルは「In a Better World」。「憎しみの連鎖を断ちきる」という今はやりとも言えるテーマを描きながら、監督のスサンネ・ビアは緊張感あふれるドラマを展開させ、見応えのある作品に仕上げた。
アフリカの難民キャンプとデンマーク郊外の学校でドラマが繰り広げられる。特にデンマークの描写が良く、いじめられる少年クリスチャンを演じるヴィリアム・ユンク・ニールセンは「オーメン」のダミアン役にも似合う冷たさを漂わせている。
■ 「ミッドナイト・ミート・トレイン」
クライヴ・バーカー原作で血の本シリーズの第1作「ミッドナイト・ミートトレイン」を読んだのはもう20年以上前。電車の中のスプラッターという記憶しか残っていない。映画は北村龍平監督のアメリカ映画デビュー作であり、不遇な公開のされ方をしたらしいが、作品自体はよくできたホラーになっている。屠殺場に勤め、地下鉄で殺戮を続けるマホガニーを演じるヴィニー・ジョーンズが怖い無表情をしていて秀逸。主演は「ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」のブラッドリー・クーパー。ブルック・シールズも久しぶりに出ている。
■ 「スプライス」
ヴィンチェンゾ・ナタリは異能とか異才という言葉がぴったりの監督に思える。「CUBE」も「カンパニー・マン」も通常の発想では作れない作品だと思う。この映画の場合は通常の発想で作れるのだけれど、遺伝子操作で誕生した新しい生命体の気味の悪さが尋常ではない。人間のようで人間とは非なるもの。生まれた時は羽根をむしった鳥のような形態で、毒針のあるしっぽを持つ。成長するにしたがって人間の姿に近づくが、言葉はしゃべれず、足は鳥の足のような形のまま。それが人間に恋をするから始末に負えない。
NERD(オタクだ)という研究機関に勤め、生命体を誕生させる研究者夫婦は要するにマッド・サイエンティストなのだが、そうは見えないエイドリアン・ブロディとサラ・ポーリーが演じているのがポイントか。気味の悪い生命体にドレン(DREN=NERDの逆)と名付け、かわいがるのが尋常ではない精神構造を表している。