映画とネットのDIARY(tDiary版)

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映画の感想一覧 2004年7月以降 2005年  2006年  2007年  2008年  2009年

2005年05月07日 [Sat]

「失踪日記」

「失踪日記」表紙借りて読む。漫画家の吾妻ひでおがホームレス、アル中、ガス会社の孫請け会社の肉体労働者となった体験を描く。「全部実話です(笑)」とある。それぞれのトリビアな部分が面白くて一気に読んだ。物足りない部分があるとすれば、それは原因の追究があまりないからだ。漫画ではそうした精神的な部分を描くのは難しいのかもしれない。

失踪の理由は簡単に説明されている。漫画が描けなくなった(アイデアに行き詰まった)からだ。吾妻ひでおの場合、経済的な理由ではなく、日常からの逃避でホームレスになったわけだ。締め切りに追われた生活というのは精神的によくないのだろう。だから、仕事を離れてリフレッシュすることは重要なのだが、なかなか普通の会社ではそうもいかない。そういう場合、酒を飲むことは逃避の代替行為としての意味合いが大きくなる。アル中になることとホームレスになることの間に大きな隔たりはない。

ついでに言えば、映画を見たり、本を読んだりするのもそうした代替行為の一環である。まあ、映画や本の中毒になったところで、社会的な立場に影響はないのですけどね。

W21CAII

ヤマダ電機で買う。値引きとかポイント(約2000ポイント)使用などで購入価格は1万円足らず。まあ、こんなものでしょう(価格.comで調べると、新規購入の最安値は8,400円、平均は12,301円)。電話はあまりかけないのでプランSの家族割と年割とダブル定額ライトに設定。これでメールとezwebとPCサイトビューアーはいくら使っても最大5700円となる。

ドコモの携帯からアドレス帳を移さなくてはいけないが、いちいち入力するのは面倒。パソコンに取り込んであったドコモのデータをCSV形式で保存して、付属のMySync Suite体験版に読み込んでみたが、うまくいかない。しょうがないのでCSVをExcelで開いて、コピー&ペースト。40件ほど登録した。ま、いちいち携帯で入力するよりは速いでしょう。

W21CAIIを買ったのはPCサイトビューアーが付属しているからというだけの理由。少し文字が小さいような気がするが、これは調整できるのでしょう。これで出先にパソコンがなくても日記更新ができるようになる。いや、今までもできたのだが、パスワード入力が面倒だった。何を入力したのか分からなくなって、何度も入力し直していた。W21CAIIはパスワードの入力文字が一度見えた後に伏せ字になるので、入力はしやすい。


2006年05月07日 [Sun]

BB.excite接続サービス

あさってがフレッツ光プレミアムの工事。たぶん@niftyの子IDが使えるはずだが、念のために入っておいた。月額500円ならなんてことはない。メールアドレスもホームページスペースもない接続だけのサービスだが、それで十分。当初は固定IPが無料の「さくらのフレッツ接続」を使おうかと思っていたが、光プレミアムには対応していなかった。残念。

[MOVIE] 「Limit of Love 海猿」

「Limit of Love 海猿」チラシ握り合う手と手がモチーフか。冒頭、墜落した飛行機の乗客を救出する場面で、主人公の仙崎(伊藤英明)は一人の手を放してしまう。それが仙崎に心の傷を負わせて、環菜(加藤あい)との結婚も延期してしまうのだが、映画はここを驚くほど簡単に描いている。手を放さなければならなかった理由とか、状況を克明に描く必要があったと思う。例えば、レニー・ハーリン「クリフハンガー」では冒頭にあるシルベスター・スタローンが友人を山で亡くすシーンが主人公のその後の再生に説得力を持たせていたように、こういう描写は冒険小説的な映画では常套的なものなのである。ある事件を通じて主人公がそれを克服していくのが普通なのだ。死地から生還する主人公。監督の羽住英一郎にはそういう視点はなかったようだ。いや、あったのかもしれないが、描写が不足している。

あるいは仙崎たちがフェリーから脱出するために30メートルを潜水で移動するシーンを描かなかったり、脱出の前に環菜に長々とプロポーズしたり、フェリーが沈没するまでの時間の経過が感じられなかったりするところなどが、映画が傑作にならなかった要因のように思う。全体的に面白い映画と思ったものの、話がプロット以上のものではなく、密度が薄く感じる。沈没するフェリーのVFXなどビジュアル的には文句のない映画になっているのに惜しいと思う。

鹿児島沖3キロで乗客620人、車両195台を乗せたフェリーが砂利運搬船と衝突、座礁する。フェリーには亀裂が生じ、浸水する。乗客を避難させる時間は4時間。仙崎たち海上保安官は必死で乗客を避難誘導する。避難の途中で船の売店で働く妊婦の本間恵(大塚寧々)が傷を負い、仙崎は手当てをする。恵の案内で脱出しようとした仙崎は車庫で豪華な車に乗っている海老原真一(吹越満)を見つける。海老原を連れて脱出しようとしたところで爆発が起き、バディの吉岡(佐藤隆太)とともに仙崎ら4人は船に閉じこめられてしまう。下の階は浸水、上の階は火災の絶体絶命的な状況。海上保安庁の下川(時任三郎)は30メートル潜水して脱出するよう指示を出す。仙崎たちはそれに成功するが、無線は故障し、船の爆発が相次いだことから、下川は他の海上保安官たちに船からの撤収を命じる。

「海猿」は1作目をDVDで見た後、テレビドラマも何回か見た。特に思い入れはないけれども、嫌いな話ではない。映画は人間関係を承知のこととしてあまり深く描いていないが、それがキャラクターの深みを減じることにもなっている。この映画を独立して見る観客のためには仙崎のキャラクターをもっと描き込む必要があったように思う。冒頭の飛行機事故の場面の描写の薄さは環菜との結婚を延期する仙崎の心情を分かりにくいものにしている。閉じこめられたのがたったの4人というのは近々リメイクが公開される「ポセイドン・アドベンチャー」などに比べてハンディがあるように思えるが、そこは羽住英一郎、恵と海老原のキャラクターを徐々に描くことで補っている。このあたりはうまいと思うのだけれど、細部にはやはり不十分な描写があることは否めない。乗客の避難完了までに4時間という設定は映画を見る前にはいくらなんでものんびりしていてダメなのではないかと思ったが、画面を見る限りでは違和感はない。ただし、時間の経過が感じられないのは先に述べた通り。東京にいる下川がすぐに鹿児島に駆けつけたりするのも唐突に感じる。東京から鹿児島までどんなに急いでも1時間半、空港から現場までさらに1時間近くはかかるだろう(ヘリを使えば速いか)。

この映画、全国的に大ヒットしているようだ。大衆性は十分にあり、韓国映画「タイフーン」あたりと比べても画面の迫力は負けていない。それだけに緻密さに欠ける部分があることが惜しまれる。


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