映画とネットのDIARY(tDiary版)
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【映画の感想一覧】 2004年7月以降 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
2005年05月11日 [Wed]
■ [MOVIE] 「阿修羅城の瞳」
市川染五郎と宮沢りえのセリフ回しが心地よい。2人とも江戸っ子なので、べらんめえ調の軽いセリフがよく似合う。染五郎のセリフの決め方などはさすがだと思うし、今や勉強熱心なことにかけては定評がある宮沢りえのさわやかなお色気もいい。こういう軽い感じで全体を映画化してくれれば良かったのにと思う。阿修羅王の復活を図る樋口可南子や鬼御門(おにみかど)の渡部篤郎らの演技が重く暗く、もっと面白くなりそうなのに何だか陰々滅々とした感じに終わっているのである。映画全体としてはスケールが足りないのが致命的だと思う。同じようなセットで話が進行し、広がりが感じられない。突き抜けたものがない。息苦しい。深作欣二「魔界転生」の昔からセットで繰り広げられる魔界を描いた邦画は陰々滅々になる傾向があるようだ。
「陰陽師」の滝田洋二郎監督による舞台劇の映画化。物語も鬼が出てくるところなど「陰陽師2」に似ているので、ピッタリの人選と思うが(鬼御門の頭領は舞台では十三代目安倍晴明なのだそうだ)、スケール感では「陰陽師」の方にやや分がある。
文化文政時代の江戸。人々の中に秘かに人を食らう鬼が紛れ込んでいた。幕府は鬼殺しのために鬼御門という組織を結成。その頭領である国成延行(内藤剛志)と腹心の安部邪空(渡部篤郎)はある夜、尼僧姿の鬼女・美惨(びざん=樋口可南子)と出会う。美惨は鬼の王である阿修羅が間もなく復活すると告げる。5年前まで鬼御門に属していた病葉出門(わくらば・いずも=市川染五郎)は、鬼と思われる少女を斬ったことで鬼御門を辞め、歌舞伎役者として気ままに暮らしている。出門はつばきと名乗る女(宮沢りえ)と出会い、たちまち恋に落ちる。つばきは5年以上前の記憶をなくしていた。出門に惹かれたつばきは右肩に紅の花のような痣ができたのを見つける。出門に惹かれるたびにその痣は大きくなっていった。やがて美惨が求める阿修羅の復活につばきが必要と分かってくる。
滝田洋二郎は3時間の舞台を出門とつばきのラブストーリーに集約しようとしたのだという。確かに2人のラブシーン(つばきが出門の傷を舐めるシーン)などは官能的なのだが、ラブストーリーとして優れているかというと、そういうわけでもない。恋をすることで鬼に変わる女の悲劇性も出す必要があっただろう。物語の先が読めて、あまり深みを感じない描写に終わっている。VFXは阿修羅城の出現や燃え上がる江戸の町の描写など、もっとスケール大きく見せて欲しかったところ。なんとなく中途半端に終始し、驚くようなショットもなく、物語のポイントとなる描写もなかった。
主演の2人は決して悪くないのだから、やはり演出の仕方に難があったのだろう。滝田洋二郎監督には、次はまったく違う素材で映画を撮ってほしいと思う。こういう魔界物はあまり得意とは思えないし、もういいのではないか。
2006年05月11日 [Thu]
■ リモコンでSleipnir
Feather2006 Perfect Editionをダウンロードで購入。MTVX2004が動かなくなるんじゃないかと心配したが、大丈夫だった。タスクバーは最初、邪魔に思えたが、テレビやDVD、CDの画面を入れておくと便利。クリックで起動できる。
ちょっと不満なのはFeather2004では矢印キーにチャンネルや音量の操作が割り当てられていたのに、2006では割り当てられていないこと。これはメニューの操作に使うためになくなったのだろう。リモコンの操作も少し変わった。
そのリモコンにSleipnirのショートカットキーをいくつか割り当てた。とりあえず戻る、進むとリンクをたどるタブキー、Shift+タブキー、上下のスクロールを登録。これでリモコンで最小限の操作はできる。タブの新規作成とかタブの選択とかも、キーを割り当てればできるだろう。ま、一番いいのはキーボード自体を無線のものに変えることかもしれない。
2008年05月11日 [Sun]
■ スタートアップ修復
最近、ノートパソコン(Vista)が起動時にブルースクリーンを出してエラーを起こすことが多くなった。スリープや休止状態に移行した後で頻発する。再起動後は普通に使えるが、どうも気持ちが悪い。Windows Vista ヘルプ : スタートアップ修復 : よく寄せられる質問に従って、スタートアップを修復してみた。OSがプリインストールなのでインストールディスクはない。「スタートアップ修復が、コンピュータにプレインストールされた回復オプションである場合」の通りにやって修復。起動時にF8キーを押してブートオプションを出すというやつ。
再起動後、スタートアップから消えたのはSonicStage Mastering Studio。そう言えば、Windows終了時に「SMSが終了できない」とのダイアログが出たことがあった。これが原因か。SMSは最初からインストールされていたわけではなく、先日、プログラムのメニューにあったので、起動したらインストールされたもの。何かが干渉していたのだろう。これで直ったかと思いきや、やっぱりエラーが出る。うーん、何が原因なんだか。
2011年05月11日 [Wed]
■ 「ザ・ウォーカー」
バカにして見始めたら、面白かった。文明崩壊後の世界を舞台にしたアクション。序盤、デンゼル・ワシントンが大きな山刀で数人の敵を一瞬にして倒す場面でおおお、と思う。ワシントンは西を目指して30年間歩いている。1冊の本を届けるためだ。そういう貴重な本ということであれば、容易に想像がつくが、映画はモノクロームに近い単色系の色あせた画面で説得力のあるストーリーを展開する。ゲイリー・オールドマンが支配する街でのアクションを見ると、基本は西部劇だなと思う。オールドマンもその本を求めていて、ワシントンとの争いが始まることになる。
ちょっと引っかかったのは東海岸から西海岸までいくら歩いてであっても30年もはかからないだろう、ということぐらいか。「マッドマックス2」のような世界を舞台にした佳作。監督はアルバート&アレン・ヒューズ兄弟。クレジットはThe Hughes brothersと出た。
見ていて思ったのは本は強いなということ。電気のない世界では電子ブックなんて役に立たない。本は電気がなくても読むことが出来るし、紙が傷まない限りは数百年でも保存できる。iPadの発売以降、電子出版が注目を集めているけれど、本当の本好きは本から離れることはないだろう。ま、出張などで持って行くと、何冊でも入れられる電子ブックは便利ではありますけどね。
■ 「グリーン・ゾーン」
イラクに大量破壊兵器(WMD)がなかったのは既定の事実なのだから、今さら、それがアメリカ政府上層部のでっち上げだったなんてことを力をこめて言っても、あまり意味はない。マイケル・ムーアの言うようにこれはフィクションとして作るべき題材ではなかったと思う。事実を積み上げた映画であれば、もっと評価は高かっただろう。
それよりもこの映画を「反米的」などと罵倒する評論家がいることに驚く。そういうバカがいる国でこういう映画を撮ったことには意義があるのかもしれない。監督が「ユナイテッド93」のポール・グリーングラスなのでサスペンスやアクションは水準を行っている。「この国をお前たちのいいようにはさせない」というイラク人の主張をもっと前面に出した方が良かっただろう。
■ 「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」
好きなシリーズだが、あまりの評判の悪さに昨年見逃した。冒頭、湾岸署の新庁舎への引っ越しの場面がいきなり間延びした展開でがっかり。黒澤明「野良犬」を引用したような拳銃を盗まれる事件(ただし、引っ越しのどさくさ紛れ)から湾岸署占拠、青島(織田裕二)が過去に逮捕した犯人たちの釈放要求(これがヤツら、というわけ)と続く。話のスケール感に乏しいのが難で、占拠されるのは湾岸署ではない方が緊迫感が増しただろう。警察内部の事件と思えてしまうのである。事件の首謀者である小泉今日子と織田裕二の対決にもっと深い理由付けも欲しい。
良かったのは映画版では初登場の内田有紀。もっと映画に出てはどうか。
■ 「大怪獣ガメラ」
1965年のガメラ第1作。WOWOWでは今、大映特撮スペクタクル映画の特集をやっている。ラインナップはこの映画のほか、「秦・始皇帝」「釈迦」「大魔神」の4本。ふむ、そんなものか。旧ガメラシリーズは何本か見ているが、これは初めてだった。平成ガメラ3部作とは比べるべくもないけれど、ガメラの鳴き声だけは平成ガメラも踏襲している。
ガメラはエネルギーを吸収するので、普通の兵器は役に立たない。そこで取られた方法は冷凍爆弾で10分間、ガメラを動けなくし、その間に爆弾をしかけて崖からガメラを落とし、裏返しにする方法。亀は自力で起き上がることはできないので、気長に待っていれば、やがてガメラは飢え死にする、というほとんど冗談みたいな方法である。ところが、ガメラは手足を引っ込め、炎を噴き出して空中に浮かぶ。それを見ていた科学者が驚いて言う。「亀が空を飛ぶとはのう…」。もちろん、”亀も空を飛ぶ”のである。
クライマックスに出てくるZ計画というガメラの撃退法にはちょっと感心。ウルトラマンのエピソードに似たものがあったが、こちらの方が先だ。SFに詳しい人よりもそうじゃない人の方が思いつきそうなアイデアである。