映画とネットのDIARY(tDiary版)
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【映画の感想一覧】 2004年7月以降 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
2005年05月28日 [Sat]
■ mimicry FLASH
携帯用FLASHの配布サイト。作者がauを使っているらしくサイトの作りもau風。感動的にしっかりしたデザインのFLASHが多い。ストップウォッチやWin風待ち受け(ゲームチャンネルezのランキング1位)をダウンロードした。
■ MySync Suite購入
試用期間が終わりに近づいたので、2,000円払った。まとめてau払いを利用。払った後で、USBケーブル付きにすれば良かったかと少し後悔。会社で携帯からデータを取り出すときに便利だろうと思ったからだが、考えてみると、その種のメモリー編集ソフトがなければ、ケーブルだけがあっても意味がないのだった。
■ Reply to非対応
今ごろ知りましたが、iモードのメールはReply toに対応していないのですね。FOMAになっても対応しないというのがさすがというか何というか。iモードの開発者は恐らく、どうせ簡易的なものだからとメールのサブセットみたいな考えで開発したのだろう。これではメーリングリストで非常に困ったことになる。
auは対応、Vodafoneはロングメール以上は対応しているらしい(よく知らない)。
2006年05月28日 [Sun]
■ [MOVIE] 「クラッシュ」
交通事故で始まり交通事故で終わる映画だが、タイトルの「クラッシュ」は人と人との衝突を意味しているようだ。毎日毎日、苛立ちながら暮らしている白人、黒人、ペルシャ人、中国人、メキシコ人たちのエピソードをポール・ハギス監督はロサンゼルスの縮図として描き、わずかな前進と希望を感動的に提示して映画を終える。これがロサンゼルスの映画人に支持されないはずはなく、アカデミー作品賞も納得できる。
ハギスはパンフレットで「この映画のテーマは人種や階級についてではなく、見知らぬ人間への恐怖についてである」と語っている。見知らぬ他人への恐怖が銃犯罪を生む。「ボウリング・フォー・コロンバイン」(2002年)でマイケル・ムーアが示した結論をフィクションとして描いた作品と言えるだろう。人種差別、社会的偏見を含めた相互無理解が悲劇を生んでいく。だから悲劇から一転して幸福感にあふれる透明マントの奇跡のようなエピソードは天使のいない街に天使が舞い降りた瞬間を描いたものとして胸を打つ。厳しさに足りない面はあるし、人間関係が接近しすぎていくところなどいくつかの弱点も見受けられるが、ハギスの脚本は優れたものだと思う。何より希望を捨てていないところがいい。ラスト、ロサンゼルスに降る雪は街の浄化を意味しているのだろうか。
映画には多数の人物が登場する。麻薬中毒の母親を持つ黒人刑事グラハム(ドン・チードル)と同僚の女性刑事リア(ジェニファー・エスポジット)、若い黒人の2人組アンソニー(リュダクリス)とピーター(ラレンツ・テイト)、検事のリック(ブレンダン・フレイザー)とジーン(サンドラ・ロック)夫婦、その家の鍵の修理に来たダニエル(マイケル・ペニャ)、ペルシャ人の雑貨店経営者ファハド(バハース・スーメク)、白人警官ライアン(マット・ディロン)とハンセン(ライアン・フィリップ)、テレビディレクターのキャメロン(テレンス・ハワード)とクリスティン(サンディ・ニュートン)の夫婦。序盤はこうしたキャラクターのエピソードがばらばらに描かれていき、ちょっと飽きたかなと思い始めたところで多重衝突事故が起こる。事故現場に駆けつけたライアンの行動がまず最初のエモーショナルな場面。それまでの描写で黒人差別主義者のように思われたライアンは転倒した車の中から黒人女性を必死に助けようとする。このライアンに限らず、ハギスの脚本は単純に人間を善悪に色分けしていない。だから話が真実味を帯びてくる。
俳優のビリングのトップはサンドラ・ロックだが、このいつも苛立ち、差別的発言を公言する女性のキャラクターは終盤にある出来事で変化するという場面が用意されていながらも、決して主人公ではない。貧困や差別や家庭の事情で登場人物たちにはそれぞれに苦悩があるが、中でもドン・チードルの役柄は他人の理解どころか、母親にさえ理解されていない点で悲痛である。しかも弟を助けようとした行為が少しも報われない。この弟が実は、という部分が終盤に明らかになる。そうした人間関係の接近は先に書いたように弱点ではあるのだけれど、ハギスはそれを承知の上でフィクションを構築したのだろう。伝統的なハリウッド映画というのはそういうものである。観客に現実の厳しさだけを見せるよりはいい気分で映画館を出させる。ハギスはハリウッド映画の範疇にとどまりながら、良心的な作品を作った。志の高さがこの映画の美点なのだと思う。
2008年05月28日 [Wed]
■ 本と映画と「70年」を語ろう
連合赤軍関係の本が読みたくなって書店を探したが、なかった。代わりに目に付いたのがこの新書。「70年」に反応したのである。映画・文芸評論家の川本三郎と新右翼の一水会顧問・鈴木邦男の対談集で、奥付は5月30日第1刷発行とあるが、13日に出た本らしい。
鈴木邦男は以前から川本三郎と会いたかったという。2人ともかつて新聞社に勤め、逮捕されたことで解雇されたという共通の過去があるからだ。川本三郎は朝日ジャーナルの記者時代の1971年、赤衛軍事件の犯人と接触、シンパシーを感じて証拠隠滅に手を貸した。それで逮捕されたそうだ。これは全然知らなかった。この事件について書いた「マイ・バック・ページ」は映画化されるという。
鈴木邦男は産経新聞時代に政治的事件を起こし、やはり逮捕されて解雇された。これはありそうだなと思えるのは右翼のイメージがあるからだ。しかし、鈴木邦男は一般的な右翼とはほど遠いのがこの本を読むとよく分かる。テレビに出始めたころから「変わった右翼だな」と思っていたが、今は右翼から「あいつは左翼だ」と言われるらしい。「実録・連合赤軍」について鈴木邦男はこう語っている。
「若松孝二監督の『実録・連合赤軍』という映画が公開されています。非常にいい映画なんです」 「『光の雨』も良かったけど、若松さんの映画は学生運動の歴史を忠実にずっと追っかけているんです。三時間以上ありますが、すごい映画です」
面白かったのは右翼の美学に関する説明。右翼はテロを肯定するが、やったことに対しては責任を取る。行ったことに対して決して逃げないのが右翼の美学なのだそうだ。だから朝日新聞阪神支局襲撃事件は右翼から評価がないという。川本三郎よりも鈴木邦男の考え方が面白い本で、他の本も読んでみようかという気になる。映画「靖国 YASUKUNI」の推薦文を書いたり、街宣車で押しかけるより対話の必要性を説いたりと、もはや右も左も超えた人なのである。
この本は2007年10月から2008年3月までに行った語りおろしの対談をまとめたもの。本来なら雑誌連載がぴったりだと思うが、掲載できる雑誌が朝日新聞社にはなかったのだろうか。