映画とネットのDIARY(tDiary版)

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映画の感想一覧 2004年7月以降 2005年  2006年  2007年  2008年  2009年

2005年05月27日 [Fri]

Google デスクトップ検索正式版

ようやく出たので、会社のパソコンにインストール。鶴亀メールが対応したので、メール検索が便利になった。自宅のパソコンにはインデックスファイルの保存場所をCドライブから変えられるようになったら、インストールしよう。


2006年05月27日 [Sat]

[MOVIE] 「嫌われ松子の一生」

「嫌われ松子の一生」チラシ「人生って何? 人生って何?」と始まった歌詞が「愛は人生、愛は人生」と変わっていく。ひどい男を殺して刑務所に入った川尻松子(中谷美紀)が自分を愛してくれた平凡な理容師(荒川良々)の元へ行こうと決意する心情の変化をたどる場面に合わせて流れるこの「What Is A Life」(AIと及川リンのコラボ)がもっともミュージカルらしい歌だと思う。男の元で意外な事実を知った中谷美紀の泣き笑いの表情もいい。パンフレットによれば、監督の中島哲也は最初に場面に合わせた歌を各アーティストに頼んだそうだ。歌と踊りで主人公の心情を表現するというミュージカルの根本的な在り方がこの映画にはある。

いや心情どころか、ドラマの展開までを盛り込んでおり、不倫した男との幸せを綴り、ディズニー映画の音楽を思わせる「Happy Wednesday」も秀逸な歌であり、まるで50年代のハリウッド映画のミュージカルのようにハッピーな感覚にあふれた秀逸なシーンだ。歌にドラマを肩代わりさせることが、物語の簡潔な描き方にもなっている。日本映画としては本当に珍しくミュージカルとして成功した映画と言える。同時に昭和22年生まれという松子の人生に合わせてその時々のヒット曲を盛り込んでいるのがもう、ほとんど歌謡映画。音楽がこれほど重要な位置を占める映画というのもまた日本映画としては珍しい。極彩色の場面とCGを盛り込んだ独特の映像とテンポの速い展開も併せて、中島哲也のオリジナリティは革新的であり、海外に十分通用する技術だと思う。

そもそも山田宗樹の悲惨な原作の中にユーモアを感じたという中島哲也のセンスが非凡なものなのだろう。映画は河原で撲殺された松子の部屋を掃除するよう父親(香川照之)から言われた松子の甥の笙(瑛太)が松子の一生をたどる形式。松子は小学校の教師をしていたが、修学旅行先の旅館で盗みを働いた男子生徒をかばった(というよりは早く問題を終わらせたかった)ために誤解が誤解を呼んで教師を辞職させられる。家では病弱な妹久美(市川実日子)ばかりをかわいがる父親(柄本明)に愛されようと頑張ってきたが、家を出ることになる。そこからは転落の一途。作家志望の男(宮藤官九郎)と同棲するが、さんざん暴力をふるった挙げ句、男は自殺。ソープに勤め、ひも男(武田真治)を殺し、刑務所に服役することになる。

悲惨な話を明るく描いたとはいっても、根底にあるのは強いエモーション。泥臭く言えば、浪花節的な部分である。ダメ男ばかりを愛してしまう松子の心情は徐々に浮かび上がってくる。一人よりはまし。松子がダメな男であっても次々に男に惹かれるのは家族から見捨てられ、孤独に耐えられなかったからだろう。男に尽くしても尽くしてもひどい目に遭わされる松子の姿は神にたとえられ、「人の価値というのは人に何をしてもらったかじゃなくて、人に何をしてあげたかだよね」というセリフが生きてくる。笑いと涙、ドライとウェットを混在させた作りには感心させられる。同じく不幸な女を描いても、悲惨に終始したラース・フォン・トリアー「ダンサー・イン・ザ・ダーク」よりは随分洗練されていると思う。

中島哲也の前作「下妻物語」を彷彿させるのは刑務所の中で知り合っためぐみ(黒沢あすか)との関係で、AVに出ためぐみがレストランで泣き崩れるシーンなどは失恋したイチコ(土屋アンナ)の姿を思い起こさせた。黒沢あすか、いい感じである。


2007年05月27日 [Sun]

[MOVIE] 「パッチギ! LOVE & PEACE」

「パッチギ! LOVE & PEACE」パンレット大感動して帰ってきて、ネットの他の感想を見ると、毀誉褒貶が明確に分かれている。「反日映画」と決めつけた偏狭かつ、もの知らず的な見方の幼稚な感想は論外としても、ヒステリックな非難の要因は主義主張のはっきりした映画を見た経験が少ないためとしか思えない。映画は「パッチギ!」(2005年)の続編だが、キャストも違うし、前作とのつながりはほとんどなく、独立した作品である。

描かれるのは東京に出てきたアンソン一家の出来事を中心にした在日への差別と権力への異議申し立て。アンソンは筋ジストロフィーであることが分かった子供の治療費を捻出するために奔走し、妹のキョンジャはスカウトされて芸能界に入る。在日への差別が厳しいのはこのキョンジャのパートで、キョンジャはタレントとして売り出すために在日であることを隠して活動せざるを得ない。差別を根本的に描くには、朝鮮人が日本に連れてこられた過去、つまり戦争中の描写に踏み込まざるを得ず、キョンジャが出演した特攻隊映画「太平洋のサムライ」と徴兵から逃げたキョンジャの父親の戦争中の描写が対照的に描かれていくことになる。嘘っぱちの「君のために死ぬ」などという「太平洋のサムライ」のセリフが白々しく感じられるの言うまでもない。この映画が優れているのはこうしたテーマに真摯に向き合っていると同時にエンタテインメントにくるんで仕上げていることで、最初と最後にある乱闘シーンは実に気持ちよく、陰湿な差別意識を吹き飛ばす爽快感にあふれている。加えて、このシーン、前作同様に殴り合わなければ本当の理解は進まないという端的な主張を表してもいるのだ。

僕は前作よりも面白かった。というよりも井筒和幸のベストではないかと思う。こうした普通の主義主張を言うのに今の日本は困難な時代になっている。でなければ、ヒステリックな非難など出てくるはずがない。反権力・反権威に貫かれた映画なので、権力に追従することに気持ちよさを覚える人、権威にただひれ伏す人には不快なのだろう。当然のことながら、差別主義者と権威主義者がイコールなのはよく知られた事実なのである。

1974年から1975年にかけての東京・枝川が舞台。叔父の経営するサンダル屋で働いているアンソン(井坂俊哉)は妻を白血病で亡くし、息子のチャンス(今井悠貴)は筋ジストロフィーであることが分かる。妹のキョンジャ(中村ゆり)は焼き肉屋で働いていたが、あるプロダクションの男にスカウトされ、芸能界に入ることになる。オモニ(キムラ緑子)や叔父さん(風間杜夫)、その妻(手塚理美)、地区の長老(米倉斉加年)、朝鮮将棋のおじさん(村田雄浩)らのキャストの充実ぶりが大したもので、これは下町の人情劇としても機能しているのが素晴らしい。監督の言う「あの時代をこうやって懸命に生きてきた家族がいたんだよということを描こうと」したという言葉が本音であるかどうかはともかく、描写の具体性は人情劇としても十分通用するのである。この地区に転がり込んできた国鉄職員の佐藤(藤井隆)もまた、小さいころに母親に捨てられた過去を持ち、人情劇の側面を補強している。同時に映画にはそうした人々が不当な差別にさらされた怒りと鬱屈を描いていもいる。クライマックス、キョンジャが映画館の観客の前で自分の出自を明らかにするシーンはそうした不当な差別への異議申し立てを表していると同時に間違った社会への抗議にほかならない。

井筒和幸は映画の端々に小さな批判と怒りを込めている。筋ジストロフィーをドラマの設定に描くことには難病ものと似たり寄ったりではないかという疑問も感じるのだけれど、瑕疵だろう。思えば、キョンジャが「必ず生きて帰ってきてください」という映画のセリフの変更に反発するシーンは黒木和雄「紙屋悦子の青春」にそのまま通じるシーンなのである。チャラチャラした作品の多い日本映画の中で、芯の揺るがない作品に出会うこと自体が珍しく、それだけでも貴重な作品と思える。在日うんぬんの前に権力への盲目的な追従を批判した映画であり、右傾化した現在の日本への警鐘鳴らす作品でもある。井筒和幸の主張は極めて真っ当なもので、この痛快で正直な作品がヒットしない現状には疑問を感じざるを得ない。反発精神、反骨精神にあふれた映画である。


2009年05月27日 [Wed]

JavaScriptミス

先日、東京出張に行った際、やっぱりSuicaがあると便利だなと思った。ふと、自分の携帯を見てみたら、なんだモバイルSuicaのアプリが入ってるじゃないか。ただし、クレジットカードでチャージすると、年会費1000円が必要になる。年間数回しか東京に行かないのに1000円は高い。

EASYモバイルSuicaという年会費無料のサービスがあったので、こちらに登録したが、チャージはコンビニなどでの現金チャージか指定銀行からのチャージしかできない。銀行口座からのチャージはモバイルバンキングの手数料取られるらしいので、というか、そもそも指定銀行(みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行)に口座がないので、現金チャージするしかない。まあ、いつも泊まる宿にはローソンがあるので、そこでチャージすればいいんですけどね。

モバイルバンキングと言えば、自分の口座がある地元の銀行でもやっている。パソコンや携帯から残高が照会できると、便利ではある。たまってるポイントで月会費も無料になるので試してみようかと思い、Firefoxで手続きしたら、なんと対応していない。申し込みができない。IEしか使えないのだった。これで、やる気をなくした。

ページのソースを見てみると、あまりにも単純で、IE独自対応のスクリプトでもなさそうだ。これがFirefoxで動作しないのはおかしい。気になったのでFirebugでチェックしてみたら、なんと驚くような単純なミスだった。JavaScriptのコメントタグが<!--- --->となっていたのだ(分かりにくいので書いておくと、ハイフンが3つある)。当然のことながら、ここは<!-- -->(ハイフン2つ)が正しい。ハイフン一つの間違いでもFirefoxは動作しない。それほど厳密なのだった。

というか、こういう単純ミス、極めて恥ずかしい。銀行がどこかのホームページ製作会社に作らせたのだろうけど、お金に関係する部分でこういうミスをするような製作会社は信用できないな。銀行自体もこんなミスで(大した金額ではないが)ビジネスチャンスを逃しているのは痛い。さっさと修正した方がいいですよ、○○銀行さん。


2011年05月27日 [Fri]

「フローズン・ドリーム/煽情の殺人」

2009年のアメリカ映画。IMDBの評価は4.7。ジャンクと分かっていながら見たのはソーラ・バーチが出ていたから。「アメリカン・ビューティー」や「ゴースト・ワールド」で注目されたバーチは今、こんな映画に出ているのか。バーチの両親は「ディープ・スロート」にも出演した成人映画の俳優とのこと。それが関係しているわけではないだろうが、もう少し映画の選択をした方がいいと思う。

WOWOWの紹介記事には「アメリカで初めて裁判の模様がテレビ中継された実際の殺人事件を基に描く」とあるが、テレビ中継の部分は描かれない。1977年、売春婦のバーバラ・ホフマンが起こした事件で、男2人が毒殺された。ホフマンはこのうち1件の殺人で終身刑となった。殺人の様子も描かれないのはホフマンが今も取材を断っているからだろう。核心に触れず、その周りをぐるぐる回っているだけの印象がある。ストーリーテリングが下手なのが評価の低い理由か。監督はエリック・マンデルバウム。監督は10年ぶりで、デビュー作の「Roberta」もIMDBで4.9。10年たっても進歩はなかったらしい。DVDは出ていないようだ。まあ、当然か。原題はWinter of Frozen Dreams。

「ファンタスティック・プラネット」

1973年のアニメ。フランス、チェコスロバキア合作。アニメというよりは動く絵本という感じだが、そこらのアニメよりはずっと面白い。アニメは絵とストーリーが重要であることを再認識させられる。フランスの作家ステファン・ウルの原作「オム族がいっぱい」をルネ・ラルー監督が映画化。ドラーグ族といわれる巨人族が支配する惑星で虫けらのように扱われる人間たちを描く。人間はドラーグによってペットとして飼われたり、駆除されたりしている。主人公のテールがドラーグから盗んだレシーバーによって、人間たちは徐々にドラーグの高度な科学技術を習得し、反撃する。

amazonのレビューで、子供の頃に見てトラウマになったと書いている人がいるが、当然だろう。人間にとっては絶望的な状況で怖さと気味の悪さがある。38年前の作品だが、まったく古びていない。強い個性を備え、時代を超えた普遍的な作品になっている。カンヌ映画祭審査員特別賞。

「フェーズ6」

致死率100%のウィルスが蔓延した世界で4人の男女(兄弟とその恋人、級友)の殺伐としたサバイバルを描く。地味にならざるを得ないような低予算の映画で、ホラーではなく、人間のエゴを描いたドラマ。悪くはないが、アイデアが不足している。監督はスペインのレックス&デヴィッド・パストー兄弟。「スター・トレック」のクリス・パインが粗暴な兄の役で出ている。2009年のアメリカ映画。原題はCarriers。


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