映画とネットのDIARY(tDiary版)
検索エンジンからのアクセスで、お探しのキーワードが見あたらない場合はNamazuで再検索してみてください。
【映画の感想一覧】 2004年7月以降 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
2004年12月24日 [Fri]
■ Unicode版msearch
UTF-8などUnicodeの文書を検索できる改造版msearch。XMLのサイトが増えてくると、かなり重宝しそうな検索スクリプトと思う。作者のサイトは@niftyなのでPerlモジュールは使用していない。処理が増える分、本家のスクリプトよりインデックス作成には時間がかかるそうだ。また、検索フォームはUnicodeのページに置かないと、検索速度に影響するとのこと。
■ 岸部一徳のアドリブ
休みなのだが、まだ映画館に行くのは不安なので家でDVDを見る。阪本順治「ぼくんち」(2003年、キネ旬ベストテン10位)を見ていたら、これがまた肋骨に悪い出来。おかしくて何度も笑って苦しんだ。阪本監督作品としてはちょっと変わった映画だけど、人物のおかしさは「どついたるねん」あたりと共通する。子役2人もかわいいし、観月ありさに何より感心。中盤、トラックの荷台に立って、タンカを切るシーンなどぴたりと決まっている。傑作だと思う。
しかし大笑いしたのは本編ではなくて、メイキング。岸部一徳と3人の子供のビニールハウスの場面で、阪本監督は岸部一徳に「ここで何かやってください」と頼んだそうだ。アドリブである。そこで岸部一徳が何をやったかというと、飛んでいるハエを手で捕まえる仕草を2回やった。「下妻物語」で樹木希林がやった仕草ですね。これ、本編の方でも笑ったが、アドリブと聞くとますますおかしくなる。
「ぼくんち」の衣装合わせでは、あまりにもボロボロの衣装に温厚な岸部一徳もさすがにムッとしたそうだが、この人ははまり込むとホントにおかしい。
■ 「ゴシカ」(DVD)
ハル・ベリー主演のホラー。ちっとも怖くないのが困ったものだ。女子刑務所の精神科医ハル・ベリーがある夜、帰宅途中に下着姿の少女に出会う。少女のそばに近づいたベリーはそこで記憶が途切れる。気づくと、自分が勤務していた刑務所の中。ベリーは夫を殺したとして逮捕されていた。いったい何が起こったのか。孤立無援のベリーはなぜかあの少女の幽霊を見るようになる。
因縁話に少女暴行犯の話を絡めてというプロットは当世風だが、話の展開の仕方は古い。ベリーはB級映画にも出る方針らしいからいいのだが、ペネロペ・クルスはほとんど演技のしどころのない役柄で、出る意味が分からない。監督はマシュー・カソビッツ。
■ 個人向けホスティングサービス向けにメールウイルスチェック機能の無償提供開始
さくらのレンタルサーバーで1月24日から。といってもここのアドレスにはウィルスが届いたことはない。公開していたのはほんの一時期だったから。ML用の投稿アドレスもウィルスチェックの対象になるので、安心ではあります。@niftyもウィルスチェックの無料化してくれませんかね。
2005年12月24日 [Sat]
■ サンタクロース追跡作戦
「大停電の夜に」の冒頭にも出てきたNORAD(北米航空宇宙防衛司令部)の粋なサイト。「ノーラッドは、レーダー、サテライト、サンタカムやジェット戦闘機など四つのハイテク・システムを使い、サンタさんを追跡」しているのだそうだ。今年で50回目、始まったきっかけは間違い電話というのがいいですね。
2007年12月24日 [Mon]
■ [MOVIE] 「アイ・アム・レジェンド」
リチャード・マシスン原作の3度目の映画化。ウィルスの蔓延で地球に一人生き残った男の孤独と戦いの日々を描く。最初の映画化である1964年の「地球最後の男」(ウバルド・ラゴーナ、シドニー・サルコウ監督、ビンセント・プライス主演)はジョージ・A・ロメロの傑作「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」の原型となったことで有名だ。闇にうごめくゾンビたちの姿と虚無感・絶望感あふれる作りは「ナイト・オブ…」のそれと非常によく似ている。今回の映画にあるのは主人公の絶対的な寂寥感と廃墟となったニューヨークの優れたビジュアル、そしてホラーの味わい。特に寂寥感とビジュアルな部分が大変良い。主人公ウィル・スミスは孤独に苛まれながらも「闇を照らす」ためにワクチンの研究に打ち込む。64年版では「アイ・アム・レジェンド」の意味が終盤に分かって、それはそれで皮肉な効果をもたらしていたが、今回は意味を違え、よりストレートな作りになっている。希望があるのである。旧作を見ている観客を意識したと思える部分が終盤にあり、脚本のマーク・プロストビッチ、アキバ・ゴールズマンは良い仕事をしていると思う。ビジュアルな部分はフランシス・ローレンス監督の資質が良い方向に出た結果だろう。第2班(アクション・ユニット)監督のヴィク・アームストロングもいつものように優れた仕事をしていて、切れ味のあるアクション場面を演出している。これにスミスの好演とジェームズ・ニュートン・ハワードの哀切な音楽とが相まって、破滅SFとしてきちんとまとまった作品に仕上がった。チャールトン・ヘストン主演の「地球最後の男 オメガマン」(1971年)を含めて同じ原作3本の映画のうち、今回が最も良い出来だと思う。
がんの特効薬が発明され、人類はついにがんを克服したというニュースが流れる。その3年後、ニューヨークは廃墟と化していた。主人公の科学者ロバート・ネビル(ウィル・スミス)は都会のど真ん中で愛犬サムとともに車を走らせ、鹿狩りを楽しむ。他の人間は皆、がんの特効薬から派生したウィルスの蔓延で死んでしまった。ネビルには免疫があり、生き残ったのだ。ネビルはもしかしたらどこかに生き残っているかもしれない人間に対して全周波数で「You are not alone」と呼びかける。そして厳重に戸締まりをして眠れない夜を過ごす。ウィルスで凶暴に変異したダーク・シーカーズ(闇の住人)の襲撃に備えるためだ。同時にネビルはネズミや捕らえたダーク・シーカーズを使ってワクチンの研究を続けているが、失敗の連続。ようやく効果があると思われるワクチンを開発するが、ダーク・シーカーズの罠に落ちてしまう。
ウィルスの蔓延で世界が破滅するという話は大昔からあり、ゾンビたちがうごめく世界というのも全然珍しくはないが、この映画を同種の映画から際だたせているのはビジュアル面の優秀さだ。パンフレットによれば、実際にニューヨークの一部の区画を封鎖して200日間にわたって撮影したという。人っ子一人いないニューヨークの荒んだ光景は主人公の寂寥感を強調するのに大きな効果を上げている。
フランシス・ローレンスは前作「コンスタンティン」ではスタイリッシュなビジュアル部分には感心したものの、必ずしもストーリーテリングがうまくいっているとは思えなかった。今回はビジュアル、物語とも破綻がない。ウィル・スミスは考えてみると、SF映画への出演が多い俳優だ。「アイ、ロボット」も良い出来だった。
2011年12月24日 [Sat]
■ EPUB

電子ブックのファイル形式であるEPUBの作成ソフトを探したら、Sigilというのがあったので使ってみた。WYSIWYG ebook editorとある通り、ワープロ感覚でEPUBの作成ができる。作成時にブックビューと分割ビュー、コードビューが選べるのはDreamweaverと同じだ。ホームページを作成したことがある人なら、問題なく使えるだろう。見出しから目次を作ってくれる機能が便利だ。表紙画像はどれぐらいにすれば良いか分からなかったが、幅590ピクセル、高さ750ピクセルらしい。
Calibreは作成ソフトではなく、電子ブックの管理ソフトだが、既存のファイルをEPUBにコンバートする機能がある。Wordなどからオープンドキュメント形式(拡張子odt)で保存したファイルなら問題なくEPUBにコンバートできた。
Sigilで作ったEPUBをCalibreでプレビューしてみるというのが良い使い方か。Calibreでメタデータを追加することもできる。ただ、どちらも海外のソフト。日本語化されているとはいっても、日本製のソフトがあると、もっと取っつきやすいなと思う。その意味でEPUBの保存形式に対応した一太郎2012(2月発売)がどれぐらい使えるか楽しみだ。先日、予約した。
あとはEPUBリーダーの優秀なのが欲しいところ。今、Androidマーケットで公開されているのはどれも一長一短ある。CopperReaderは縦書き表示もでき、フォントも明朝体で良い感じ。ページめくり機能も一応あるが、もっと本格的なものにしてくれないかな。CPUの処理能力との関係で抑えているらしいけど。
2012年12月24日 [Mon]
■ 「マージン・コール」
大手投資銀行の破綻の危機を描く映画。リーマンブラザーズをモデルにしたようで、不動産担保証券(MBS)が招く巨額損失を事前に察知したリスク管理セクションと幹部が回避のため徹夜で協議する。その24時間を緊迫感のある展開で見せる。マージン・コールとは信用取引で口座の資産価値が所定の基準を下回った場合に追加の証拠金を要求することだそうだ。
Wikipediaによれば、元々は自主制作映画として企画されたそうだが、ケヴィン・スペイシー、ジェレミー・アイアンズ、デミ・ムーア、ポール・ベタニーらベテランキャストがそろっている。今年のアカデミー脚本賞にノミネートされた。日本では劇場公開されず、DVDスルーだった。IMDbの評価は7.1、ロッテン・トマトは7.2。監督はこれが長編映画第1作のJ・C・チャンダ-。
ただ、どうもこういう題材だと、ノンフィクションの方が向いている気がする。投資銀行内部のゴタゴタを描いただけでは物足りず、全体像を知りたい気分になるのだ。金融危機関係のドキュメンタリーで秀逸なのは「インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実」で、分かりやすくここまで面白く見せる技術に感心する。アメリカのドキュメンタリーは層が厚いなと思う。だからアカデミー賞には長編ドキュメンタリー部門があるのだ。
書籍では「リーマン・ショック・コンフィデンシャル 追いつめられた金融エリートたち」がベストと言われているので、ようやく読み始めたところ。