映画とネットのDIARY(tDiary版)

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映画の感想一覧 2004年7月以降 2005年  2006年  2007年  2008年  2009年

2005年05月01日 [Sun]

Berry Linux

KNOPPIXとFedora Core3を基にした1CDLinux。ISOイメージ(約500MB)をダウンロードしてVMwareから起動してみる。画面は自動設定でも鮮明だが、1024×768にしかならない。これ以上大きくするにはハードディスクにインストールして設定しないとだめなようだ。

かな漢字変換には同じ作者のWhizを採用。基本辞書が約34万5000語なので、cannaのデフォルトより随分多い。ユーザー辞書機能はまだない。今後の開発に期待。


2005年05月02日 [Mon]

白血球数9700

熱は下がったが、昨日から喉が痛くなったので病院へ。血液検査の結果、白血球数9700で、炎症反応もあるそうだ。医師は「感染症で扁桃腺が腫れてますね。これはきつかったでしょう。扁桃腺の中に膿みがたまった状態で、点滴が必要です」と言う。鏡で見てみると、喉の奥に口内炎のように白い部分ができている。ほー、扁桃腺が腫れるというのはこういう状態なのか。

30分ほどかけて点滴。この病院、透析も行っているので連休中も開けるとのこと。明日は午前10時から点滴することになる。もらった薬はいつものように総合感冒薬PL顆粒、トローチ、うがい薬、解熱剤のボルタレン(座薬も)のほか、感染症を治すスオード錠100。

午前中は会社の定期健診で血液検査を行った。結果が通知されるのは2週間ほど後だが、白血球が多すぎるという指摘は間違いなく来るな。

変貌

書店に寄って、某雑誌をぱらぱら見ていたら、某女流作家の写真があった。そのあまりのオバサンぶりに驚く。もう50歳は過ぎているはずだからオバサンになっていてもおかしくはないが、ここまで変わるかというほどの変わりよう。写真を見たことはここ数年なかったから余計にそう感じる。

若い頃はテレビのクイズ番組などにも出ていた人なんですがね(もう20年以上前か)。

「ミリオンダラー・ベイビー」文庫化

「ミステリ・マガジン」6月号の広告で、先月、文庫になったのを知った。タイトルも「テン・カウント」から変更されている。映画の公開に合わせて本を売りたいのは分かるが、ハードカバーが出て1年2カ月で文庫化とは、早川書房にしては少し早すぎるような気がする。ハードカバー版はあまり売れなかったのだろう。


2005年05月03日 [Tue]

透析室

連休というのに患者も病院のスタッフもたくさん。透析に休みはないからなあ。大変だと思う。一瞬、臓器移植意思表示カードをもらっておこうかと考える。

一番端のベッドで点滴を受けた。血液検査も行った結果、白血球数5500、炎症反応1.7(昨日は2.3だったそうだ)。効果があるものだ。「あとは内服薬で治っていくでしょう」とのこと。

秀丸エディタ 64bit-Editionテスト公開

ゴールデンウィーク限定。作者の独り言を読むと、64bitになると、これまでの32bitアプリケーションはどれも使えなくなるとのこと(当たり前か)。32bit互換環境はあるらしいが、作者が言っているように不便この上ないだろう。なかなか32bitから64bitへの移行は難しいのだろうなあ。2038年までに間に合えばいいことですけどね。

2038年と言えば、この日付のSpamが時々来る。何を考えているんだか。

「SAW」(DVD)

いやあ、面白い。B級映画だろうと思って見始めたら、ぐいぐい引き込まれ、ラストで驚かされた。こういう犯人だったのか。まるで見当がつきませんでしたね。血なまぐさい部分があるので、万人向けではないだろうが、アイデアを詰め込んだ脚本の緻密さには感心。きっちり作ってあるミステリだと思う。

薄汚いバスルームで鎖につながれた2人の男。真ん中に自殺死体。閉じこめた犯人は2人にノコギリを与える。目の前の男を殺さなければ、家族を殺す、と片方の男は言われる。予告編ではこのシチュエーションだけが描かれていた。本編を見ると、サイコキラーとそれを追う刑事(ダニー・グローバー)の話が絡んでくる。そのサイコキラーが2人を閉じこめたわけだ。

これほど知能的な犯罪を繰り返すには犯人像に少し無理がある(シチュエーションにもある)のだが、小さな傷と言うべき。ジェームズ・ワン監督と脚本・出演を兼ねたリー・ワネルが考えたストーリーは最近のミステリ映画の中では出色の出来だと思う。中盤で犯人と思われる人物が出てきたあたりで、後は普通のサスペンスになるのかと思ったら、ラストで意外な人物が登場して観客に“最後の一撃”を与える。出し方もアンフェアではない。謎とサスペンスとスリラーが絶妙のブレンドで、昨年見ていたら、ベストテンに入れていただろう。

ワンとワネルは2006年公開を目指して「Silence」という作品を準備中とのこと。どういう映画になるのか楽しみだ。


2005年05月04日 [Wed]

SASTIK2

連休でほとんどのメールマガジンは休みだが、ソースネクストからはメールが来る(スパムも来る)。仕事熱心というか何というか。これはUSBメモリーではなく、「インターネット上に用意されたメールソフトやストレージ機能を使用するための『カギ』」。なるほどね。しかし、カギだからセキュリティ上は気をつける必要がある。ログインIDの持ち運びなんてやらない方がいいと思うぞ。

それにオンラインストレージが24MBというのは小さすぎる。256MBぐらいのUSBメモリーを買って、簡易メーラー入れておいた方がいいような気が。お気に入りはHTML化しておけばすむことだし。


2005年05月05日 [Thu]

未登録アドレスブロック

さくらインターネットで借りていた以前のサービスが終了した。この日記のhnsバージョンを置いていたサーバーだが、今はメンテすることもなくなっていたので、終わっても支障はない。むしろそのサーバーで使っていたアドレス(hiro@yomogi.sakura.ne.jp)宛のスパムは来なくなるから、終了を待っていたぐらい。だが、終わってもほとんどスパムは減らない。@niftyのアドレス宛に来るスパムが多すぎるのだ。

未登録アドレスブロックは@niftyが新たに始めたサービスで、登録したアドレス以外からのメールは迷惑メールに分類される。分類の基準を知人のアドレスだけにするわけで、これならスパムが入り込む余地はない。迷惑メールフォルダーと同時使用はできないが、当たり前と言えば当たり前か。

ただ、このサービスを利用すると、リンク依頼などで来る見ず知らずの人からのメールも迷惑メールになってしまう。メーリングリストのメールなどもそうなるだろう。reply-toが分類基準になればいいのだが、そうならないのが困ったところ。かなり限定的なものに使うアドレスにしか使えない。ホームページにはメールフォームを置き、メーリングリストには公開していないアドレスで入り直せばいいが、ちょっと面倒な気もするな。

reply-toも分類基準になるそうだ。gyozaさん、ありがとうございました。


2005年05月06日 [Fri]

ez-HTML6.87

最新版が出ていたのでダウンロード&インストール。秀丸の次ぐらいによく使っているHTMLエディタ。今や、フリーソフトではこれが最強じゃないかと思う。


2005年05月07日 [Sat]

「失踪日記」

「失踪日記」表紙借りて読む。漫画家の吾妻ひでおがホームレス、アル中、ガス会社の孫請け会社の肉体労働者となった体験を描く。「全部実話です(笑)」とある。それぞれのトリビアな部分が面白くて一気に読んだ。物足りない部分があるとすれば、それは原因の追究があまりないからだ。漫画ではそうした精神的な部分を描くのは難しいのかもしれない。

失踪の理由は簡単に説明されている。漫画が描けなくなった(アイデアに行き詰まった)からだ。吾妻ひでおの場合、経済的な理由ではなく、日常からの逃避でホームレスになったわけだ。締め切りに追われた生活というのは精神的によくないのだろう。だから、仕事を離れてリフレッシュすることは重要なのだが、なかなか普通の会社ではそうもいかない。そういう場合、酒を飲むことは逃避の代替行為としての意味合いが大きくなる。アル中になることとホームレスになることの間に大きな隔たりはない。

ついでに言えば、映画を見たり、本を読んだりするのもそうした代替行為の一環である。まあ、映画や本の中毒になったところで、社会的な立場に影響はないのですけどね。

W21CAII

ヤマダ電機で買う。値引きとかポイント(約2000ポイント)使用などで購入価格は1万円足らず。まあ、こんなものでしょう(価格.comで調べると、新規購入の最安値は8,400円、平均は12,301円)。電話はあまりかけないのでプランSの家族割と年割とダブル定額ライトに設定。これでメールとezwebとPCサイトビューアーはいくら使っても最大5700円となる。

ドコモの携帯からアドレス帳を移さなくてはいけないが、いちいち入力するのは面倒。パソコンに取り込んであったドコモのデータをCSV形式で保存して、付属のMySync Suite体験版に読み込んでみたが、うまくいかない。しょうがないのでCSVをExcelで開いて、コピー&ペースト。40件ほど登録した。ま、いちいち携帯で入力するよりは速いでしょう。

W21CAIIを買ったのはPCサイトビューアーが付属しているからというだけの理由。少し文字が小さいような気がするが、これは調整できるのでしょう。これで出先にパソコンがなくても日記更新ができるようになる。いや、今までもできたのだが、パスワード入力が面倒だった。何を入力したのか分からなくなって、何度も入力し直していた。W21CAIIはパスワードの入力文字が一度見えた後に伏せ字になるので、入力はしやすい。


2005年05月08日 [Sun]

着うたフル

浜崎あゆみの「STEP YOU」をダウンロードしてみる。305円(約1.5MB)。こりゃ、もうかるサービスだな。CDが売れなくなるわけだ。貧弱なスピーカーでは聞くに堪えないが、イヤホンではまずまず。外部スピーカーにつなげば、それなりに聞こえる。

写真を撮ったり、着うたをダウンロードしていたりすると、24MBのメモリー領域ではとても足りないので、バッファローのminiSDカード512MBを注文。ノキアのようにHDD付きの携帯も増えてくるのでしょうね。

バッテリー半日

W21CAIIで写真を撮ったり、着うた聞いたり、メール送ったり、PCサイトビューアーやEZweb見たりしていると、バッテリーがすぐになくなる。きょうは半日でした。これは次期バージョンで改善してほしいところ。

着うたは充電台に置いて聞けばいいのかと思うと、マニュアルにはそうするとバッテリーの寿命が短くなるとある。使い切ってから充電した方がいいのはこうした機器に共通する。それならバッテリーをもう1個買えばいいじゃないかと思うが、バッテリーを充電するには本体が必要なので、結局、充電している間は使えないのだ。本体なしでも充電できるツールが欲しいところだ。カシオって、あまりこういうオプション機器を売らない方針なんですかね。


2005年05月09日 [Mon]

2次元コードメーカー

auのQRコード作成ソフト。Eメールの入力が携帯では面倒なので、これを使うと、パソコンで書いてQRコードを作成して、携帯で読んでメールを作成できる。手間がかかるが、携帯の入力の手間を考えれば、こちらの方が速いだろう。ただし、これ画面上で改行ができない。読み込んだ後に携帯上で改行するしかないか。

フリーソフトのeasyQRでも同様のことはできるが、携帯ではアドレスと件名は読み込めても、本文の読み込みができなかった。仕様が変わったのかな?

ま、こんなことしなくてもパソコンのアドレスからメール送れば、すむことなんですけどもね。外出前に書くメールでどうしても携帯に返事が欲しい時などは有効か。

auの携帯のメールはパソコンに取り込めないのがデメリット。携帯万能などのメモリー編集ソフトを使えば、ドコモのメールは取り込めたんですがね。取り込んだ後にパソコンで返事を書いて携帯に書き戻すようなことがauでもできるようになるといいと思う。よほどメールの形式が変わってるのだろうか。

[MOVIE] 「甘い人生」

「甘い人生」パンフレットパンフレットのイ・ビョンホンのインタビューによると、キム・ジウン監督は撮影中、ビョンホンにアラン・ドロンのイメージを重ね合わせていたそうだ。僕も映画を見ながらアラン・ドロンの映画をなんとなく思い浮かべていた。外見がハンサムとかそんなことではなく、アラン・ドロンの映画は暗黒街の組織に刃向かった男を描いたものが多かったイメージがあるのだ。フィルム・ノワールといわれるフランスの暗黒街を描いた映画に通じる臭いがこの映画にはあり、だからこそ韓国ノワールという言い方も的を射ていると思う。ただし、アラン・ドロンの映画はもっとクールであり、こんなにハードでも凄惨でもなかった。

この映画で描かれるアクションは凄まじい。無造作に銃を放ち、頭の一部が飛び、指が飛ぶ。殴り殴られるシーン、刃物で刺されるシーンなど肉を切り骨を断つ描写が続いて、画面から痛いイメージが伝わる。銃の撃ち方にはチョウ・ユンファの香港ノワールも思い起こさせたが、描写はよりリアルだ。キム・ジウンの狙いは物語よりもこうした描写の方にあったのではないかと思える。ボスの女に情けをかけたために主人公は組織から殺されかけ、危うく逃げ延びて復讐を図る。それが単なる設定としか思えないほど、この映画、アクション描写の方に力がこもっているのだ。それが半面で弱さにもなっている。主人公は女を愛してしまったのかどうか、なぜ命を狙われねばならなかったのか、どうも釈然としない。ほんのささいな出来事で人生の歯車が狂っていく男の不幸を描いた映画として見るならば、それはそれでいいのだが、激しいアクションの根底をなす部分なのであいまいなままではどうもすっきりしない。ボスの愛人を演じるシン・ミナが若すぎて、大人の女の魅力に欠けるのもマイナス要因ではないかと思う。普通の小娘にしか見えず、それまで女を愛したことがなかった男が惹かれる相手として説得力を欠くのである。

主人公のキム・ソヌ(イ・ビョンホン)はレストランとラウンジの支配人。裏社会を牛耳るカン(キム・ヨンチョル)の右腕として信頼を得ている。カンは3日間の出張の間に自分の愛人ヒス(シン・ミナ)を見張るよう命じる。最近、ヒスには若い男の影があった。もし、本当に男がいるのなら、「カタを付けるか、自分に電話しろ」とカンはソヌに言う。ソヌはこれまで女を愛したことがない。カンがソヌに頼んだのもそのためだった。ソヌはヒスを監視して、一緒に食事を取るようにもなるが、予想通り、ヒスは若い男と付き合っていた。ある夜、ソヌはヒスが自宅で男といる現場に踏み込む。電話をするか、殺すか。ヒスの表情を見ていたソヌは一瞬ためらい、2人に別れるように言っただけで去る。初めてボスの命令に背いたこと。それが破滅の始まりだった。

ここから映画はアクションに次ぐアクションの展開となる。アクションというよりは暴力描写といった方がふさわしいかもしれない。ソヌは徹底的に痛めつけられ、生き埋めにされる。そこからなんとか逃げ延びる場面は「キル・ビル」を思わせるが、地中から命からがら這い出しても再び、待ちかまえていた組織の男たちに捕らえられ、痛めつけられる。血まみれになりつつ、一瞬のすきをついてソヌは逃げ出す。そしてカンへの復讐を始めるのだ。

イ・ビョンホンはナイーブな2枚目のイメージがあるが、冒頭、素早い動きでチンピラを叩きのめすシーンでアクション俳優としてもなかなかやるなと思わせる。キム・ジウンは描写力、演出力では完成された技術を持っている。脚本に磨きをかければ、さらに面白い映画を作る監督になるのではないか。この監督、職人ではなく、作家的な資質を持っていると思う。


2005年05月10日 [Tue]

音楽ファイル変換

着うた(というか、携帯で聞ける音源)を自分で作るにはどうすればいいのか。ネットを検索したらいろいろページが出てきた。QuicktimeProでもできるらしい。で、パソコンの中にあるwaveファイルを3GPP2ファイルに変換してMySyncで携帯に転送してみた。ダメ。ファイルサイズが大きいと、失敗する。1.5MB以下になるように調整して作成し、転送したらうまくいった。ビットレートが32kbpsなので音質は良いとは言えないが、まあ聞ければいいか。

pnamazuの携帯電話モード

シネマ1987onlineは携帯用のトップページを秘かに作っているのだが、ほとんど放置状態にある。自分が携帯で頻繁にネットを見るようになると、ここも充実させたくなった。とりあえずサイト内検索フォームを作ってみたが、NamazuはEUCなので携帯では文字化けする。pnamazuを改造するしかないかなあと思っていたら、ちゃんと携帯電話モードというのがあったのだった。忘れていました。

これはインデックスファイルの中にサンプルのNMZ.phoneとNMZ.result.phoneを入れるだけで動作する。つまり検索結果の出力がSJISになり、半角カナも検索できるようになる。

とはいっても、検索からジャンプするページ自体を携帯用には作っていないので、携帯での表示はそれなりなんですけどね。

tDiary 2.0.1リリース

昨日出ていた。プラグインやテーマはいろいろ書き換えているので、基本セット版をダウンロードしてローカルでテストしたら無事動いた。rubyのパスを書き換えてアップロード。とりあえず大丈夫のようだ。


2005年05月11日 [Wed]

[MOVIE] 「阿修羅城の瞳」

「阿修羅城の瞳」パンフレット市川染五郎と宮沢りえのセリフ回しが心地よい。2人とも江戸っ子なので、べらんめえ調の軽いセリフがよく似合う。染五郎のセリフの決め方などはさすがだと思うし、今や勉強熱心なことにかけては定評がある宮沢りえのさわやかなお色気もいい。こういう軽い感じで全体を映画化してくれれば良かったのにと思う。阿修羅王の復活を図る樋口可南子や鬼御門(おにみかど)の渡部篤郎らの演技が重く暗く、もっと面白くなりそうなのに何だか陰々滅々とした感じに終わっているのである。映画全体としてはスケールが足りないのが致命的だと思う。同じようなセットで話が進行し、広がりが感じられない。突き抜けたものがない。息苦しい。深作欣二「魔界転生」の昔からセットで繰り広げられる魔界を描いた邦画は陰々滅々になる傾向があるようだ。

「陰陽師」の滝田洋二郎監督による舞台劇の映画化。物語も鬼が出てくるところなど「陰陽師2」に似ているので、ピッタリの人選と思うが(鬼御門の頭領は舞台では十三代目安倍晴明なのだそうだ)、スケール感では「陰陽師」の方にやや分がある。

文化文政時代の江戸。人々の中に秘かに人を食らう鬼が紛れ込んでいた。幕府は鬼殺しのために鬼御門という組織を結成。その頭領である国成延行(内藤剛志)と腹心の安部邪空(渡部篤郎)はある夜、尼僧姿の鬼女・美惨(びざん=樋口可南子)と出会う。美惨は鬼の王である阿修羅が間もなく復活すると告げる。5年前まで鬼御門に属していた病葉出門(わくらば・いずも=市川染五郎)は、鬼と思われる少女を斬ったことで鬼御門を辞め、歌舞伎役者として気ままに暮らしている。出門はつばきと名乗る女(宮沢りえ)と出会い、たちまち恋に落ちる。つばきは5年以上前の記憶をなくしていた。出門に惹かれたつばきは右肩に紅の花のような痣ができたのを見つける。出門に惹かれるたびにその痣は大きくなっていった。やがて美惨が求める阿修羅の復活につばきが必要と分かってくる。

滝田洋二郎は3時間の舞台を出門とつばきのラブストーリーに集約しようとしたのだという。確かに2人のラブシーン(つばきが出門の傷を舐めるシーン)などは官能的なのだが、ラブストーリーとして優れているかというと、そういうわけでもない。恋をすることで鬼に変わる女の悲劇性も出す必要があっただろう。物語の先が読めて、あまり深みを感じない描写に終わっている。VFXは阿修羅城の出現や燃え上がる江戸の町の描写など、もっとスケール大きく見せて欲しかったところ。なんとなく中途半端に終始し、驚くようなショットもなく、物語のポイントとなる描写もなかった。

主演の2人は決して悪くないのだから、やはり演出の仕方に難があったのだろう。滝田洋二郎監督には、次はまったく違う素材で映画を撮ってほしいと思う。こういう魔界物はあまり得意とは思えないし、もういいのではないか。


2005年05月12日 [Thu]

CD-ROM の自動実行機能を有効または無効にする方法

XPのDVDドライブにCDやDVDを入れても自動実行しなくなった。検索した結果がこのページ。ここに書いてあるレジストリキーの値を参照してみたら、HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\CDRomのAutorun値は0になっていた。

ついでに

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer\NoDriveTypeAutoRun

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer\NoDriveTypeAutoRun

の値は0×00000091(145)。正しい値は0x00000095 とのことなので、現状はどちらも自動実行しない設定のようだ。

このレジストリを書き換えたアプリケーションが何かあるはず。疑わしいのはVMware。これはCD-ROMを自動で仮想マシンにつないだり切ったりする機能があるので、レジストリを書き換えるのかもしれない。

元の値に書き換えて自動実行するようにしてもいいのだが、VMwareの機能に制限がおきそうだからやめておく。とりあえず解決できる方法があると分かっただけで満足。自動実行しなくても実行ファイルをダブルクリックするか、再生ソフトから開けば、問題はない。

アドビ製品に関する調査ご協力のお願い

メールで来たので協力しようと思って指定URLにアクセスしたら、「調査で回収された大量の回答の処理に時間がかかっております。現在、より多くの回答を効率よく処理できるよう、対応策を講じているところです」とのこと。なんだそりゃ。


2005年05月13日 [Fri]

バッファローminiSDカード512MB

届いたのでW21CAIIで使ってみる。無事使えた。miniSDって、使えるかどうか分からないところがあるんですかね。256MBで使えないという報告が2chであったのでヒヤヒヤだったが、何のことはなかった。512MBあると、けっこう音楽も入るし、ムービーや写真も撮り放題という感じ。

きょう初めて、ムービーを撮ってみた。30秒で終わっちゃうわけですね。これ、何か編集できるソフトを持ってたかな。

iTunes4.8

インストールの途中で、CDの自動実行を行うかどうか聞いてくる。はいと答えたら、自動実行が有効になった。VMwareの方も支障はないようだ。

サブジェクトに日付を入れる鶴亀マクロ

 必要に迫られて会社で書いた。サブジェクトの後に日付と時間を入れて送信する場合に使う。同じサブジェクトのメールを1日に何度も送る場合、日付を入れておくと区別できる。あまりそんな場合はないでしょうけど。「サブジェクト2005年05月13日23時39分37秒」という風になる。$titleに何も書かなければ、日付だけのサブジェクトになる。
loaddll "TKInfo.dll";
$title = "サブジェクト";
$time = dllfuncstr("CurrentDate", "YYYY年MM月DD日h時m分s秒");
$subject = dllfuncstr("SetHeader", "subject", $title + $time);
endmacro;

2005年05月14日 [Sat]

Yahoo!モバイルのメール

ログインしっぱなしになるわけか。携帯ではパスワード入力が面倒なのは分かるが、セキュリティ上は好ましくない。重要なメールは置いておけませんね。ただ、携帯から読めるのは便利であることは確か。@niftyの場合、モバイルメールは有料サービスだが、無料にしてくれないかなあ。


2005年05月15日 [Sun]

DUOGATE

「ケータイライフがもっと楽しくなるPCポータル」。auだけでなく、ドコモやボーダフォンにも対応しているが、PCと携帯の連携としてはあまり使い道がないような気がする。

auの携帯の場合、パソコンにメールを取り込めないのが大きなデメリット。これは夏モデルから改善されるという話だが、現状ではメールをネット経由で転送するしかないようだ。miniSDにメールを保存すると、パソコンでもエディタで読める(拡張子VMGのファイル)し、バックアップにもなるけれど、転送の方が手間がかからない。携帯メール保存用のアドレスを作って転送設定しておくか。


2005年05月16日 [Mon]

ピクセル指定

朝から携帯サイトをいろいろいじる。auの携帯はスタイルシートを一応理解するのがかえってやっかい。文字サイズをピクセル指定、例えば、14ピクセル程度に指定していると、携帯のあの小さな画面ではメチャクチャ小さく表示されて読めたものじゃない。16ピクセルに変えても同じようなものですね。で、基本サイズをmediumかsmallにすると、PCのブラウザで見た場合にIEとFirefoxでは大きさがまるで違う。IEの場合、DOCタイプ宣言によっても文字の大きさが変わってくる。

携帯とPCとで同じページを使おうとすることに無理があるのは分かっているのだが、個人サイトの場合、2つもメンテできないので、いきおい省力化を図らざるを得ないのだ。書き換えるのは面倒そうだったので、Perlで元のHTMLファイルを読み込んで、スタイルシートなどの余計な部分を削除して表示するスクリプトを書いた。9割程度出来上がったのだが、細かい部分まで対応していくにはスクリプトの処理が多くなるし、ページを閲覧するだけでいちいちCGIを使うのは何となく面白くない。で、やっぱり元のファイルをコピーして書き換えて、別のサーバーにアップすることにした。書き換えようとしているファイルは1項目で78ファイルあるが、xyzzyを使ったら、940カ所ぐらいの置換が1、2秒で終わった。ほー、これを何回か繰り返せばいいなと思ったが、同じコーナーのファイルなのにスタイルシートなどの書き方がばらばらでそんなに簡単じゃない。なにせ、5年ほど前に作ったページで、こちらのスタイルシートの知識も乏しかったため、IDとかクラスとか使っていないのだ。

おまけに拡張子がhtmlとhtmの2種類ある。しかも別サーバーにアップすると、リンクの張り替えもしなくちゃいけない。というわけで、携帯サイト対応は前途多難。まあ、携帯サイトを公開したところで、そんなにアクセスが多いわけでもないだろうし、気長にやるしかありませんね。

動画偽装

映画に行こうかと思ったが、それほど見たい作品はやっていないので、午後からは携帯に入れる音楽をせっせと作る。W21CAIIの場合、音楽ファイルは1.5MBまでの制限がある。1.5MBだと、曲の長さにもよるが、32kbpsから40kbpsぐらいがせいぜいだろう。これを突破するのが音楽ファイルを動画ファイルに偽装するやり方。いろいろなサイトを参考にさせてもらって、128kbpsで作ってみたら、ファイルサイズは4、5MBになるものの、十分きれいに聞こえるファイルができる。着うたフルなんかよりよほど音質がいい。携帯で聞く音楽は自作に限るとよく分かった。

128kbpsと言えば、CCCDなんかよりも高いビットレートなわけで、音質がいいのは当たり前。いや、ほんとにあのCCCDというのは腹立ちますね。今さらですが。


2005年05月17日 [Tue]

商品出荷のご連絡

インプレスダイレクトから、VMwareを発送したとのメール連絡。注文したのが先月24日だから3週間以上かかりましたね。もう体験版のシリアルが切れそうなところだった。なんとか間に合った感じ。明日には届くのかな。

「ScanSnap」新モデルを発売

e.Typistのアップデータが出ていたのでインストールした。ScanSnapに対応したとのこと。そのScanSnapも新バージョンが今日出ていた。e-文書法に対応したのが新しい点か。機能的に大きなバージョンアップは(このページを見る限りでは)ないようなので、なんだか安心。


2005年05月18日 [Wed]

利用期限更新

VAIOに入っていた体験版ゼンリンデジタル全国地図(its-mo Navi)。なければないですませられるが、あると便利なので。手続きしたら、利用期限が来年の昨日までになった。ホントは6月1日まで使えたので、2週間損した気分。もともと無料の体験版なので、損はしていないんですけどね。

携帯用の体験版MySyncもそろそろ購入手続きをしないといけないか。こちらは2000円払えば、ずっと使えるのでお買い得(でもminiSDカードですませられる部分もある)。

1年間で更新していくソフトは安いのか高いのかよく分かりませんね。

マニュアル500ページ

VMwareが届いた。同梱のマニュアルは500ページ近くある。読み応えがあるなと思ったが、これはソフトに付属しているユーザーマニュアル(ヘルプ)と同じもののようだ。ただ、やはり製本してある方が僕には読みやすい。寝ころんで読めますからね。

[MOVIE] 「交渉人 真下正義」

「交渉人 真下正義」パンフレットきのうセントラルシネマで見たのがこの作品。キネマ旬報5月下旬号の特集で十川誠志(そご・まさし)の脚本の評価が高かったので期待した。確かに脚本は地下鉄パニック映画としてよく考えられているけれど、さまざまな傷があると思う。何の根拠もなく勘だけで配線を切っていく爆弾処理なんてありえない。あの傑作「ジャガーノート」(リチャード・ハリスのカッコよさ!)を引き合いに出しているのだから、なおさらその思いは強くなる。単なる引用では情けない。引用した上で元の作品を上回るアイデアを詰め込むのが本当ではないか。「オデッサ・ファイル」や「深夜プラス1」など言及される他の作品についても同じことが言える。十川誠志は僕と年齢が近いのでそうした70年代の作品に影響を受けているのはよく分かる。それでも過去の名作傑作を部分的にでも超える意気込みがなければ、パロディ同様お遊びの域を出ないのは明白だろう。本広克行演出のメリハリのなさ、緊迫感のなさもマイナスに働いている。いつものように「踊る大捜査線」の音楽が流れ、「踊る」の世界を継承しつつ、新しい作品に仕上げようとした意図に間違いはないと思うが、これでは観客を満足させることはできないだろう。國村隼、寺島進ら脇役の好演は光るけれど、芯の通った作品にはなっていない。

レインボーブリッジ事件から1年後。東京トランスポーテーション・レールウェイ(TTR)の独立型運行管理システムがダウンする事件が起きる。システムに侵入した犯人は弾丸ライナーと名乗り、警視庁初の交渉人・真下正義(ユースケ・サンタマリア)を指名して「出ておいで」と呼びかける。クリスマスイブの日、実験車両のフリーゲージトレイン・クモE4-600が盗まれ、地下鉄の路線を暴走する事件が起きる。警視庁交渉課準備室にいた真下は現場に呼び出され、TTRの指令室で弾丸ライナーと電話で相対することになる。公園で起きた爆発に続いて、TTRの車両基地でも爆発が起きる。真下はクモの暴走から地下鉄を救うために総力を挙げるTTRの総合指令長・片岡(國村隼)と協力し、弾丸ライナーと交渉を繰り返す。捜査一課の熱血刑事・木島(寺島進)は地上で弾丸ライナーの正体を精力的に探り始める。そして弾丸ライナーの本当の狙いが明らかになる。

こうした魅力的な設定なのに、映画は今ひとつ盛り上がりに欠ける。出だしのシステムダウンの場面では視覚的に大きな仕掛けがほしいところだし、中盤の犯人との駆け引きにももっと工夫がほしいところ。静の指令室に対して動の部分を受け持つのが木島だが、登場場面の強烈な印象がその後薄くなっていくのは残念。ボルテージ上がりっぱなしの演技というのは得てしてそういうものなのだろう。ユースケ・サンタマリアを僕は嫌いではないが、こうしたパニック映画のヒーローとしてはあまりふさわしくないかもしれない。それこそ「ジャガーノート」のリチャード・ハリスのような奥行きのあるキャラクターが望まれるのである。

総じて、この映画に登場するキャラクターは型にはまったものになっている。キャラクターの背景が描き込まれないので、ドラマと呼べるものは希薄である。それが、話はよく考えてあるのに印象が薄くなった原因と思う。ゲーム感覚の犯行を描いてゲーム感覚の映画にしかならなかったわけだ。

犯人の設定や犯行の手口、カラスの使い方などを見ると、「機動警察パトレイバー The Movie」の影響があるのかなと思う。「踊る2」の映画評を読み返してみたら、「パトレイバー2」との類似性を僕は指摘している。ということは、これは本広克行の趣味なのかもしれない。


2005年05月19日 [Thu]

「エピソードIII シスの復讐」本日(19日)公開

アメリカではの話。IMDBでは早くも投票がなされていて8.1の高い得点になっている。投票した人たちは試写会で見たのか? もっとも、公開前の投票はほとんどあてにならない。マニアが投票してますからね。公式サイトに久しぶりに行ったら、新しい予告編もあった。日本公開は7月9日。


2005年05月20日 [Fri]

レイティング8.4

IMDBの「シスの復讐」投票。昨日より上がってる。9,000人近くが投票してこの結果だから、これは本物か。投票しているのは男性が8割近くというのが面白い。それでも女性の方が評価が若干高くなっているのも面白い。

携帯電話月額利用料金「5,000円未満」が半数超え

おお、そんなに安いのか。僕の料金設定ではこの倍ぐらいになります。ただし、通話の方は買って2週間で概算180円程度。プランSの無料通話2100円分を使い切ることはないでしょう。もっと安い料金コースに切り替えようか。

料金が5,000円いかない人はメールやWebをあまり利用しないのでしょうね。


2005年05月21日 [Sat]

パソコンテレビ「GyaO」

キネマ旬報に広告があったので行ってみる。完全無料のブロードバンド放送。先月から始まったそうだ。メールアドレスや郵便番号などを入れるだけで映画本編やドラマ、アニメ、ニュース、バラエティなどが無料で見られる。現在、視聴可能な映画は「オール・アバウト・マイ・マザー」「イグジステンズ」「タイムライン」「レインメーカー」など。「オール・アバウト…」を少し見てみた。始まる前にCMが数本流れる(途中にもテレビ同様流れる)が、本編は画面が大きくて十分見られる。レンタルするまでもない作品はここで見ればいいか。

回線速度は768kbps。視聴者が多くなると、苦しくなるかもしれない。視聴者が増えなければ、広告効果は薄い。快適に見せるためには設備の増強も必要になってくるだろう。USENグループなので、設備の方は大丈夫かもしれないが、そういうことをしてまで、こういう商売、成り立つのだろうか。


2005年05月22日 [Sun]

渋滞

いとこが交通事故に遭って入院しているので、イオン宮崎SCの前にある病院に行く。イオンの少し手前から車が進まなくなる。渋滞である。テレビのニュースによると、周辺の道路は約1キロの渋滞だったとか。駐車場は臨時を含めて5000台以上のスペースがあるらしいが、それも満杯(たぶん近くの量販店に駐めて行った人もいるだろう)。開業後初の日曜日なのだから仕方がない。だから土日にイオンに近づいちゃいけないのだ。

いとこは2週間ほど前に交通事故に遭い、ICUに入っていたが、昨日から管も取れて元気そうな様子だった。病室は2階でイオンがよく見える。駐車場、確かに満杯だった。

[MOVIE] 「Ray/レイ」

「Ray/レイ」パンフレットジェイミー・フォックスが終盤、空想の中で目を開けるシーンで、レイ・チャールズとはあまり似ていないことがはっきり分かる。目を瞑って動作を真似るだけでこんなに似てくるものかと思う。フォックスはアカデミー主演男優賞を受賞したが、それに恥じない熱演だと思う。映画化に15年かけたというテイラー・ハックフォード監督はレイ・チャールズの生涯を女好きやヘロイン中毒というネガティブな部分を含めて描き出す。これは賢明な判断で、そういう部分がないと映画は嘘っぽくなるのである。弟を目の前で死なせたことがトラウマ(心的外傷)になったエピソードなどもレイ・チャールズという人間を描くのに欠かせないことだし、失明したレイを厳しく育てる母親(シャロン・ウォレン)の存在もそうだろう。人間的なレイを浮かび上がらせることにハックフォード演出は成功し、力作となっている。

とは思うものの、音楽的な才能の秘密がどこにあったかについてはないがしろにされている感が強い。子供のころ失明したレイが周囲の物音に目覚めるシーンは“耳で見る”能力を表現して秀逸だが、音楽に関してはそういう部分がない。有名な曲がたくさん流れるにも関わらず、音楽映画的部分が物足りないのは人間レイを追求した結果、音楽家レイの追求が手薄になったからではあるまいか。

実際、映画を見終わって印象に残るのは盲目、ヘロイン、女好きという3つのことなのである。一度はレイを追放したジョージア州議会が謝罪し、州歌を「わが心のジョージア」に決めるというレイの復権を描いて映画は終わるが、黒人差別、公民権運動に対するレイのスタンスは詳しく描かれない。中盤、ジョージアでのコンサートに訪れたレイがファンからコンサートの中止を求められるシーンがある。ジョージア州はアフリカ系アメリカ人を隔離席に押し込めるという施策を取っていた。コンサート会場の前でその施策に抗議していたファンの1人がレイに駆け寄り、コンサート中止を依頼する。「自分はただの音楽家だ」と最初は断っていたレイは話しているうちになぜか心変わりして公演を辞める。それが元でジョージア州はレイを追放するのだが、この心変わりの部分をもっと知りたくなるのだ。復権のシーンを効果的に見せるにはそれが必要だと思う。スパイク・リーなどのアフリカ系アメリカ人が監督すれば、そういう社会派的な部分をもっと描いたに違いない。

人の生涯を描く上で何を取り何を捨てるかは難しい。ハックフォードはヘロイン、女好き、盲目を取った。僕は他の部分にもっと興味がある。要するにそういうことで、この映画で満足する人も多いだろう。

ただし、ハックフォードの技術は決してうまくはないと思う。2時間32分が長く感じるのは語り口にくどい部分があるからだ。これはうまいという表現の仕方もなかった。ハックフォード、とりあえずまとめ方に難はないけれど、見せ方には相変わらず凡庸な部分を引きずっている。


2005年05月23日 [Mon]

「本音を申せば」

「本音を申せば」表紙鹿児島のOさんからの手紙に「もう買いましたか」と書かれていた。小林信彦の週刊文春のエッセイをまとめた本のことである。Oさんも小林信彦のファンで以前、電話で「昨年の分はまだ出ないんですかね」という話をしていた。これで7冊目だそうである。

毎年この本を買うのは僕自身の映画の見方が間違っていないかどうかを確認するためにほかならない。映画に関する文章は多くはないが、意見が合っているとホッとするのだ。

例えば、「コールドマウンテン」について小林信彦はこう書く。

この映画は<ハリウッド久々のメロドラマ>という風に喧伝されていて、物語の骨格はそうなのだが、実は反戦映画だと思う。

僕はこう書いている。「そうした女たちの目から見た戦争批判をこの映画はさらりと描いている。この軸足を少しもぶれさせなかったことで、映画は凡百のラブストーリーを軽く超えていく」。まあまあではないか。

「華氏911」については

ドキュメンタリーとしてフェアでない、という人もいるが、<完全にフェアなドキュメンタリー>なんてあるのか。

僕は「内容に偏りがあるという批判は分かるが、主義主張を込めないドキュメンタリーには意味がない」。

ただ、「ハウルの動く城」について、「語りたい強烈なエネルギーがない」とした上で「自分の体験からみて、これは作者が<枯れた>からだ、と感じた」という指摘は僕にはできない。だから分かったような分からないような感想にしかならないのだなあと反省する。

 小林信彦は以前からこの連載をクロニクルと位置づけている。連載は8年目に入った。小泉政権や中越地震に関するタイムリーな文章が収められたこの連載はもう立派なクロニクルだと思う。後世の人はこの本を読んで、小泉純一郎という総理の下の日本はなんとひどい国だったかと思うことだろう。

[MOVIE] 「ザ・インタープリター」

「ザ・インタープリター」パンフレット国連の通訳が要人の暗殺計画を聞いたことから命を狙われるサスペンス。同名の原作があるが、設定だけを借りてまったく違う話にしてあるそうだ。オリジナルな話としては良くできているけれど、映画としては人間関係が入り乱れて分かりにくくなったきらいがある。シドニー・ポラック監督は場面場面を的確に演出していながら、人間関係の整理がうまく表現できていないのだ。にもかかわらず映画が魅力的なのは、ひとえにニコール・キッドマンとショーン・ペンのお陰である。脚本でもこの2人のキャラクターは心に傷を持った設定にしてあって奥行きが深いが、2人の演技はそれに輪をかけてキャラクターをくっきりと浮かび上がらせている。さすがに2人ともアカデミー主演賞を取った俳優だけのことはある。血肉の通ったキャラクターであり、多少の語り口のまずさを超えさせる力がある。特にキッドマン。知的で美しく毅然としていながら、弱さも見せる女を演じて文句の付けようがない。ハリウッドを代表する女優だなと改めて思った。

ショッキングな場面で映画は幕を開ける。アフリカのマトボ共和国にあるサッカー場に来た2人の男が少年3人にいきなり射殺される。同行していたカメラマンは車に残っていて難を逃れた。場面変わってニューヨークの国連本部。同時通訳のシルヴィア・ブルーム(ニコール・キッドマン)は忘れ物を取りに通訳ブースに戻り、暗がりの中で男たちの会話を偶然耳にする。そこで照明がついてシルヴィアは顔を見られる。男たちは「先生は生きてここを出られない」と話していた。先生とはマトボ共和国のズワーニ大統領のことで、シルヴィアは翌日、国連本部に報告する。マトボ共和国でズワーニ大統領は住民を虐殺しており、その弁明のために近く国連で演説することになっていた。シルヴィアはその日から周囲に不審な動きがあることを察知する。ズワーニはかつて民衆の指導者だったが、大統領になってから独裁政治を行うようになった。それに反対する勢力が2つあった。ゾーラとクマン・クマンの2人がそれぞれ率いる勢力。暗殺計画はこのどちらかが計画しているらしい。大統領暗殺計画を阻止するためシークレット・サービスのトビン・ケラー(ショーン・ペン)とウッズ(キャサリン・キーナー)が捜査に乗り出す。

というのが大まかな設定である。単なる通訳と思われたシルヴィアは実はマトボ共和国の出身であり、両親と妹を政府軍が仕掛けた地雷によって亡くした過去を持つことが分かってくる。シルヴィアは一度は銃を取り、ゾーラの反政府勢力に入ったが、ある出来事をきっかけに祖国を離れた。国連の通訳になったのは銃よりも言葉による外交を信じたからだ。ケラーは交通事故で妻を亡くして仕事に復帰したばかり。向かいのビルからシルヴィアを監視しているうちに2人にほのかな心の交流が生まれるのはこうした映画の常套的な手法だろう。眠れないシルヴィアが携帯電話で向かいのビルにいるケラーと話すシーンなどはロマンティックだ。

シドニー・ポラックはそうしたロマンティックなシーンには冴えを見せるが、過去の作品を見てもサスペンスはあまり得意ではないらしい。ロバート・レッドフォード主演の「コンドル」を見たときも話の本筋が分かりにくかった記憶がある。それにもかかわらずレッドフォードとフェイ・ダナウェイによって映画はある程度面白く見られた。それと同じことがこの映画にも当てはまっている。ストーリーテリングがうまい監督ではなく、俳優の演技を引き出すタイプなのだろう。


2005年05月24日 [Tue]

テレビも音楽も安心も……個性豊かなauの新ケータイ

W31CAは8月に出るそうだ。PDFやWord文書を表示できるドキュメントビューアーの搭載とカメラが3.2メガピクセルになったのが機能アップしている点。とりあえずこれぐらいのアップならそんなにうらやましくないぞ。7カ月未満で機種変更しようとすると、auの場合、5万円以上かかりますからね。機種変更は来年以降にしよう。

と思ったが、考えてみれば、家内の携帯もauなのだった。しかも2年以上経過している。これは機種変更してもいいな。同じタイプのW31CAにするのはちょっと面白くないので、W31TかW32SAか。

ファームウェアバージョンアップ

Nikonからメール。D70のファームウェアがバージョンアップしたとのこと。で、ここからダウンロードしてCFカードにコピー。バージョンアップを開始したら、ファームウェアAがなぜかアップされない。仕方がないのでCFカードからファームウェアBを削除して行ったら、うまくいった。最初にAだけコピーして作業するべきだったか。まあ、できたからいいでしょう。

アップの内容はメニュー画面のデザイン変更とダイレクトプリントのプリント用紙サイズ選択ができるようになった点。確かにメニューは見やすくなりましたね。


2005年05月25日 [Wed]

携帯メールのバックアップ

auのメールはパソコンに取り込めない。miniSDカードへの保存はできるが、いちいちminiSDからパソコンに移すのが面倒。で、Yahoo!のアドレスに転送設定をしてメーラーで受信してバックアップにしている。こうしておくと、パソコンからでも返事が書けるメリットがある。

受信メールはこれでいいものの、送信メールについてはminiSDを利用するしかない。送信メールが転送できれば、理想的なのだが、そういうメニューはない。ま、その前にメモリー編集ソフトでメールを取り込めるようにしてほしいところ。miniSDカードに移したメールを見ると、単なるテキストファイルなんだから、できそうな気はするんですけどね。夏モデルからできるようにするという話だったが、その点に触れた紹介記事は見かけないな。

それにしても、Duogateのニュースを見ると、「7割弱のユーザーがパソコンへのバックアップなどを行なっていない」とのこと。それで平気なんですかね。


2005年05月26日 [Thu]

ALL-TIME 100 Movies

雑誌TIMEが選んだオールタイムの映画100本。選出したのは映画評論家のリチャード・シッケルとリチャード・コーリス。100本選んだだけで順位はない。

日本映画では「生きる」「東京物語」「雨月物語」「用心棒」の4本が入っている。黒沢明では「七人の侍」がないのが意外。ちなみに、こういうリストには必ず入る「風と共に去りぬ」「第三の男」もない。そのあたりは好みの問題なのだろう。「フランケンシュタインの花嫁」が入っているのがなかなかと思う。「フランケンシュタイン」よりこの続編の方が絶対面白いですからね。選出した2人、こういう映画が好きなようでデヴィッド・クローネンバーグ「ザ・フライ」やドン・シーゲル「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」もリストにある。

チャップリンの映画では「街の灯」。先日、子供に見せたら、ボクシングのシーンのみ面白がっていた。ラストの良さは分からなかった様子。


2005年05月27日 [Fri]

Google デスクトップ検索正式版

ようやく出たので、会社のパソコンにインストール。鶴亀メールが対応したので、メール検索が便利になった。自宅のパソコンにはインデックスファイルの保存場所をCドライブから変えられるようになったら、インストールしよう。


2005年05月28日 [Sat]

mimicry FLASH

携帯用FLASHの配布サイト。作者がauを使っているらしくサイトの作りもau風。感動的にしっかりしたデザインのFLASHが多い。ストップウォッチやWin風待ち受け(ゲームチャンネルezのランキング1位)をダウンロードした。

MySync Suite購入

試用期間が終わりに近づいたので、2,000円払った。まとめてau払いを利用。払った後で、USBケーブル付きにすれば良かったかと少し後悔。会社で携帯からデータを取り出すときに便利だろうと思ったからだが、考えてみると、その種のメモリー編集ソフトがなければ、ケーブルだけがあっても意味がないのだった。

Reply to非対応

今ごろ知りましたが、iモードのメールはReply toに対応していないのですね。FOMAになっても対応しないというのがさすがというか何というか。iモードの開発者は恐らく、どうせ簡易的なものだからとメールのサブセットみたいな考えで開発したのだろう。これではメーリングリストで非常に困ったことになる。

auは対応、Vodafoneはロングメール以上は対応しているらしい(よく知らない)。


2005年05月29日 [Sun]

フリーメール

携帯との連携を考えて、MSN、goo、infoseekのアカウントを取ってみた。どれも一長一短で、フリーメールならYahoo!が一番使いやすいかと思う。Yahoo!は携帯でのアクセスができるし、メーラーでの受信もできる。MSNとgooは携帯には対応してもメーラーで受信ができない。infoseekはどちらもできないが、ウィルスチェックは無料でしてくれる(gooとMSNもそうだった)。ただし、迷惑メール対策が貧弱。

gooはiモードを使っているなら(NTT系だから)使いやすいだろう。メール用のiアプリもダウンロードできる。

auを使っていて、携帯メールのバックアップ用で外部に公開しないアドレスとしてはYahoo!がもっとも使いやすく、ここに携帯メールをすべて転送することにした。@niftyのメールが携帯でのアクセスを無料にしてくれると、一番理想的ではあるんですがね。

携帯で「たまに使って便利な機能」は……通話?

これは僕にも当てはまる。昨日までの3週間の料金は77,132円(割引計算なし)で、このうち通話料は502円。通話料が占める割合はたったの0.65%だった。パケット定額だから実際の料金は1万円程度になるが、そうでなかったら、とても携帯なんて使っていられない。来月もこんなに通話が少ないなら、プランSSに変えようかと思う。


2005年05月30日 [Mon]

gooメールアドバンス

サービスを見て、これはいいかと思ったのがgooメールアドバンス。容量2GB、IMAP対応、迷惑メール対策、ウイルスチェックあり、というのがポイント。鶴亀メールはIMAPには対応していないが、Thunderbirdを使えばいいだろう。メールをためこんでおくスペースとして使えるかもしれない。

ただ、2ちゃんねるを見たら、評判が悪すぎる。メールが数時間遅れるとか本文が消えるとか、ここまで悪いとちょっと躊躇するなあ。ま、月額290円(アドバンスパッケージ)なので、不具合があったら、やめればいいし、メインに使うつもりもないのでいいんですけどね。だいたい@niftyのアドレスはいろんなサービスで登録してあるので、今さら変えられない(変えていくのはすごく大変)。

[MOVIE] 「ミリオンダラー・ベイビー」

「ミリオンダラー・ベイビー」パンフレットアカデミー主要4部門受賞。それが当然の傑作だと思う。F・X・トゥールの短編をテレビの脚本が多いポール・ハギスが脚本化し、クリント・イーストウッドが監督した。予告編はボクシング映画にしか見えなかったが、イーストウッドは、この優れた脚本がボクシング映画ではなかったから監督を引き受けたのだという。原作を読んでいたので終盤の展開に驚きはしなかったけれど、逆に原作の終盤をそのまま映画にするのは(興行的側面を考えると)難しいと考えていた。だから、この映画がうまく成功していることに感心せざるを得なかった。それは主要登場人物の背景をしっかりと描き込んだからにほかならない。キャラクターの詳細な描写が圧倒的な大衆性につながっている。イーストウッドがプロだと思うのは大衆の視点で映画を作り、自己満足のためだけの映画を作る考えなど微塵もないことだ。主演のヒラリー・スワンク、イーストウッド、モーガン・フリーマンの深みのある演技が加わって、この厳しい映画を見事なものにしている。

主人公のマギー(ヒラリー・スワンク)は家族のためにウェートレスとして働き、貧しさからはい上がるためにボクシングを始める。31歳。老トレーナーのフランキー(クリント・イーストウッド)はTough ain't Enough(タフなだけでは十分じゃない)と言って依頼を断るが、マギーは秘かにジムのスクラップ(モーガン・フリーマン)の指導を受ける、マギーの熱心な練習を見たフランキーもトレーニングを指導するようになる。試合に出たマギーは圧倒的な強さを見せて連戦連勝。やがてタイトル戦に挑戦する。

これがそのままうまくいけば、よくあるアメリカン・ドリームを描いた映画になるが、終盤の展開でこの物語はアメリカン・ドリームとは違う人と人との深い絆を描くことこそが狙いだったことが分かる。

マギーが食堂で客が食べ残した肉を持ち帰るシーンや切りつめて貯めた小銭でスピードバッグを買うシーン、ジムで毎晩遅くまで残って練習するシーンなどで映画は貧しいマギーの切実さと一途さを描き出し、観客のハートをしっかりと掴んでしまう。家族との関係は原作以上に悲痛である。マギーがファイトマネーで母親のために家を買うエピソードは原作にもあるが、映画はマギーをまったく理解しない母親を原作以上に詳しく描く。出した手紙がそのまま返ってきても娘への手紙を書き続けるフランキーとマギーはだから父娘のような関係になる。親に理解されない子供と子供に理解されない親が疑似家族的な絆を深めていく描写に無理がない。

映画は原作の行間を補完するように描写を積み重ねているが、逆に原作にあって映画にないのはマギーが父親の思い出を語るシーン。マギーの父親は長距離トラックの運転手で、家族のために懸命に働き、自分のためには仕事着と噛み煙草にしか金を使わなかった。12歳の時に父親は癌で死に、マギーの中でも何かが死ぬ。そしてマギーは16歳から働き始めるのだ。このエピソードはあった方が父親を亡くしたマギーがフランキーとの絆を深めていく過程に説得力を持たせただろうが、その代わりに映画は原作には登場しないモーガン・フリーマンを登場させることで、フランキーの過去と人間性を浮き彫りにしている。取捨選択に間違いはないと思う。

2002年に72歳で亡くなった原作者のトゥールは「自分は、すべての女性との関係に失敗し、父親としても失敗し、闘牛士としてもマトダールにはなれなかったし、確かに物は書きはしたが、小説家とは言いがたい」と言ったそうだ。小説にある敗者に向ける視線の厳しさと切実さは映画にそのまま受け継がれている。「ミリオンダラー・ベイビー」とは1試合で100万ドル稼ぐ女性ボクサーという意味だが、同時にマギーやフランキーのような存在こそが100万ドルの価値を持つ人間であると言っているように思える。


2005年05月31日 [Tue]

震度4

グラグラ揺れた。職場はビルの6階なので、体感では震度5ぐらいに感じた。最初は震度2ぐらいかと思ったのだが、そのうち大きな横揺れが数秒続いて、本棚が大きく揺れ、引き出しが飛び出した。でも、大きな被害はなかったようだ。うちのビルが揺れすぎるのか。

帰宅してみたけど、本棚の本も落ちていなかった。意外だなあ。

KDDIが“今さら”ブログに取り組む理由

つまりパケット代金を稼ぐためというわけか。携帯からいつでもどこでも更新できるのは便利だが、やはりあの小さな画面では文章の見通しが悪いので長文を書くのには向かないと思う。携帯で相当書いたぞと思ってもアップしてみると、ほんのちょっぴりだったりするのだ。上の地震に関する文章は携帯から更新したのだが、最初は70文字程度しかなかった。

昨日書いた「ミリオンダラー・ベイビー」の感想など携帯で書こうと思っても僕には書けない。モブログというのは短い文章にならざるを得ない部分があると思う。それでは内容も薄くなってしまうだろう。

ブログと言えば、gooブログアドバンスは容量が1テラバイトある。この売り方、非常に腹が立つ。画像を300MBに制限しておきながら、1テラバイトだと。テキストだけでそんなに使うわけない。僕の日記は5年間で画像を含めても30MBもいってないのだ。この分だと、1GBに達するには単純計算であと30年ほどかかる。1テラバイトはその1024倍、つまり3万720年後だ。画像が300MBまでなのを考慮すると、さらにかかる。gooは「孫の代までつきあえる大容量」と言っているが、「使えるものなら使ってみろ」となめられているようで、ほとんど冗談、言いたい放題レベルの売り方だな。本気で1テラバイト使わせるなら、画像の制限などしないだろう。

と、怒りつつも、あす申し込んでみようかと思っている。使いたいのはgooメールアドバンスの方で、評判の悪さが本当かどうかを確かめてみよう。どうせ携帯メールの転送先にしかしないので、転送したメール消失とかの不具合がなければ、かまわないんですけどね。


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