映画とネットのDIARY(tDiary版)
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【映画の感想一覧】 2004年7月以降 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
2005年06月01日 [Wed]
■ IMAP
というわけでgooメールアドバンスに入ってみる。IMAPが使えるので、Thunderbirdも久しぶりにダウンロード&インストール。使ってみると、確かにIMAPは便利ではある。ローカルでメールを削除すると、サーバー上でも削除される。移動すれば、移動される。ま、それだけのことですがね。
時々、Thunderbirdがログインに失敗することがある。これはgooの不具合か、Thunderbirdの不具合か? どうも両方でログインしていて、Thunderbirdでログアウト(というか終了)した後におかしくなるようだ。Webから「IDとパスワードを記憶する」にチェックを入れてログインしようとすると、ログインできない。チェックを外すとできる。
モバイルメールを使ってみたら、Yahoo!より反応が遅い。いや、モバイルだけじゃなく、Webメール自体が遅すぎる。@niftyが快適に思えてくるほど。有料なのに、無料のYahoo!に負けますか。いったいどの程度のスペックのサーバー使っているのだろう。あるいは相当な数のユーザーをひとつのサーバーに詰め込んでいるのに違いない。不思議なのはURLが時々変わること。受信フォルダのアドレスがadvance02.mail.goo.ne.jpだったり、advance03.mail.goo.ne.jpだったりする。メールをためるサーバーは別にあって、読み込むサーバーがころころ変わる仕様か?
腹が立つので@niftyのメールもここに転送することにした。メールの保存場所としてしか使えないな、このサービス。しばらく使って改善されなかったら、解約しよう。アドバンスパッケージの他のコンテンツにも興味ないし。
2005年06月02日 [Thu]
■ 「携帯万能15」6月17日発売
ウィルコムに対応したことと、WindowsとMacのデータ交換ができるようになったのが売りらしい。相変わらずauのメールが扱えないのでは個人的にはあまり意味がない。唯一、魅力を感じていた万能キーボードというのはなくなったんですかね。
2005年06月03日 [Fri]
■ 4サイトの奇蹟
明日公開される「四日間の奇蹟」の冒頭映像を配信している。「映画冒頭より、約10分間をそのままご覧いただくことができます」とのこと。予告編ならかまわないが、こういう映画の冒頭を流すことにどんな意味があるのかよく分からない。事前にこういうのを見ると、新鮮さがなくなる。
映画は佐々部清監督なので一応期待。でも評判は…。「電車男」の方がいいのか。
■ 未読・既読の管理
gooのメールアドバンスで何がダメかといって、これほどダメなものはない。フォルダ内のメールをすべて既読にしてもフォルダの横にある数字が消えない(たぶん未読メールの数だよな、これ)。あれれ、と思い、すべて未読に設定しなおすと、その数字が倍に増える。いったんフォルダ内のメールをすべて削除して受信しなおしてみたが、同じ現象が発生する。未読メールを開いても数に変化がない。なんだこれ。
メーラーの一番基本的な部分がまったくなっちゃいない。2GBだ、ウィルスチェックだ、迷惑メール対策だなどと言う前にこういう基本的な部分をしっかり作ってはどうか。
gooのメールに関してはWebメールよりもThunderbirdで操作した方がよほど精神衛生上いいということがよく分かった。どうせ転送したメールばかりなのだから、ローカルに受信する必要もないのだ。
■ 迷惑メールフォルダー強化
@niftyの迷惑メールフォルダーが1日から判定フィルターにSymantec Brightmail AntiSpamを加えたとのこと。なるほど、メール受信状況を確認したら、基本フィルターでの迷惑メール検出の割合がずっと増えている。その割には取りこぼした迷惑メールがgooで迷惑メールに判定されることがあった。gooはどんなソフトを使っているのだろう。
2005年06月04日 [Sat]
■ goo 通帳&明細
gooで便利なのはこのサービスか。クレジットカードの明細を見るのに三井住友カードのサイトではカードの種類ごとにログインが必要だが、パスワードが保存できない。gooを利用すると、パスワード一つで複数枚のクレジットカードの明細を参照できる。三井住友サイトへの自動ログインもできる。セキュリティ的に大丈夫かなと思うが、自宅のパソコン以外ではログインしないのでいいでしょう。
クレジットカードと言えば、知り合いがスキミングの被害にあった。カード会社の方から連絡があったそうだ(不審な使用があると、連絡してくれるんですね)。被害には保険が適用されるとのことだが、福岡市内で20万円近い買い物を数件されたとか。僕は普段、ネットでの決済にしか使わないのでカードは持ち歩かないことにした。
■ サブドメイン
さくらインターネットのサブドメインを設定した。Webサイトはもう作るつもりはないし、今まで必要性を感じていなかったが、メールアドレスにも使えるので、とりあえず適当なやつを考えた。メルマガなどの申し込みアドレスに使えるだろう。gooのアドレスでもよかったんですがね。しかし、サブドメイン取ってみると、何かページも作りたくなるなあ。
2005年06月05日 [Sun]
■ あて!?メロ
#9090に電話して携帯に音楽を20秒間聞かせると、曲名を探してくれるサービス。曲名はメールで通知される。試しにやってみる。高橋洋子「残酷な天使のテーゼ」は「楽曲は検索できませんでした」とのメールが来た。もっとメジャーなやつがいいようだ。中島美嘉「桜色舞う頃」は正解だった。
30万曲の中から探せるとのこと。テレビやラジオで聞いて、気になった曲を知りたい場合に使うことを想定しているようだ。gooアドバンスパッケージなら月に50回利用可能。個人的にはめったに使わないだろうが、こういう検索サービスは面白い。映画の一場面を携帯に見せて、タイトルを検索してくれるサービスとかできないかな。ま、これはデータベース作りが大変でしょうけどね。
2005年06月06日 [Mon]
■ キネ旬6月下旬号
巻頭特集は「ミリオンダラー・ベイビー」。既に公開されているので、いつものキネ旬らしくない掲載の遅さだが、これは終盤のネタを割るために仕方のない措置だったのかもしれない。クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマンのインタビューのほか、崔洋一、宇田川幸洋、新藤純子、香川照之の文章が結末に触れている(注意書きがある)。この映画の分析ではそういう部分がないと、後世に残す文章として十分ではないのだろう。
ただ、まだ見ていない人がこの文章を読む可能性は大きいわけで、注意書きがある以上、読むのは本人の責任だという理屈には無理がある。こういうのって、ついつい読んでしまうのだ。ま、原作を読んでいる人には関係ないことではある。
結末に触れていない小林信彦は「映画史にそびえ立つ作品」と評している。分かりやすいのは、前半は従来のイーストウッド・ファンを泣かせ、後半はイーストウッドを知らなかった観客を泣かせるだろうという宇田川幸洋の指摘。「その二者が、直線的なシンプルなひとつながりの構造をなしているところが、すばらしい」と宇田川は書いている。その通りで、この映画はファンの枠を超えて支持を集める作りになっており、そこに僕は大衆性を感じた。
ちなみにREVIEW2005では評者4人が全員四つ星を与えている。これほど絶賛ばかりを目にする映画というのも珍しい。
2005年06月07日 [Tue]
■ [MOVIE] 「電車男」
「エルメスさんち行きのチケットは、JTBじゃ売ってくれねえんだよ!」
「一つだけ言っておく。相手の女性は一人だが、おまいにはオレたちがついている」。
もちろん、原作では“オレたち”ではなく、“2chがついている”、となっている。電車男のまとめサイトを読んだ時に心を動かされたのは電車男とエルメスの話ではなく、こうしたスレッドの住人たちの言葉であり、ラブストーリーの方は平凡なものに思えた。だからこれを映画化するには住人たちをどう描くのかがポイントだろうと思った。脚本の金子ありさは「あくまでもメインはラブストーリーとして描きつつ、“新しい物語”としてネットの向こうの応援者もちゃんと描き出そうと思いました」と語っている。メインはラブストーリーじゃないと僕は思っているので、これは違うと思うが、映画にするならラブストーリーを強調した方が分かりやすいのも事実だろう。こうしてラブストーリーをメインにしつつ、スレッドの住人たちもそれなりに描いた映画になった。端的に言えば、出来は悪くないと思う。映像の色彩には感心しないし、演出も演技もテレビドラマのレベルで、クライマックスのキスシーンの下手さ加減には頭を抱えたくなるのだが、主演の山田孝之の好感度が高く、男から反感を持たれない男であるのがいい。電車男の必死さをややオーバーアクト気味に演じた山田孝之の好感度はそのまま映画の好感度につながっていると思う。
電車の中で酔っぱらいに絡まれている美女をアキバ系オタク男が助けたことが発端。美女はお礼にエルメスのカップを送ってくる。男は彼女と何とか付き合いたいと思うが、彼女いない歴=年齢(22歳)なので、ネット掲示板の助けを借りる。匿名の書き込みからアドバイスと励ましを受けながら、男はなんとか恋を成就させるというのがプロット。原作はクライマックス前に男が気弱になる場面(伊丹十三の言葉を借りれば、ロウポイント)があり、ちゃんとした物語になっているところが良くできていると思う。ここで「JTBじゃ売ってくれねえんだよ」の書き込みが出てくるのだ(原作を正確に引用すれば、「そういう以前に、エルメスんちに行くとかそっちの方がよっぽど大変なんよ。エルメスんち行きのチケットとかJTBで売ってくれない訳」となる)。映画はこの場面をスレ住人の口から直接言わせている。ここがなかなか感動的である。書き込みを元にした空想の場面なのだが、電車のホームの向こう側にいる電車男に向かって、スレの住人たちが一列に並んでそれぞれ励ましのエールを送るのだ。
映画は住人たちをもてない男3人組(岡田義徳、三宅弘城、坂本真)、看護婦(国中涼子)、主婦(木村多江)、親に反抗的な少年(瑛太)、30代らしい男(佐々木蔵之介)の7人に代表させて描いている。それぞれにちょっとしたドラマを付け加えているのが金子ありさの工夫だろう。僕は電車男の現在進行形の書き込みには間に合わなかったが、それから少し遅れてまとめサイトを読んだ。掲示板の書き込みを読むのは自分も参加した気分になるものだが、本になり映画になると、そういう感覚は薄れてくる。「大好き>おまいら」という電車男のセリフもだから、あまり真に迫ったものにはなっていない。電車男とスレ住人たちの関係が映画では薄れているのだ。それが残念と言えば残念なところか。
エルメスを演じる中谷美紀はただ微笑んでいるだけで、クライマックス後に電車男に本心を打ち明けるまで演技のしどころがないのがつらいところだ。山田孝之とちょっと年が離れすぎているのも気になった。本当ならはっきり2ちゃんねるの名前を出した映画にしてほしかったところだが、まずまずの作品になったのでいいだろう。いずれにしても映画の中に_| ̄|○とかのアスキーアートが出てきたのは初めてだと思う。その意味で貴重な作品ではある。
■ ATOK省入力データ
ATOKの省入力変換は便利なので映画関係と芸能関係、文芸関係のデータをインストールしてみた。固有名詞がこれで変換しやすくなるか。
2005年06月08日 [Wed]
■ 前半終了:日本0−0北朝鮮
うーん、やる気あるのか? 練習試合じゃないんだから、もっと気を入れて攻めなきゃダメでしょう。危ないなあ。ポロッと1点取られて試合終了になりそうな感じ。やはり攻撃の起点となる選手がいないとダメだ。見ていてもどかしい。
■ 日本2−0北朝鮮
いやあ、大黒が入ったことであんなに動きが良くなるとは。やはり鈴木じゃダメだったわけですね。柳沢のゴールは見事。大黒のだめ押しの1点も気持ちよかった。引き分けと勝ちとでは大違い。最終戦も勝って、第1代表で本戦に出場してほしいものだ。
2005年06月09日 [Thu]
■ InfoWeb会員用DNSサーバー提供終了について
メールサーバーに接続できなかったり、ページが表示できなかったり、最近どうもDNSエラーが頻発するなあと思ったら、これと関係あるのだろうか。ここを参考にルーターのDNSを変更した(というか、今まで設定していなかった)。これで快適になったか。ページが表示できなくなっては、このページを参照することもできなくなるわけで、元Infowebの人は要注意ですね。
■ PCサイト閲覧Proxy
これは便利だな。普通の携帯でもフルブラウザとして使える。W21CAIIのオペラで見るより表示が速い。利用者が多くなると、サーバーの負荷も大きくなるだろうが、今のところは快適だ。こういう便利なツールが増えてくると、いよいよ携帯用ページの存在価値はなくなりますね。
2005年06月10日 [Fri]
■ フィルター
@niftyのWebメールを見ていたら、フィルターが50個設定できると知った。今まで30個とばかり思っていた。いつの間に増えたんだろう。で、ウィルスメールによくある題名を40個登録。これでけっこう効果があるが、サーバーでのウィルスチェック(有料)も導入しようかと思案中。月額210円なので、料金は安い。ただ、フリーメールでさえ導入しているところがあるのを思うと、ちょっとためらうのだ。ウィルス対策ぐらいプロバイダが無料でやれよ、と思う。そうすれば、ウィルス被害は激減するだろう。
もっとも、今のメールの問題はウィルスよりもスパムの方なので、この対処に全力を挙げてほしいところ。性能が上がった@niftyの迷惑メールフォルダーでも遮れない迷惑メールがあるのだ。フィルターに正規表現が使えて、recievedヘッダーなども判定基準にできると、最強なんですがね。
Spam Mail Killerの削除ログを見ると、宛先が僕のメールアドレスでないものがけっこう多い。4割ぐらいはこれ。なんでこんなのが届くのかと思ってしまうが、要するにBCCで送っているのだ。
2005年06月11日 [Sat]
■ gooメールアドバンス解約
個人的には全然使えないサービスと分かったので解約。Webメールがもう少し速くならないと話にならない。Webメールに関しては@niftyの方が数段良い。メール容量2GBとはいっても2万通までだし。普通のメールのやりとりでは2万通で2GBも使わない。1通3KBとすると、60,000KB。つまり58MB。これならYahoo!のフリーメールで十分。1MBぐらいの添付ファイルを頻繁にやり取りしてサーバーにため込んでおく人にはgooが向いているかもしれない。
2005年06月12日 [Sun]
■ Quicktimeのムービー編集
携帯で撮影したムービー(3G2)を編集してみる。トリムしてコピーして新規ムービーにペーストする方式というのは普通のタイムラインでの編集に慣れていると、やりにくい。画面に文字もかぶせたいが、できないみたいだし。テキストの挿入は「拡大/縮小して追加」からできるけれど、もう少し操作しやすいインターフェースになりませんかね。夏に出すというQuicktime7のWindows版ではこのあたり改善されているのだろうか。
■ オレの書いた「スターウォーズ」評を配給会社が検閲!
「このままこれを掲載するなら、今後のおつきあいも読者の試写招待もありません」という言い方が凄い。何考えているんだか。「シスの復讐」に関してはマスコミに載る映画評(写真付きのやつ)はすべて信用できない(配給会社の意向に沿った内容に変えられている)と見た方がいいだろう。頼りはネットの映画評だけだな。
特定の人物がやっていることらしいので、そいつを排除した方がいいと思うぞ、20世紀フォックス。こういう低レベルの人間を置いていると、会社全体のマイナスイメージになるのは間違いない。
2005年06月13日 [Mon]
■ [MOVIE] 「戦国自衛隊1549」
半村良の原作を映画化した斎藤光正監督作品(1979年)はアクション監督を千葉真一が務め、アクションだけはそれなりの出来だった。ほかには覚えている部分もないぐらいで、ほとんど良い印象がない。当時、角川春樹は「タイトルが出ないのは『地獄の黙示録』よりも先だ」と意味のないことを言っていたと記憶する。
その「戦国自衛隊」を福井晴敏が新たに書き下ろし、「ゴジラ×メガギラス G消滅作戦」「ゴジラ×メカゴジラ」「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」の3本のゴジラ映画でファンの支持を集めた手塚昌明監督が映画化した。自衛隊の描写はゴジラ映画でお手の物なのでそれなりの映画にはなるだろうとの予想はあった。確かに自衛隊が全面協力しただけあって装甲車やヘリの描写に重みがあり、アクション場面は悪くないが、ドラマが物足りない。SF的な設定は福井晴敏の力を借りただけによくまとまっているけれど、残念ながら時間テーマSF独特の魅力はない。自衛隊が戦国時代に行って戦うというパッケージングをまとめただけの作品に終わっている。惜しい映画だと思う。最後の最後でセンス・オブ・ワンダーを感じさせてくれた「ファイナル・カウントダウン」あたりを見習った方が良かったのではないか。驚いたのは敵役が「ローレライ」と同じ論理、同じ意図で同じことを計画すること。福井晴敏、これは少し安易ではないか。十分な時間がなかったのだろうか。
陸上自衛隊で行われた人工磁場発生器の実験に太陽プラズマの増大が重なり、的場一佐(鹿賀丈史)率いる部隊が消滅する。後に戦国時代の侍・七兵衛(北村一輝)が実験現場に現れたことから部隊は戦国時代にタイムスリップしたものと分かった。かつて的場の部下で特殊部隊Fユニットにいた鹿島(江口洋介)は今は居酒屋の雇われ店長になっていたが、自衛隊の神崎二尉(鈴木京香)の要請で的場たちを救いに行くことになる。的場たちが過去に行き、その時代に干渉したことで現代にホールと呼ばれる虫食い穴が出現し、世界は消滅の危機にさらされていたのだ。実験を指揮していた神崎は判断ミスの責任を感じて、森三佐(生瀬勝久)率いる救出部隊のロメオ隊に参加。部隊は的場たちと同じ状況を作り出し、1549年に向かう。
半村良の原作は的場が率いる部隊の戦国時代での活躍を描いたような作品だった(自衛隊が活躍する場面を用意したかったと、かつて半村良は言っていた)。福井晴敏はそれにもう一つの部隊を加えることでオリジナリティーを出している。先に過去へ行った部隊の歴史への干渉を止めることがロメオ隊の使命なのだから、2つの部隊が敵対することは容易に予想できる。この映画に出てくる歴史の修復作用は半村良版でも出てきて、それが隊員たちの運命に重なっていったが、この映画ではそれが中盤のちょっとした驚きの場面につながる。僕は時間テーマSFを偏愛しているが、それは人間がタイムスリップしてもタイムマシンを発明しても時の流れには抗えないからで、そのために時間テーマSFには切ない感じがつきまとうからだ。この映画にはそうした切なさが一切ない。これはアクション映画だなんだという前に原作者のSFに対する意識によるものだろう。福井晴敏はSFの設定はできるけれども、SFが血肉になっている人ではないのだと思う。
手塚昌明の演出はいつものようにドラマ部分が弱いと思う。脚本にもかかわってくるけれども、ロメオ隊の嶋大輔のような役柄をあと1人か2人用意して、時にのみ込まれていく自衛隊員たちの悲劇を際だたせるともっと面白くなっていただろう。出演者の中では北村一輝の好演が光る。「ゴジラ Final Wars」でも怪演を見せていたが、この人、とにかく目立つ。せりふ回しからして武士そのもので、現代にいる場面のちょっとずれた感じが面白い。それが戦国時代に帰って、実にぴったりと時代に収まるのがまた良かった。
2005年06月14日 [Tue]
■ [MOVIE] 「最後の恋のはじめ方」
ニューヨークを舞台にウィル・スミスがデート・コンサルタントを演じるロマンティック・コメディ。冗長と思える部分もあるが、ノリのいい音楽とともに2つの恋模様を軽くユーモラスに描いて、まず退屈しない映画になった。ウィル・スミスはアクが強くないので、こういうサポートの役柄も似合っており、「アイ,ロボット」に続いて絶好調という感じがある。ダンスを教える場面やホタテ貝アレルギーで顔が腫れるシーンには爆笑した。監督は「アンナと王様」「メラニーは行く!」のアンディ・テナント。この監督の作品、そんなに見ていないが、この映画は出来のいい方の部類に入るのではないか。スミスの相手役エヴァ・メンデスも色っぽくて良い。
スミスが演じるデート・コンサルタントのヒッチはもてない男のサポートが仕事。セックスだけが目的の依頼は断るという主義を持っている。依頼してきたアルバート(ケヴィン・ジェームス)は太ってドジでさえない男。恋しているのはマスコミも注目する財団の令嬢アレグラ(アンバー・バレッタ)で、まるで釣り合いが取れそうにない。「まず彼女の注意を惹くこと」というアドバイスを受けたアルバートは会議でアレグラに同調し、なんとか2人で会う約束を取り付ける。ヒッチ自身もバーで男から言い寄られている新聞記者のサラ(エヴァ・メンデス)と出会い、恋に発展していく。しかし、ヒッチがデート・コンサルタントと知ったサラは卑劣な職業と誤解し、けんか別れしてしまう。
他愛ない話といえばそうなのだが、脚本は恋に関する教訓をいろいろ入れていて面白い。「人間の意思伝達の60%は言葉でなくボディ・ランゲージ。30%は声の調子。つまり90%の“会話”は言葉じゃない」という指摘には納得。脚本を書いたケヴィン・ビッシュはこれがデビュー作で、次作もコメディらしい。アルバート役のケヴィン・ジェームスはテレビ中心のコメディアンで、映画での大役はこれが初めてとのこと。笑いの取り方も下品ではないし、観客を引きつけるエピソードになったのはジェームスのキャラクターが大きいと思う。アンディ・テナントの演出にはこれといって優れた部分も見あたらず、こうした材料を交通整理しただけのように思える。ただ、気持ちのよい終わり方を含めて全体的に好感の持てる作品に仕上げた腕は認めるべきか。
ヒッチがアルバートにダンスを指導する場面の音楽(アッシャーの「Yeah!」)が良かったが、サントラには収録されていなかった。エンドクレジット前にあるおまけのダンスシーンが楽しく、もっと見たい気にさせる。ウィル・スミスもエヴァ・メンデスもダンスがうまい。
2005年06月15日 [Wed]
■ 経産省、迷惑メールで初の業務停止命令
たった3カ月の業務停止でいいのだろうか。1日に40万通のスパムを送信して、これだけの処分では3カ月たったらまたやりそうだ。迷惑メールを減らすには罰則の強化が必要だろう。
■ 「20世紀少年」
浦沢直樹作。12巻まで借りて読む。まだまだ終わらないので先に読んだ家内が13巻を買い、きょう僕が14、15巻を買った。書店には18巻まであったが、今月、19巻目が出るそうだ。
面白いのだけれど、終わりそうでなかなか終わらないのがもどかしい。これ、終われない理由があるのでしょうね。雑誌連載に人気がある場合、終わってしまったら、雑誌の売れ行きにも影響する。編集者の要請もあるのかもしれない。しかし、どこかで踏ん切りが必要だろう。
小説なら新聞や雑誌の連載後に大幅に加筆修正して単行本化することもできるが、漫画の場合、そうもいかない。だから、雑誌連載をそのまま、まとめただけの本が出版されることになる。2000年12月31日の話を中途半端にして2014年に話が飛ぶ展開など見ると、連載しながら展開を考えている様子がありあり。最初の構想で行けば(たぶん、スティーブン・キング「IT」がヒントにあったのではないか。途中から「ザ・スタンド」も入ってる)、恐らく10巻もかからず話が終わっていただろう。
浦沢直樹はうまいので、それでも面白く読めるけれど、こうした話の続け方では、全体の完成度そのものが落ちることは避けられない。作品としての完成度を落としてまで、連載を続ける意味があるのか疑問に思う。
■ Solaris 10 完全攻略ガイド
発作的に注文してしまった。インプレスでも良かったのだが、24時間以内に発送とあったので、amazonの方にした。SolarisがPCで動かせると、@niftyのCGIで便利になるかもしれない。VMWareでたぶん動くと思うが、ダメだったら、古いPCの方にインストールしよう。
2005年06月16日 [Thu]
■ インタラクティブ機能を充実させたDivX 6が登場
きょうたまたまDivx.comに行ったら、出ていた。しかし、かつてハマったエンコードも、もはや全然やってないので不要。DivXでエンコしたビデオ見るより、普通のDVD見た方がいい。DVD-Rが1枚100円ぐらいになったので、こういうコーデックも徐々に不要になるんじゃないかなあ。ま、ネットでの動画配信にはいい形式なんでしょうが、WMVの方が互換性高いだろう。
2005年06月17日 [Fri]
■ 通話無料 父娘篇
やじうまウォッチ経由。WillcomのCMで、一番下にあるやつの評判がよいとか。なるほど。60秒のやつがしんみりして良いですね。
「元気か」「元気」「元気か」「元気よ」「元気か」「元気だよ」「元気か」「元気だってば」。この反復のセンスがなかなかいい。監督は誰だろう。もう少し重くなっても良いから画質を良くした方がいいと思う(91kbpsじゃあね)。
しかし、これを見た後に「通話無料 上京編」を見ると、おやじギャグレベルの出来にがっかり。とても同じ親子とは思えない。
■ Symantec Brightmail AntiSpamの効果
@niftyのメールは6月1日からスパム判定率が大幅に向上した。右のグラフは3月20日からきょうまでのメール受信状況。ピンクが学習型フィルターで検出した迷惑メール、緑が基本フィルターで検出した迷惑メール、青が通常メール。通常メール学習通数は44,713通で迷惑メール学習通数は10,471通。学習度は2,103ポイント。学習型フィルターでの検出が大幅に少なくなっている。
学習度はまだまだだが、基本フィルターでこれだけ検出できると、あまり困らない。問題は受信もしたくない場合にどうするかで、フィルター10個の拒否条件ではとても足りない。受信拒否アドレスは1000個設定できるが、登録していったら、それでも足りないだろう。拒否条件を50個ぐらいに増やしてくれると、ありがたいんですがね。
2005年06月18日 [Sat]
■ つなぎ換え
テレビの映りが悪くなった。アンテナに障害があるらしい。ケーブルテレビがあるので、地上波見るのも別に困らないのだが、DVDに番組表が受信できないのが困る。ふとテレビの裏を見たら、ケーブルテレビのホームターミナルからどこにもつながっていない配線が1本。よく見たら、VHFとUHFの混合線だった。つまりうちの場合、アンテナからの配線とケーブルテレビからの配線があって、そのうちのケーブルテレビからのV・U混合線はどこにもつないでいなかったのだ。
アンテナからのV・U線をこれに換えて、DVDレコーダーにつないだらDVDを通して見る地上波がきれいになった。これで番組表が受信できるか(できた)。
■ MasterCardのクレジットカード情報が流出
げげげげげ。僕のカード情報も流出したか。と思ったら、これはアメリカのMasterカードの話。日本の利用者の情報に関してはどうなのだろう。
4000万枚以上というのは凄い数字だな。きょうもMasterカードを使い、ノートに入れているウィルスセキュリティの継続手続きをしたばかり。不正利用に関して消費者は保護されるそうだが、被害が分かるのにはしばらくかかるだろう。
2005年06月19日 [Sun]
■ 夏の家族旅行
どこに行くかで毎日、喧々囂々。もう来月行かないと、行く機会がないみたい。うーん、沖縄が無難だなあ。台風さえ来なけりゃ、海で遊べるし、ホテルもそれなりだし。知り合いもいるし。ディズニーランドのような遊園地だけは行きたくない。炎天下で暑いだけだもの。
2005年06月20日 [Mon]
■ 日本1−0ギリシャ
見ていなかったが、勝ったのか。さすが大黒。もう先発フォワード固定でいいでしょう。ブラジルがメキシコに負けたので、日本は次のブラジル戦に勝たないと、準決勝には進めない。しかし、この方が勝っても負けてもすっきりはするな。
■ Solaris10インストールできず
VMwareにインストールしようとしたら、デバイス検出の画面で止まる。デバイスが対応していないのか。うーん、古いパソコンにインストールするしかないか。
■ Masterカード問題
NHKのニュースでは三井住友カードも数百枚の情報が漏れた可能性があるとしていた。米国における約4000万枚のカード情報流出に関する6月18日のマスコミ報道についてによると、「過去に米国内でクレジットカードをご利用されたか、インターネットなどを通じて米国の加盟店でご利用されたお客様の会員情報」が漏れた可能性があるとのこと。げげげげげげ。Dr.DivXはMasterカードで支払ったんじゃなかったかなあ。条件に当てはまってしまうなあ。
今のところ、不正使用の疑いはないようだ。だいたい、最近は楽天カードばかりなので、Masterカードはやめようかと思っていたのだ。やめようか。
■ ガメラ復活
キネ旬7月上旬号に記事があった。角川映画で7年ぶりに復活するそうだ。ただし、「『子供たちの守り神』を基本コンセプトに、卵からふ化するガメラの姿を子供の成長とともに描く」そうだから、平成ガメラシリーズのような傑作になるとは思えませんね。しかも脚本がテレビドラマ「砂の器」などで知られる龍居由佳里、監督は「仮面ライダー」シリーズの田崎竜太。もうこの時点でダメそうな予感。
キネ旬7月上旬号には「交渉人 真下正義」の映画評(野村正昭)があって、僕の意見とほぼ同じだったので安心。「電車男」は星4つが1人だけ、2つが2人、1つが1人。意外に評価低いですね。意外と言えば、「ホステージ」は全員星3つ。気になっていた作品だったので、見に行っておくか。
2005年06月21日 [Tue]
■ ゼンリンデジタル全国地図バージョンアップ
its-mo Navi PCの最新版(Ver.4.3.3)が17日に出ていたのでhttp://www.its-mo.netからダウンロード。インストールしてもバージョン情報を見ると、アップされていない。これ、以前もハマった気がするが、一度アンインストールしないとダメのようだ。
ダウンロードページを読んでいたら、このソフト、「家と会社両方のパソコンで使いたい、といった場合や、OSの再インストールしたときなどにご利用いただけます」とのこと。家と会社で同時起動(its-mo Naviへのログイン)はできないが、そんな場合はまずないので、これは便利な仕様。ノートパソコンにも入れておくか。
■ なんでも観光ランキング ホテル沖縄編
こういうランキングは参考になる。価格.comみたいにユーザーの感想があるともっといいが、それは営業上無理かもしれない。沖縄編といいながら、沖縄しかないみたいだ。
去年泊まった残波岬ロイヤルホテルは9位。まずまずの選択だったわけか。1位は万座ビーチホテル。老舗だから、泊まった人も多いのだろう。今年泊まろうと思っているホテルも20位以内には入っていた。
■ [MOVIE] 「バットマン ビギンズ」
個人的に興味があったのはティム・バートンが第2作「バットマン リターンズ」(1992年)で提起した問題を今回はどう描いているかということだった。すなわち、バットマンはなぜあんな格好をしているのかということ。ここが合理的に説明されなければ、どんな重厚なドラマも嘘くさくなってしまう。監督・脚本のクリストファー・ノーラン(「メメント」「インソムニア」)はちゃんとそこを分かっていて、恐怖に絡めて説明している。バットマンのコスチュームは悪人たちへの恐怖のシンボルなのである。主人公のブルース・ウェインは子供の頃、井戸に落ち、コウモリの大群に襲われた。それが恐怖のトラウマとなっており、前半はその恐怖の克服の過程を詳細に描く。正義の味方のコスチュームに自分の恐怖をイメージしたものを選ぶのは、理にかなっている。
これに加えてノーランは両親を強盗に殺されたウェインの自責の念と復讐意識を描いていく。ヒマラヤでの苦悩の末に「正義は調和をもたらす。復讐は自己満足だけ」という結論に達したウェインが理想主義者だった父の死後、賄賂が横行して役人も警察も腐りきったゴッサム・シティの立て直しに動くことにも説得力があるのである。
前半の重厚なドラマがアクション中心の後半に生きてくる。あるいは後半のバットマンの活躍を生かすためにウェインのキャラクターを描き込んだのが今回の「バットマン ビギンズ」と言える。これは十分成功していると思うものの、やはり1時間ほどある前半は少し長すぎるのではないかと感じる。後半に至って、バットマンの秘密兵器やコスチュームがウェインの会社の閑職(応用科学部)にいるフォックス(モーガン・フリーマン)によって既に開発されていたというのも、ややご都合主義的な感じがする。前半のドラマからお約束のバットマン・ワールドへ至る描写にもう一工夫欲しかったところだ。ノーランの演出は真っ当でドラマの組み立ても悪くないけれど、タイトな傑作になり損ねた正直な力作というのが率直な感想である。
ドラマの作りは凝っている。世界放浪の旅に出たウェインがブータンの刑務所にいるところにヘンリー・デュカード(リーアム・ニーソン)が訪れ、ウェインはヒマラヤで修行を積むことになる。デュカードのボスで渡辺謙演じるラーズ・アル・グールが率いる集団は過去に腐った都市を壊滅させてきた組織である。ウェインはここで鍛えられて強くなるが、悪人の処刑を命じられて拒否し、組織のアジトを破壊する。ゴッサム・シティに7年ぶりに帰ってみると、そこは父親(ライナス・ローチ)がいたころとは異なり、マフィアのファルコーネ(トム・ウィルキンソン)が牛耳って、貧困がはびこる街になっていた。ウェインの幼なじみで正義感に燃える検事レイチェル・ドーズ(ケイティ・ホームズ)はファルコーネを逮捕したいと思っているが、上層部も警察もファルコーネの言いなりで手も足も出ない。ウェインは腐った街の浄化のためにバットマンとなる準備を進める。
これが大まかな設定だが、敵役が単なるマフィアでは小さいなと思っていたら、精神科医のジョナサン・クレイン(キリアン・マーフィー)が登場し、さらに大がかりな悪の組織があることが分かる。このクレインの印象が強い。映画はラストでバートンの第1作へのつながりを示すエピソードを入れているが、この映画の続編を作るなら、キリアン・マーフィーを敵役(スケアクロウ)として登場させた方が面白いのではないかと思う。
主人公ブルース・ウェインを演じるのは「アメリカン・サイコ」「リベリオン」などのクリスチャン・ベール。渡辺謙、リーアム・ニーソンに加えて、執事のアルフレッドにマイケル・ケイン、ゴッサム・シティで唯一のまともな警官ジム・ゴードンにゲイリー・オールドマン、ウェインの会社の副社長にルトガー・ハウアーと渋いキャストがそろった。ベールの暗い顔つきはトラウマを持つウェイン役に違和感がないが、主役を張るのに十分な派手さもない。こうした脇の役者たちがそれを補っている。
2005年06月22日 [Wed]
■ 「キング・コング」500円
書店に行ったら、DVDがあったので買う。「ヒズ・ガール・フライデー」(1940年、ハワード・ホークス監督)も一緒に買った。というか、最初に「ヒズ・ガール・フライデー」の方に心惹かれたのだ。これはケイリー・グラント主演で、スクリューボール・コメディの古典としてよく引き合いに出される作品。いずれも画質は良くなさそうだが、500円なら腹も立たない。
コスミック出版という会社のDVDで、ここのラインナップを見ると、50年以上前のものばかりなので、著作権フリーの作品を扱っているのだろうか。それにしても「第三の男」まであったのには感心。もちろん、英語(字幕)版のみで日本語版は入っていない。
ついでに、右のジャケットのタイトルは間違っていて、1933年版は「キング・コング」と中点(・)が入るのが正しい。これがないと、1976年のジョン・ギラーミン監督版になる。ギラーミン版はいまやジェシカ・ラングのデビュー作ということでのみ記憶される作品だろう。というか、ジェシカ・ラングも最近、映画で見かけないので、そういう価値もないかもしれない。
ツッコミがあったので、以下に引用。
コスミック出版で扱っている500円dvdの『素晴らしき哉、人生!』ですがどうも問題があるようです。上映時間130分のところ120分しかないそうです。いくら安いとはいえ、こんな事は許されないし、このホームページ見た人が、間違って買ってしますと大変(コスミックさんがその旨を表示していればいいですが)なのでお知らせしときます。ソースは以下です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00070HLGO/ref%3Dlm%5Flb%5F4/249-6065623-1497130
あだちさん、ありがとうございました。
2005年06月23日 [Thu]
■ Visual Basic 2005 Express Edition Beta2日本語版
窓の杜にPRがあったので、インストールしてみた。ベータ版なので不具合があるだろうなあと覚悟していたが、DiskX Toolsの動作がおかしくなった。ファイルクリーナーのオートクリーンを選んでクリーンしようとすると、途中で処理が止まる。むむむ。インストールの途中で「インストールの記録停止」をしたのがまずかったのかもしれない。
Express Editionは価格を安くして1万円前後で買えるそうだ。初心者がマクロ感覚で使うなら、これでもいいような気がする。年内には出るのかな。
■ 日本2−2ブラジル
6時前に起きたら既に終わってた(番組が終わるところだった)。起きるのが40分ほど遅かった。結果が知りたくて各局のニュースを見たが、TBSとフジテレビ以外は試合のVTRを流さないのでイライラ。放映権の契約でそういう条件になっているのか。あるいはニュースで映像を流すにも金を取るとか。
2005年06月24日 [Fri]
■ タイトル変更
スポニチの「スター・ウォーズ」特集(6月17日付)を読んだら、1983年公開の第3作(エピソード6)が「ジェダイの帰還」とあったので違和感があった。劇場公開時には「ジェダイの復讐」だったのに変わったのか? Wikipediaには、去年9月の「スター・ウォーズ トリロジー DVD-BOX」発売時にタイトルが変更されたとあった。なるほど。
もともと「ジェダイ…」のワーキング・タイトルはRevenge of The Jediだったが、Revengeは語感が強すぎる(イメージもよくない)とされてReturnになった経緯がある。しかし邦題は当初の「復讐」をそのまま使用して公開された。これがそもそも間違いだったわけだが、「シスの復讐」との“ニュアンスの区別をするために”今さら変更するというのも釈然としないものを感じる。
邦題がビデオ・DVD発売時に劇場公開時から変更されることは少なくないが、「スター・ウォーズ」のように大きな作品の場合は影響も大きい。配給会社はそのあたりをよく考えて邦題を付けて欲しいものだ。
■ 「逆境ナイン」予告編
「少林サッカー」風の予告編。これだけで十分笑える。主題歌が岡村孝子「夢をあきらめないで」というのがいいですね。全力学園が9回裏112-0からどうやって逆転するのか、楽しみ。監督は「海猿」の羽住英一郎。
2005年06月25日 [Sat]
■ 「海猿」(DVD)
というわけで、「逆境ナイン」の前に「海猿」を見ておく。きょうのプレミアムステージでも放映するが、CM入るのは嫌なので。
オープニングに大規模な救援活動シーンがあって、なんだなんだと思ったら、最後にこれが「海猿 THE NEXT STAGE」(2006年春公開)のものと分かる。これはDVDのみの仕様か? で、7月5日から始まるフジテレビの「海猿」も伊藤英明、加藤あいが主演。つまりテレビと映画を連動させているわけで、「踊る大捜査線」と同じくメディアミックスになるようだ。しかし、テレビドラマまで付き合ってられないな(けど、見てないと、来年公開の映画に話がつながらないかもしれない)。
映画の方はスタンダードな出来と思う。海上保安庁の潜水士を目指す14人の訓練生の物語。優秀な訓練生・仙崎に伊藤英明、厳しい教官に藤竜也が扮する。水深40メートル、残圧30、1人分の酸素しかない状況でどうする―という命題をこの教官は最初に口にする。予想通り、クライマックスにはその通りのシチュエーションが登場する。「仙崎はバディを見捨てない。お前たちが救援に来ると信じて待っている」と、上官の命令を無視して訓練生たちに言う教官の言葉がなかなか感動的である。
しかし、いろいろと引っかかるところはあって、主人公のバディで劣等生の伊藤淳史を途中で死なせたりとか、クライマックスにかかわってくる藤竜也の過去のエピソードとか、加藤あいはなぜあんなに酔っぱらっていたのか分からないとか、もう少しうまく描けないものかと思う。別にこれがテレビドラマになると分かっているから書くわけではないが、全体的にテレビと同程度の描写が目についた。訓練生たちの描き方も「ウォーターボーイズ」のノリである。パッケージングは誰もが指摘するように「愛と青春の旅立ち」。
加藤あいは良かった。その友人の看護婦役・香里奈は去年、これと「深呼吸の必要」「天国の本屋 恋火」の3本の映画に出たが、今年は全然見かけないな。
■ [MOVIE] 「スター・ウォーズ エピソードIII シスの復讐」
前半の密度の濃いVFXが展開される戦いの描写はその細かさに感心はしても、もはやVFXでは驚かないので大して心は動かされないが、後半の描写にはまいった。アナキンがついにフォースの暗黒面(ダークサイド)に落ちていくドラマティックな展開もいいが、終盤、ダース・ベイダーの誕生とルーク、レイアの誕生がカットバックで映し出される場面から、ラストのタトゥイーンの場面に至る描写に感極まった。「エピソードIV 新たなる希望」に見事につながっていく展開である。ラスト、オビ=ワン・ケノービが砂漠の惑星タトゥイーンへ生まれたばかりのルークを連れて行き、ルークの叔父叔母に預けるシーンに映し出されるのは2つの太陽が沈む夕暮れの光景。この詩情あふれるタトゥイーンからすべては始まったのだ。「スター・ウォーズ」は28年かかって見事に円環を閉じた。こちらがこの終盤に心を揺さぶられるのも28年間の重みがあるからにほかならない。
アナキンはなぜフォースの暗黒面に落ちたのか、帝国はどのように生まれたのか。この映画のドラマはそこの部分にしかない。それで十分である。6作かかって描くドラマの配分としてこれで不足はない。いつものように冒頭の字幕の後、アナキン(ヘイデン・クリステンセン)とオビ=ワン・ケノービ(ユアン・マクレガー)は分離主義者のグリーバス将軍に拉致された最高議長パルパティーン(イアン・マクダーミド)の救出に向かう。既にR2-D2がアナキンの戦闘機に乗っている。2人はドロイドの攻撃をかわして議長の奪回に成功。ジェダイ騎士として一人前になったアナキンは前作「クローンの攻撃」で敗れたシスのドゥークー伯爵(クリストファー・リー)を仕留める。一方、ジェダイ評議会は強大な権力を手中にしつつある議長の動向に目を光らせていた。議長の推薦で評議会の一員になったアナキンは議長と親しいがためにマスターの称号は与えられない。アナキンと秘かに結婚していたパドメ(ナタリー・ポートマン)は子供を身ごもるが、アナキンは出産の際にパドメが死ぬ夢を見る。議長はフォースの暗黒面の力を手に入れれば、人の死も克服できるとアナキンにささやく。アナキンは次第に評議会への不満を募らせ、パドメの命を救うために暗黒面への誘惑に抗しきれなくなってくる。
メイス・ウィンドウ(サミュエル・L・ジャクソン)をはじめとしたジェダイのメンバーがトルーパーたちに裏切られて次々に倒されていく後半の展開とアナキンの変貌には胸を打たれる。それは6作に及ぶドラマの大きなうねりがあるからだ。これを1本の独立した映画として見れば、よくできた作品というレベルにとどまるだろう。ドラマは起伏に富んでいるとは言えないし、俳優の演技よりもVFXの方が目立っている。しかし、シリーズの1本として見ると評価は異なってくるのである。ジェダイがメタメタにやられる話であるにもかかわらず、それほど暗い気分にならないのはルークとレイアという「新たなる希望」が残され、この後にどうなるかを観客は分かっているからだ。
1977年(日本では78年)の「スター・ウォーズ」ショックを体験した世代とそれを知らない世代とではこの映画の評価は異なるかもしれない。だが、他人の評価なんて知ったことではない。スター・ウォーズ体験は自分の映画体験、個人的体験と密接に関わっているのだ。アメリカでの第1作公開直後に発売されたサントラ盤(2枚組LP)を買って、日本公開まで待ち続けた1年間のなんと長かったことか。28年前のそんな出来事が鮮明に思い出されてくる(今回、28年ぶりに「スター・ウォーズ」のサントラを買った)。これはスパンの長い映画にしか成し得ないことである。
ルーカスは「帝国の逆襲」の公開時に全9部作のシリーズという構想を立てた。最初の3部作はルークの親の世代、最後の3部作はルークの子供たちの世代を描くはずだった。それが1999年のシリーズ再開を前に6部作に修正されたのは、シリーズで最も力強いキャラクターであるダース・ベイダーの悲劇としてこのシリーズを組み立てようと考え直したからだろう。「ジェダイの復讐(帰還)」公開後しばらくは「ルーカスはスター・ウォーズを作る意欲を失っている」ともささやかれたが、それを覆したのもこの構想を思いついたからだと思う。スター・ウォーズは結局、ダース・ベイダーの話なのであり、その誕生を描いた「シスの復讐」はシリーズの中核に位置する重要な作品なのだと思う。
2005年06月26日 [Sun]
■ ビデオ処分
映画のパンフやキネマ旬報を置く場所がなくなったので、たまったビデオを捨てることにする。とりあえず100本程度。何年も前に録画したものがほとんどだが、中には買ったものもある。哀しいことに多くはカビが生えている。早い時期にDVD化しておけば良かったんですけどね。ついでにもう読むこともない資料とかも捨てた。はっきり言って、キネマ旬報も決算号のみ残して捨てればいいのだし、実際、過去のキネ旬の多くはそうして捨てているのだが、なかなか踏み切れない。
2005年06月27日 [Mon]
■ 「Land Of The Dead」予告編
ジョージ・A・ロメロの新作でゾンビシリーズの最新作。アメリカでは24日に公開され、ボックスオフィスで5位に入っている。個人的には「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」は傑作と思う。2作目の「ゾンビ」(Dawn of The Dead)はちゃんと見ていない。3作目の「死霊のえじき」(Day of The Dead)はビデオで見たが、感心しなかった。今回はどうだろう。
■ BSアニメ夜話「未来少年コナン」
たまたまチャンネルを回したら、作画監督の大塚康生が出ていたので見る。大塚・宮崎コンビはこの後、「ルパン三世 カリオストロの城」が最後だったと思う。大塚のマニアックで細密な絵にも感心するが、宮崎駿が絵コンテを1分ぐらいで描いてしまうという話にも驚く。コナンのエンディングのアニメも宮崎駿の鉛筆画だったとのこと。
2005年06月28日 [Tue]
■ 宮崎映画祭
7月2日から。タイムテーブルを見ると、今年も1本か2本しか見られない予感。頑張って3本か。いろいろと話題作・問題作があるが、個人的には「ベルヴィル・ランデブー」みたいな作品を一番見たいと思う。
■ [MOVIE] 「サイドウェイ」
「ワインは日ごとに熟成して、複雑になっていく。ピークを迎える日まで。ピークを境にワインはゆっくり坂を下りはじめる。そんな味わいも捨てがたいわ」。
パンフレットの真ん中の見開きページに引用してあるこのセリフが印象深い。言っているのはレストランのウエートレスでワインに詳しいマヤ(ヴァージニア・マドセン)。主人公のマイルス(ポール・ジアマッティ)はワインの趣味が合うマヤに好意を寄せるが、美人のマヤが自分を好きになるわけはないと半分あきらめている。親友で俳優のジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)とともにカリフォルニアのワイナリーを巡る旅に出たマイルスは、ワイナリーで働くステファニー(サンドラ・オー)の家でマヤといい雰囲気になる。
台所から居間のソファを経てポーチに出るまで2人はワインのことしか話さない。しかし、マヤの濡れたまなざしは別のことを物語っている。マヤのマイルスへのまなざしには最初から好意が感じられるのだ。ワインの話とまなざしの意味が一致するのが冒頭のセリフなのだが、マイルスは居心地が悪くなってしまい、マヤが重ねてきた手を振り払って席を立つ。2年前に離婚した妻にまだ未練があるし、女性に対して臆病になっているのだ。意を決して戻ったマイルスは台所にいるマヤを抱きしめてキスをする。
芝山幹郎はこの一連のシーンを「『伝説』にさえなるかもしれない」ラブシーンと評している。それほど印象的なシーンであり、もうここだけでこの映画はいいと思えてしまう。ロマンティックであり、リアルであり、切実だ。「アバウト・シュミット」で定年退職した男を描いたアレクサンダー・ペイン監督が今度は40代の男2人を描く。その演出はこのシーンが象徴するように奥行きが深い。どのエピソードもユーモアの中に真実がこもっており、キャラクターに人生経験を感じさせる陰影がある。劇中に出てくる極上のワインと同様にコクのある映画だ。
主人公のマイルスは国語教師で小説家を志望している。売れない役者のジャックが1週間後に不動産会社の娘と結婚することになったことから、2人は独身最後の旅に出る。マイルスにとっては好きなワインを楽しむ旅だったが、ジャックは女のことしか頭にない。ステファニーに声をかけたのもお楽しみが目的だった。マイルスは以前からマヤのレストランに立ち寄っており、顔なじみだったが、ステファニーとマヤも知り合いであることが分かる。ジャックはステファニーと、マイルスはマヤと行動をともにする。近く結婚することをジャックはステファニーに隠していたが、マイルスはうっかり口を滑らせてしまう。
映画はこうした物語をユーモラスに描く。同時に結婚に失敗し、仕事でも「自分は何も達成していない」と落ち込むマイルスや3年間の形骸化した結婚生活に終止符を打ったマヤ、気ままな生活に愛着を持ち結婚への迷いを口にするジャックの姿を描いていく。「アバウト・シュミット」を僕はあまり感心しなかったけれど、今回のペインの演出は充実している。さまざまな小さなドラマで人生の真実を描き出し、面白く見せるペインの技術は洗練されていると思う。登場するワインへの蘊蓄は人生の比喩でもある。
主演のポール・ジアマッティは「アメリカン・スプレンダー」に続いて、ダメ男を好演している。ヴァージニア・マドセンは若いころ、もの凄い美女だったが、今は普通の美女である。ただ、若いころよりも情感はあふれており、アカデミー助演女優賞ノミネートも当然という感じの味わい深い演技を見せている。
2005年06月29日 [Wed]
■ 『ホテル・ルワンダ』日本公開を求める会
間もなく署名運動を始めるそうだ。「ホテル・ルワンダ」は80万人のツチ族虐殺があったルワンダでの実話を基にした映画で、主演のドン・チードルがアカデミー主演男優賞にノミネートされたほか助演女優賞(ソフィー・オコネドー)、オリジナル脚本賞(キア・ピアソン、テリー・ジョージ)の計3部門にノミネートされた。日本の配給会社からは買い手がつかなかったとのこと。IMDBの得点は8.5でトップ250の65位に入っている。
監督のテリー・ジョージは北アイルランド出身で、「父の祈りを」「ボクサー」「コラテラル・ダメージ」「ジャスティス」の脚本家。監督デビュー作の「Some Mother's Son」(1996年)も評価が高かったようだが、日本未公開。
2005年06月30日 [Thu]
■ 「NANA」予告編
歌手の中島美嘉をフィーチャーしたキワモノ企画かと思ったら、宮崎あおい共演(というか、こっちが主演か)で監督は大谷健太郎(「とらばいゆ」「約三十の嘘」)。原作は矢沢あいのコミック。けっこう期待できそうな内容か。9月公開とのこと。
■ [MOVIE] 「宇宙戦争」
情け容赦なく絶望的。1時間57分の映画で、最後の10分ほどを除けば、映画は絶望的な状況が支配する。圧倒的な科学力を持った宇宙人に対して地球人は手も足も出ず、虫けらのように駆除されていくだけ。これは怖い。1953年のジョージ・パル製作「宇宙戦争」(バイロン・ハスキン監督)の火星人より怖いのは宇宙人たちの乗るトライポッドが地球人の血を吸う描写があるからだ。スティーブン・スピルバーグは圧倒的な描写で、H・G・ウェルズの古典SFを描ききった。これは描写の凄さだけで成立した映画であり、スペクタクルな都市の破壊とゆっくりと動く巨大なトライポッドによる蹂躙は一見に値するだろう。その意味で「ジュラシック・パーク」と同じ意味合いを持つ映画だと思う。問題はあまりにも原作に忠実な映画化であること。いくらなんでも有名すぎるラストは少し変えるだろうと思っていたら、原作と同じだった。もちろん、原作はこのラストがあるから傑作なのだが、19世紀文学の思想をそのまま映画化するのは工夫がないとも言える。少しは違うラストを考える気はなかったのか。
それよりも気になるのはスピルバーグがなぜこの映画を撮ろうと思ったかということ。「未知との遭遇」や「E.T.」で友好的な宇宙人を描いたスピルバーグがなぜ凶悪なだけの宇宙人を描いたのか。スピルバーグはパンフレットのインタビューでこう語っている。
「21世紀に入った今、僕らは世の中で起こっている多くのことに、それ以前よりも強い恐怖を抱いている。もちろん、宇宙からの侵略なんてことはないにしても、他国からの侵略はあるかもしれない。観客はそういう現実の恐怖を映画と重ね合わせられるので、より深いレベルで映画に共感できると思う」
ジョージ・パル版「宇宙戦争」やドン・シーゲル「ボディ・スナッチャー 恐怖の街」など50年代SF映画の背景に共産主義の台頭とその恐怖があったのは周知の事実だが、アメリカにとって今の状況は50年代以上に危機的なものなのだろう。ご丁寧なことにモーガン・フリーマンのナレーションやジョン・ウィリアムズの音楽はいずれも50年代風である。映画に流れるのは理解不能の敵に対する恐怖であり、ここでは相互理解の精神なんて微塵もない。アメリカにとって宇宙人とテロは同じことなのだろう。「ボウリング・フォー・コロンバイン」でマイケル・ムーアが分析したアメリカ人の恐怖がそのままこの映画には流れている。なんと分かりやすい思考回路かと思う。要するにスピルバーグは単純なのである。
スピルバーグが持つ一流の見せる技術がこんな風にしか使われないのは本当に惜しい。VFXの技術や演出がいかに革新的であっても、単純で古くさい思想に基づく映画は傑作にはならない。スピルバーグがこの映画で描いたのは、ムーアの主張を借りれば、外部に対して恐怖を抱くよう仕向けるアメリカ政府の手先みたいなことである。恐らく、スピルバーグ、そのことを自覚してはいないだろう。
あとは気づいたことをいくつか。トライポッドが出す「ボワーッ」という音は「未知との遭遇」のクライマックスに出てきた5音階に似ている。トム・クルーズとダコタ・ファニングがトライポッドに捕らえられ檻に入れられるシーンは「A.I.」のロボット狩りのシーンを思い起こさせた。何万年も前から地球侵略を狙って地下にトライポッドを埋めるぐらいなら、地球環境が自分たちに有害かどうかぐらい分かっていたはず。これではいかに科学力が発達していようと、宇宙人は間抜けに見えてしまう。ジョージ・パル版と違って、宇宙人に対して核兵器を使ってみなかったのはいくらなんでもそれでは無神経と思われるからだろう。小学生のころ、原作を読んで火星人を退治したのは地球の細菌だったというラストにセンス・オブ・ワンダーを感じたものだが、この映画ではカミカゼが吹いて宇宙人をやっつけたぐらいの描写にしか見えない。思想的にはそういうレベルの映画なのである。