映画とネットのDIARY(tDiary版)

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映画の感想一覧 2004年7月以降 2005年  2006年  2007年  2008年  2009年

2005年07月01日 [Fri]

「宇宙戦争」DVD来月発売

もちろんジョージ・パル版の方で、8月19日発売。いーでじ!!シネマでは1200円ほど。それなら買おうかという気になりますね。元は1575円。送料がかかるので、近くのショップで買った方がいいか。

「ピッチブラック」(GyaO)

パソコンテレビGyaOがリニューアルしたというので行ってみたら、映画コーナーに「ピッチブラック」(デヴィッド・トゥーヒー監督)があった。これ、テレビで断片的にしか見ていない。見始めたら面白くて最後まで見た。定期航路から外れた宇宙船が未知の惑星に不時着して、乗客がモンスターに襲われるというだけの話だが、タイトに引き締まった傑作。22日周期で夜が来るとか、夜になると凶暴なモンスターがぞろぞろ出てくるとか、SF的な設定に穴がない。なぜ、この続編「リディック」がああいう悲惨な出来になるのか理解しがたい。


2005年07月02日 [Sat]

日本3−0韓国

原田眞人監督の日記を読んで、第1セットの終わりから見る。ワールド・グランプリは全然見ていなかったが、女子バレー随分強くなったんだな。気持ちの良い勝ち方だったので、明日のアメリカ戦も楽しみになった。


2005年07月03日 [Sun]

「カーテンコール」

佐々部清監督の新作で、10月公開。またもや下関が舞台で涙と感動を強調されると、見る気がしなくなる。「四日間の奇蹟」は描写が安っぽくて僕にはまるでダメだった(感想を書く気にもならないレベル)。今回は売れない芸人の父親と娘の話みたいだから、佐々部清に合っている題材のような気はする。

無料サイト内検索【検索星】

タグを貼るだけで、クローラーが来てインデクシングしてくれるサービス。けっこう使われているようだ。なぜ無料なのだろう。個人情報登録も広告もないのが不思議。6人ぐらいでメンテしているようだから、何らかのメリットがないと、こういうサービスはしないでしょう。考えられるのは検索キーワードの収集ぐらいか。

[MOVIE] 「ベルリン・フィルと子どもたち」

「ベルリン・フィルと子どもたち」パンフレット「芸術は今後生存をかけた闘いを強いられる。だが芸術はぜいたく品ではなく必需品だ。空気や水と同じように生きるために必要だ」

「友達とは君が新しいことに挑んでいる時、応援してくれる者のことだ。これは人生でも大事なことだよ。友達は君が高みへ上るのを助けてくれる者だ」

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の「春の祭典」(ストラヴィンスキー)と250人の子どもたちのダンスの共演を描いたこの映画の中で、心に残るのは指揮者であるサー・サイモン・ラトルと振付師のロイストン・マルドゥームの数々の言葉だ。パンフレットの最後のページに2人の言葉が多数引用してあるのももっともであり、本筋である共演よりもこの2人を描いた部分の方が素晴らしい。2人とも、さすがプロだと思わされるほどの名言を吐いている。原題の“Rhythm is It !”も「人類がまだ文明を持つ以前の脳、それはおそらく爬虫類の時代からの脳で、そこにリズムが宿っている」というラトルの言葉から取られたものである。

映画は2003年1月に行われた公演に至るまでのドキュメンタリー。集められた子供たちは各国の難民をはじめとした貧しい階層にあり、いずれもダンスは素人である。数人の子どもにスポットを当てながら公演までの6週間の練習を描いている。劇映画的なタッチを取り入れてはいても、ドキュメンタリーとしてはまず常識的な手法ではある。それにもかかわらず、音楽とダンスの素晴らしさが浮かび上がってくるのはこの2人の存在が大きいからだ。

ラトルは言う。「クラシックは皆の音楽だ。気後れする必要はないし、遠くにあるものでもない。リッチな老夫婦のためだけの音楽ではない」。子どもたちの一人は「春の祭典は難しい」と言うけれど、映画を見ていると、クラシックを無性に聞きたくなってくる。それはマルドゥームのダンスの指導にも同じことが言える。「ここにいる中で誰一人ダメな者はいない。全員が輝ける可能性を秘めている…。君たちにはパワーがあるんだ」。こんな指導を受けられた子供たちは幸せだと思う。

この2人が大きいために、本来ならメインになるはずの公演のシーンがそれほどの出来ではない。それは残念な点だが、一流の芸術家である2人を描いただけでも映画には価値があると思う。ラトルの「芸術は必需品だ」という言葉は、小説や映画などの物語をなぜ人は求めるのかということと重なって興味深かった。


2005年07月04日 [Mon]

Nvu 1.0

会社のパソコンにインストール。日本語化もNvu用試製JLPでOK。こういうWYSIWYGなHTMLエディタはテーブルタグを使用する時にしか使わない。テーブルタグでのレイアウトがもはや流行らないので、ほとんど不要になってきた。しかし、初心者にはこういうソフトは必須と思う。僕の場合は今はなき(?)HOTALLで作ってました(3カ月ほどで使わなくなったけど)。


2005年07月05日 [Tue]

Vocal Cansel問題

不正使用を防ぐためにスパイウェアを入れていたそうだ。不正なシリアルを入れると、個人情報が作者に送信される(Vocal Cancelがウイルスな件について。参照)。これを利用して恐喝まがいのことまでやっているので、犯罪の恐れが強いにしても、これだけなら、作者が非を認めて謝ってしまえば、何とかなったのかもしれない。しかし、作者が関わっていたSoftEther社長の対応がまずかった。人格を疑われるような発言が2ちゃんねるやブログにあり、それを取り上げられて、一緒に再起不能になりそうな気配。

大学生で社長ということ自体が反感買われるのに十分なのだから、実際は違うにしても表面ではもっと謙虚な姿勢を見せておくべきだった。その意味では青いし、ニセモノ感が強いな。

犬が来た

昨日、面倒だから飼わないという結論が出ていたのに、帰宅したら、なぜかいた。柴犬の子ども。やはり、もらわれてきた最初の夜はキャンキャン鳴くなあ。名前はまだない。雨の日に来たからレイニー。曇りだったか。それならクラウディ。いずれも子どもに却下された。

「海猿」第1回

映画と同じく羽住英一郎演出。仙崎(伊藤英明)のキャラクターが映画よりも軽くなった感じ。仙崎は7管から3管に異動になり、加藤あいと1年ぶりに再会する。キャストは同じなので、そのまま映画の続編になっているが、やはりテレビはテレビのレベルだな。今回はタンカーが沈没した。来週は不審船が登場するらしい。そういう風に毎回、事件が起きるのだろうか。


2005年07月06日 [Wed]

柴犬の飼い方

うちに来た柴犬の子ども首輪と引き綱、ドッグフード、おもちゃを買いに行く。犬はつないで飼いましょう、と言うけど、散歩用の綱しか売ってませんね。サークルに入れて飼うのがいいのか。

このページ(柴犬研究会のページにある)や他の犬の飼い方のページを読むと、しつけはいろいろ難しいですね。食事は与える前には必ずマテをするとか、むやみになでないとか、なるほどと思う。

うちに来た柴犬は生後3カ月余りらしい。中庭で遊ばせていたら、溝に落ちてどろんこになった(ドジな子犬だ)。犬用シャンプーも買わねば。

[MOVIE] 「ベルヴィル・ランデブー」

「ベルヴィル・ランデブー」パンフレット昨年のアカデミー賞歌曲賞と長編アニメーション賞にノミネートされたフランス、カナダ、ベルギー合作映画。歌曲賞のパフォーマンスで歌があまりにも良かったので、「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」もこの部門だけは取れないかと思ったら、取ってしまった。まあ、それが勢いというものなのだろう。普通に考えれば、歌に関しては「ベルヴィル・ランデブー」の方がいいはず。見ていたアカデミー会員が少なかったのかもしれない。歌のイメージが強かったので、映画も歌の場面が多いのかと思ったら、全然違う内容だった。少しがっかりしたが、よくできたアニメーションとは思う。

そのベルヴィルの三姉妹(トリプレット=三つ子)の歌で幕を開ける。戦後間もないフランス。孫のシャンピオンと、犬のブルーノとともに暮らすおばあちゃんが孫に三輪車を買い与える。三輪車に夢中になったシャンピオンは大人になって、おばあちゃんと自転車のトレーニングに励み、ツール・ド・フランスに出場するが、レースの途中で何者かに誘拐される。おばあちゃんはその後を追って、足こぎボートで大西洋を横断。明らかにニューヨークがモデル(港に太った自由の女神像がある)のベルヴィルという都市にたどり着く。シャンピオンを誘拐したのはマフィアで、シャンピオンは賭博レースに参加させられることになった。そのころ、おばあちゃんはベルヴィルの奇妙な三姉妹と出会い、一緒にシャンピオンの救出に向かう。

物語はシンプルだが、味わいは変わっており、デフォルメされたキャラクターとデザインがおとぎ話のような雰囲気を与えている。列車に向かって吠えるブルーノとか、カエルを食べる三姉妹とか、独特のタッチがあると思う。ユーモアとブラックさが混在したタッチだ。セリフは極端に少なく、動きで見せるアニメーションであるところもいい。日本のアニメとは発想が根本的に違うのだろう。

監督は短編アニメを撮った後、初の長編アニメとなったシルヴァン・ショメ。演出のほか、脚本、絵コンテ、グラフィック・デザインを担当している。


2005年07月07日 [Thu]

犬の名前

ほぼ寅次郎に決まりつつある。この字をあてるかどうかは分からないが、愛称はトラ。家内の発案。トラという愛称は猫みたいで嫌なのだが、ほかに良い案がない。ほかに挙がった候補は太郎(ありふれている)、小次郎(知り合いが飼っている武蔵に負けそうだ)、コロ(小さい頃はいいけど、大きくなった時がなあ)、マックス(アメリカで一番多い犬の名前らしいが、日本犬にこの名前はないだろう。同じ理由でジョンとかもダメ)、ゴン太(次女の愛称がゴンなので紛らわしい)、ポン太(タヌキみたいだ)。犬の名前 わんこの名前 ランキング も参考にしたけど、なかなかしっくりきませんね。

個人的にはゴン太が一番いいと思うんですけどね。寅次郎という名前だと、家にいつかずフラフラするかもしれない。それが心配だ。


2005年07月08日 [Fri]

「キング・コング」予告編

ピーター・ジャクソンによる3度目の映画化。アメリカでは12月14日に公開される。と思ったら、世界同時公開とのこと。「宇宙戦争」と同じく水曜日封切りになるようだ。

劇場で既に予告編が流れているが、劇場版ではピーター・ジャクソン自身(とは思えないほど痩せている。本当に本物か?)が前ふりをする。主演女優(つまり、フェイ・レイの役)はナオミ・ワッツだったのか。年齢的には少し苦しいが、きれいだからいいか。ほかに「スクール・オブ・ロック」のジャック・ブラック、「戦場のピアニスト」のエイドリアン・ブロディが出ている。キング・コングの動きは「マイティ・ジョー」を思わせるな。


2005年07月09日 [Sat]

サークル

犬用のサークルを買いに行く。庭につないでいると、ほかの犬が来たりした場合に不安なのだ。特に夜。以前、タヌキを見かけたことがあるし、イタチもいるらしい。何が来るか分かったものじゃない。

サークルはハチコウ商事という会社の4面カラーサークルドア付スチール製。高さ59センチ、縦59センチ、横88.3センチの大きさ。まだ小さいのでこれぐらいでいいだろう。面と面を組み合わせる構造なので、もう一組買えば、倍の広さにできるのではないかと思う。

ドアの部分を犬小屋の入り口に向けてひもで固定した。ところが、小屋の屋根がじゃまをして、サークルとの間にすきまができる。案の定、ここから出てしまう。しょうがないので、隙間をかごなどで埋める。これでOKでしょう。

と、思ったら、隙間をこじ開けて脱出したそうだ。うーん、もう一つ買ってきて、犬小屋を囲むしかないか。


2005年07月10日 [Sun]

Movie-List

予告編サイト。数はそれほど多くないが、古い作品もある。「サイコ」の有名な予告編もあった。これはヒッチコック自身が「サイコ」のモーテルと屋敷のセットを案内するというもので、最後にバスルームのカーテンを開けると、例のジャネット・リーが叫ぶシーンが現れる。最初はのどかだった音楽も段々サスペンスフルなものになり、最後に「サイコ」のショッキングな音楽に変わるという趣向がいかにもという感じである。6分30秒ほどの長さ。

2つめのサークル

帰宅したら、家内が買っていた。さっそくつないでみる。予想通り、連結はできて広くなった。単純に考えると、2倍の広さなのだが、実際には一辺が重なるので、2倍以上の広さになる(実際には4倍になる。一辺の長さが2倍になるのだから、考えてみれば、当たり前の話。参照。サークル1組の場合が(A)、2組のサークルをいったん(B)の形にして、その後(C)に変えた。これで4倍。ところが、4倍以上にすることもできるのだった。長いサークルと短いサークルを組み合わせて一辺にすると、正方形で21697.29平方センチメートルと、より広くなる。それが(D)。外周の長さが同じ場合は正方形の面積が一番大きくなるのは常識的なことなんだそうである。家内が数学的に証明してくれた。面積って不思議)。犬小屋も中に入れることができた。

ただし、やはり強度は弱くなる。元々、長方形でバランスが取れていたものを広くしたわけだから仕方ない。つなぎ目を棒で補強した。心許ないが、体が小さいうちはこれでいいだろう(現在、体重1.2キロ)。

昨夜は午前3時ごろにキャンキャン鳴くので何かと思ったら、引き綱を付けたままサークルを抜け出していたのだった(鳴いたのに気づいたのは僕一人だった。家内や子どもはよほど熟睡していたのか)。出口が小さいので元にも帰れず、鳴いたらしい。30分ほど相手をしてやったら、落ち着いて眠った。今夜は大丈夫だろう。


2005年07月11日 [Mon]

SimpleWeb

会社に電話があった。「ウェブサイトを瞬時にシンプルなテキスト版に変換」するWebサービスとのこと。これによって音声ブラウザなどを使っている人のユーザビリティーが向上する。ソシオメディアという会社のサービス(時間は取られたが、電話をかけてきた人はしつこくなかった。これって、かえって好感を持たれるかもですね)。三菱電機が使っているそうだ。

デモを見せてもらったが、最初からスタイルシートで論理レイアウトしておけば、必要ないように思えた。論理レイアウトのページをSleipnirやFirefoxでスタイルシートをオフにした場合のような見え方なのである。ただ、企業のホームページで既に大量のページがある場合は便利かもしれない。このサービスを導入するのと、ページの書き換えとどちらがコスト削減になるかがポイントだろう。

もっとも、ユーザビリティーをまったく考えないような企業には関係ない話ではある。テーブルタグを使ってレイアウトし、中のページにもトップページと同じような左メニューを置いている場合など、音声ブラウザを使っている人には使いにくいだけである(携帯のフルブラウザでも、中のページの左メニューというのは邪魔なだけだものなあ)。これをもっと考えたいところ。

このサービスでは音声ブラウザだけでなく、文字を大きくしたり(これもフォントサイズの相対指定で可能)、背景色を変えたり(JavaScriptでできる)することもできる。


2005年07月12日 [Tue]

体重2.5キロ

犬の体重。先週、計った時は1.2キロだったのに、1週間で1.3キロも増えるものだろうか。先週のが見間違いで、2.2キロだったのかな。そうだろうなあ。

フジテレビ、テレビ番組を有料配信する「フジテレビ On Demand」

日テレも同じく有料配信を検討しているそうだ。テレビなら無料で見られるものをネットで、テレビよりも悪い画質で配信して見たいと思う人、多いのでしょうかね。いつでも見られるというのはメリットではありますけどね。


2005年07月13日 [Wed]

[MOVIE] 「フライ,ダディ,フライ」

「フライ,ダディ,フライ」パンフレットさえない男がある事件をきっかけに闘争本能に火を付けるというのは冒険小説(ロバート・B・パーカー「銃撃の森」など)でたびたび描かれてきた設定である。この映画もそれを踏襲しているけれど、うまいのはあくまでも日常の範囲内で描いていることだ。普通のサラリーマンが家族を痛めつけた相手に血で血を洗うような復讐をする話にはせず、相手とは大勢が見守る中での対決になる。そして相手を倒すことよりもそれに至る訓練の場面がメインになっているところがいい。満員電車に揺られてマンネリ気味の会社勤めをしている男が、けんかの強い高校生の指導を受けて体を鍛えるうちに変わっていく。この変化を再生というのは大げさだが、出世を棒に振って長い休みを取り、ひたすら訓練に打ち込んだことが男のその後の人生に影響を及ぼさないわけはない。そして変化は周囲にも及ぶ。壊れかけた娘との関係を取り戻し、同じバスで帰るさえない中年男たちも主人公の懸命な姿を見て応援していく。もちろん、観客も主人公に共感を持つことになる。原作・脚本の金城一紀はよくある設定を借りて、独自のアイデアを盛り込み、細部のリアリティとキャラクターを大事にした話を作った。アップを多用した成島出監督の映画的な演出と堤真一、岡田准一の好演が加わって、映画はきっちりとまとまった情感豊かな佳作になった。大きな話にしなかったことが成功につながったのだと思う。見終わった後、思い切り体を動かしたい気分にさせる映画である。

主人公の鈴木一(堤真一)はひとり娘の遙(星井七瀬)が病院に運ばれたと聞いて病院に駆けつける。遙はカラオケボックスでインターハイのボクシングチャンピオン石原(須藤元気)にボコボコに殴られたのだ。石原の父親は将来の総理になると見られている衆院議員。石原の通う高校の教頭(塩見三省)はことを穏便に済ませようと、金を渡す。少しも反省していない石原の態度に怒った鈴木は石原に詰め寄るが、そばにいた教師に倒される。娘を傷つけられた上に自尊心まで傷つけられた鈴木は翌日、包丁を持って石原の通う高校へ乗り込む。ところが、そこは石原の高校から200メートル離れた別の高校で、落ちこぼれ集団のゾンビーズの一員、朴舜臣(パク・シュンシン=岡田准一)から簡単に伸されてしまう。石原を倒し、娘の信頼を取り戻すために鈴木はけんかの強い舜臣の指導を受けて体を鍛えることになる。

映画はモノクロームの画面で鈴木のさえない日常と事件を描いた後、校舎の屋上で両手を広げて舞う舜臣の登場シーンからカラーに変わる。手法として珍しくはないが、映画の内容にはぴったり合っている。クライマックスの対決シーンは強い風が吹いて砂ぼこりが舞う西部劇のような演出。タンブルウィードまで転がってくるのがおかしいが、これはそばにいた生徒が転がしている場面が映される。成島出の演出はオーソドックスな手法から、それを逆手に取ったシーンまでさまざまに変化を付けている。一直線と変化球が微妙に混ざったうまい演出だと思う。しかし何よりもキャラクターが素晴らしい。在日朝鮮人で母子家庭の舜臣は訓練をしていくうちに鈴木と心を通わせるようになる。木の上で自分の過去を話し、ふと弱さを漏らすシーンなどにキャラクターの奥行きを感じさせる。高校生が中年男を指導するというシチュエーションは他の脚本家でも思いつくアイデアだろうが、金城一紀の脚本はこうしたキャラクター作りがとてもうまい。設定だけでなく、細部にも独自のアイデアがあるのである。細部をないがしろにしていないからこそ、話に説得力が生まれるのだろう。

岡田准一は1年かけて体を作ったそうで、その成果は両手の力だけでロープをささっと登るシーンなどに現れている。堤真一にはややオーバーアクトな部分があるが、それもユーモアに結びついているところなので気にならない。このほか、ゾンビーズの面々やさえない中年男たちの演技にユーモアとリアリティが同居しており、満足感の高い映画だと思う。


2005年07月14日 [Thu]

クローネンバーグの新作

“A History of Violence”アメリカでは9月公開だが、カンヌ映画祭で上映されたため、IMDBでは124人が投票して8.7点。グラフィックノベルが原作。食堂の主人(ヴィゴ・モーテンセン)が店に来た強盗を正当防衛で殺して一躍ヒーローになるが、さらなるバイオレンスに巻き込まれる、という話らしい。ウィリアム・ハート、エド・ハリス、マリア・ベロ共演。予告編はここ。原題は「暴力の前歴」と訳すようだ。

脚本は浦沢直樹「MONSTER」のハリウッド版脚本を担当するジョシュ・オルソン。NEW LINE CINEMAが製作するというこの映画版も気になる。


2005年07月15日 [Fri]

電車男を支える人々は、なぜ、匿名性が希薄なのか

このタイトルには「映画とテレビの」という形容詞が抜けている。映画とテレビの電車男には書き込む人々が実際に描写される。そうしなくてはドラマが成立しないからだろう。まあ、掲示板のやりとりをそのままドラマにできるわけはないのだから、題材にした上で面白い作品を作ってくれれば言うことはない。

気になったのはこの文章の作者が性善説うんぬんと言っているところ。元の書き込みの良い部分だけを収録してあるものに対して性善説はないだろう。だから「性善説で展開できる匿名社会」という言葉に説得力がない。

きのう、初めてテレビ版を見たが、これは半分、スラップスティックではないか。ギコネコが頻繁に登場するのに驚いた。そこまでやるなら2ちゃんねるの名前も出してはどうかと思う。


2005年07月16日 [Sat]

「東大将棋8」注文

律儀にMYCOMから郵送で案内が来るので、3年ぶりに注文。締め切りが21日でその1週間前にしか案内を出さないとは、毎年のことながらちょっとなあと思う。ユーザーには3割引で販売するとのことだが、5割引ぐらいになりませんかね。コンピュータ将棋の愛好者はそれほど多くはないだろうから、仕方ないのでしょうね。

東大将棋は近年、激指や銀星将棋に負けていて、世界コンピュータ将棋選手権では優勝していないが、ま、強さに関しては僕の棋力ではどうでもいい感じ。PCのスペックが上がったので、指し手はかなり早くなるだろう。8月5日発売とのこと。


2005年07月17日 [Sun]

[MOVIE] 「逆境ナイン」

「逆境ナイン」公式戦で勝ったことがない弱小野球部が廃部を免れるために甲子園出場を目指す熱血コメディ。島本和彦原作のコミックを「海猿」の羽住英一郎が監督した。落ちこぼれ集団が奮起するという「少林サッカー」パターンの映画で、逆境に次ぐ逆境をはねのけていく主人公・不屈闘志の姿がおかしい。惜しいのは「少林サッカー」ほど笑いが弾けていかないこと。笑いのパターンがやや画一化していて、一発ギャグみたいな笑いが多いのだ。「自業自得」や「それはそれ これはこれ」などの巨大石板(モノリス)が登場する不条理なシーンのおかしさは最初はいいのだが、こうしたギャグのパターンはだんだん新鮮さがなくなる。VFXの方も今ひとつな出来である。ただ、主演の玉山鉄二(「天国の本屋 恋火」」)の熱血・勘違いキャラクターには大いに好感度があり、映画を憎めないものにしている。クライマックス、9回裏112対0からの逆転劇などにもう少しアイデアを詰め込み、ドラマティックな展開を入れ、主人公以外のキャラクターも描き込んでくれれば、もっと面白くなったと思う。

全力学園の野球部キャプテン不屈闘志(玉山鉄二)は校長(藤岡弘、)から突然、廃部を言い渡される。全国レベルの力を持つサッカー部と違って野球部は連戦連敗。「全力でないものは死すべし!」という考えの校長はグラウンドをサッカー部に明け渡すよう命じる。不屈は春のセンバツ優勝校日の出商業に練習試合で勝つことを条件に廃部を免れるが、ナインには次々に逆境が訪れる。赤点を取って試合当日に追試があったり、チワワに噛まれて出場不能になったり、試合の日にバイトが入ったり。不屈自身も利き腕の右腕を骨折してしまう。幸いなことに試合当日が雨だったため、日の出商業は試合を中止して、全力学園の不戦勝となるが、校長はこれを認めない。不屈は甲子園出場を校長に約束。監督にセパタクロー以外知らない榊原剛(田中直樹)が就任し、甲子園への県予選を戦うことになる。

こういう話は大好きなのだが、羽住英一郎、まだまだ甘いなと思う。こういうリアリティゼロの話にどう説得力を持たせるかが問題なのである。決勝戦にコールドゲームはないので112対0というシチュエーションも可能性ゼロではないが、そこからの逆転劇の在り方はありえない。この映画での人を食った展開には唖然とするが、ありえないシチュエーションなので主人公の頑張りが感動に高まっていかないのがもどかしい。原作がこの通りであるかどうかはそれはそれとして、映画ならではの逆転劇を考えても良かったのではないか。

対戦校の名前が中々学園とか手抜学園とか聞くだけでおかしくなるけれど、その他の展開も含めてバカバカしさだけで1時間55分持たせるのはつらいものがある。バカバカしいギャグを入れつつ物語の骨格を一応まともなものにしていくと、こういう映画は最強になると思う。バカバカしさを愛してはいても、それだけでは映画としては物足りないものなのである。藤岡弘、の素のキャラクターのままの校長先生は悪くないが、この校長にももっとドラマの見せ所が欲しいところ。田中直樹の使い方とか、ナインの一員を演じる坂本真の使い方にしても「フライ,ダディ,フライ」と比べてみれば、おかしさがもっと弾けていいのではないかと思える。演出の善し悪しというのはそういう部分に出てくるものなのだろう。マネジャー役の堀北真希はかわいかった。


2005年07月18日 [Mon]

「砂浜の宝物を探そう」

カニの写真某学習館主催の環境教室で白浜海水浴場へ。ビーチグラスや海岸の生き物を捕まえる教室。10家族ほどが参加していた。

ビーチグラスとは何かというと、瓶やガラスの破片が砂にこすられて角が丸くなったガラスのこと。要するに人が捨てたゴミですね。川に捨てたものが海まで流れてくることが多いという。そういうものにあまり興味はないので生き物を探す。20センチぐらいのナマコとかカニとかヤドカリとかウニとか小さな魚とか。予想以上にたくさんいた。長女が捕まえたカニ=写真(携帯で撮影)=は指導員の人に聞いても名前が分からなかった。図鑑を見てみると、キンセンガニかな(ぶつ切りにして、みそ汁やスープのだしにするとおいしいそうだ)。

海水浴場にはけっこう泳ぎに来ていた人がいた。台風の影響で波が高いかと思ったら、そうでもなかった。白浜は青島に比べて人が少ないので泳ぐならこちらの方がいいようだ。といっても、うちの場合は毎年、家から車で15分ほどのサンビーチ一ツ葉の方へ行くことが多い。


2005年07月19日 [Tue]

犬とタマネギ

昨夜、庭で焼き肉をした。その名残があったのか、バーベキューセットを置いていたあたりを犬がクンクン。何か口に入れたなと思ったら、なんとタマネギだった。げげげげげ。犬にとってネギやタマネギ、ニンニクは毒になる(このあたり参照)。次女があわてて口から出させようとしたが、ダメ、ごっくん。食べちまいやがった。

幸い、量は少なかったので大丈夫のようだが、気をつけないといけない。へたをすると、死んでしまうこともあるそうなのだ。子犬のうちは何でも口に入れてしまうからなあ。人間の赤ちゃんと同じですね。


2005年07月20日 [Wed]

犬のしつけをまじめに考える!

ここは非常に詳しい。犬の甘噛みの癖を直すには「計画的無視をする」というのに納得。噛めば遊んでもらえなくなるから犬は寂しい。だから噛まなくなるという論理。「人間を噛んだら、遊んでもらえません。『噛んでもムダだね・・』と噛まないことを学習します」。なるほどねえ。

噛まれると、ついつい叱ってしまうのだが、それでは叱った人に対してだけ噛まなくなるか、叱られたことに根を持って攻撃的になるかなのだそうだ。

[MOVIE] 「姑獲鳥の夏」

「姑獲鳥の夏」パンフレットやはり榎木津には関口を猿と呼んで欲しいところだ。いや、シリーズ第1作のこの原作を読んだのはもう10年ほど前だから、この中で猿と呼んでいたかどうかはもはや覚えていないのだが、榎木津が関口をいたぶるシーンは入れて欲しかった。映画の榎木津礼二郎はおとなしすぎる(品も良すぎる)。原作ではもっと躁状態の印象が強いのだ。原作のある映画には付きもののこうした不満があることは十分に予想できたから、映画は別物と思って見たが、それでも映画として良い出来とは言えないと思う。劇場用映画は8年ぶりの実相寺昭雄監督は構図を斜めにしたシーンを多用して、不安感を煽る演出を見せているけれども、肝心の憑物落としの場面が長く感じる。憑物落としはいわゆる探偵が真相を話す場面にあたるのだが、この映画、伏線の張り方が不十分なので事件にかかわる重要な人物が唐突に出てくる印象となる。時代設定は昭和27年なのにその風俗があまり描かれないのも残念。木場刑事役の宮迫博之を除けば、キャスティング的には悪くないのだから、ぜひシリーズ第2作「魍魎の匣」(シリーズ唯一のSF)で捲土重来を果たしてほしいと思う。

昭和27年、夏、東京。雑司ヶ谷の産婦人科医院・久遠寺医院の娘・梗子(原田知世)の不思議な噂が広まる。梗子は身ごもって20カ月になるのに一向に出産の気配がないというのだ。しかも梗子の夫は1年半前から行方不明になっている。雑誌記者の中禅寺敦子(田中麗奈)は作家の関口巽(永瀬正敏)に取材協力を頼む。古本屋の京極堂を営む敦子の兄秋彦(堤真一)は関口の親友で、事件を探偵・榎木津礼二郎(阿部寛)に相談するよう勧める。梗子の姉涼子(原田知世二役)が榎木津の事務所を訪れた時、ちょうど居合わせた関口は涼子の美しさに心を奪われ、助けたいと願う。その頃、榎木津の幼なじみの刑事・木場修太郎(宮迫博之)も事件に関わっていた。久遠寺医院の元看護婦が不審な死に方をしていたのだ。そして病院には赤ん坊をさらうという噂も広まっていた。

原作の京極堂シリーズの語り手は関口だが、映画では一歩引いた形になっており、語り方は三人称単数である。関口の過去とも関わりのあるこの事件はシリーズの別の話でも言及されているほどだが、映像化されると、因縁話の側面が強調された感じを受ける。原作にある衒学的な部分を取り払うと、こういう感じになってしまうのだろう。単にストーリーを追うだけでなく、ここは衒学的な魅力の一端でも映像化の工夫が欲しいところ。冒頭にある京極堂の長々としたセリフだけでは物足りないし、映像的にも面白くない。

堤真一の京極堂は口跡が良くて、悪くない。ただし、クライマックスには黒装束を決めてほしかった。映画で着る衣装は紫色がかっていて、憑物落としの場面にふさわしくない。関口巽役の永瀬正敏は気弱そうな部分のみ共通点がある。一番違和感があったのは木場刑事役の宮迫博之で、原作のイメージではもっと中年のいかつい感じのタイプだと思う。この映画にも出ていた寺島進なら良かったか。宮迫博之はイメージに合うとか合わないとかいう以前に演技に問題がある。京極堂シリーズは巻を重ねるごとにキャラクター小説の様相も帯びてきたから、こうしたキャスティングは大事だと思う。


2005年07月21日 [Thu]

新「たまごっち」販売数が1000万個突破

今さら、たまごっちなんてと思うのだが、実際に買おうと思って探してみると、どこも売り切れ。楽天の店などはプレミアムがついて定価より高く販売しているところもある。うちの長男も5月に買った。あまり人気のない種類だったそうで、店員から「これでいいんですか」と聞かれたそうだ。

「逆境ナイン」原作

「逆境ナイン」原作映画の公開に合わせて復刊されたとのこと。amazonに注文したのが届いた。全6巻。映画同様にギャグが盛り込んであるが、読んでいるうちに野球漫画としても真っ当だと感じてくる。コメディ一辺倒ではなく、映画とはタッチの異なる部分も多いけれど、映画同様に好感の持てる作品だと思う。絵のタッチは永井豪を思わせる部分もある。

映画は甲子園県予選優勝で終わったが、原作では甲子園優勝まで。といっても、甲子園の場面は第6巻だけで、県予選がこの漫画の中心にあることに違いはない。

映画との細かい違いは野球部監督はセパタクローの選手ではなく、日の出商業との県予選決勝は112-0ではなく、112-3だった、など。映画の脚本はスラップスティックとして組み立てるために、原作のギャグのおいしいところを拾っている感じ。しかし、うまいまとめ方だと思う。映画でちょっと疑問に思ったのは、主人公の不屈闘志が県予選の試合を放棄して遊園地でデートするシーン。これは原作ではちゃんと理由が用意してあった。ただ、これがいかにも後付けの理由。作者は「あとがき漫画」でこのあたりの展開は「逆境だった」と書いている。


2005年07月22日 [Fri]

総務省、迷惑メール研究会の最終報告書

「特定電子メール法や、通信事業者の自主的取り組みによって一定の成果を得たものの、送信行為の巧妙化・悪質化によって迷惑メール問題は未だ解決していないとしている」。国内の迷惑メールに関しては罰則強化が一番の早道だと思う。迷惑メール事業者は十分ペイしているから続けているのだろう。ペイしないことを明確にしないと技術的にいくら制限策をとっても完全にはなくならないでしょう。

もちろん、海外から来る山のように多い迷惑メール対策も必要だが、僕のように海外からのメールは一括遮断して差し支えないユーザーも多いと思う。国内を真っ先になんとかすべし。だいたい迷惑度は国内のメールの方が大きいのだ。事業者だけでなく、迷惑メールの送信を放置しているプロバイダ(OCNとか)への罰則もあるといいと思う。


2005年07月23日 [Sat]

Longhorn正式名称は「Windows Vista」に

ビスタと聞くと、トヨタを思い出してしまうが、もうビスタという車種はないからいいのかな。しかし商標登録はしてあるだろう。まあ、トヨタもこれぐらいのことでガタガタ言わないでしょうけどね。これが弱小メーカーだったら、MS訴えて名前使わせる代わりに賠償金狙いとかやったかも。あるいは単に日本国内では名称変更とか。


2005年07月24日 [Sun]

楽天市場の店舗での取引に係る個人情報の流出について

楽天に出店しているAMCから123件の個人情報が流出したとのこと。メールには「なお、お客様の情報は、このリストには含まれておりませんでしたが、当該店舗での利用履歴がございましたので、念の為、ご連絡申し上げました」とあった。

AMCって何の店だったか調べたら、ラテラルサイトレーナーを買った店だった。123件というのは半端な数だな。

フレッシュオールスターゲーム

フレッシュオールスターサンマリンスタジアム宮崎。家族5人で行く。前売りは5000枚ぐらいと聞いたが、まずまずの入りなのでは*1。2階席の方は空いてました。うちの家族が買ったのは外野席(子どもは野球のルールも知らないし、ほとんど興味なしなので)。内野の方はセ・リーグ側がほぼ満員の入りで、そのためか団扇で扇ぐ姿が目立った。外野は風が通って涼しかったです。

7回裏にジェット風船を飛ばす趣向があって子どもは喜んでいた。花火も上がった。個人的には一場とダルビッシュが見られたのが良かった(遠かったけど)。一場は150キロ台の速球をポンポン投げていた。

帰りが混雑するのは予想できたので8回表で帰る。そこまではパ・リーグが4−2で勝っていた*2

*1 約13,000人だったとのこと。

*2 その後、セ・リーグが追いついて、4−4で引き分けた。


2005年07月25日 [Mon]

[MOVIE] 「アイランド」

「アイランド」パンフレット一匹の虫(バグ)が完璧と思えた管理社会のシステム崩壊のきっかけになる。システム自体にもバグ(欠陥)が潜んでいて、主人公は自分が住む社会に疑問を持つようになるのだ。システムの本質を知り、好意を持った女が危険にさらされたために、主人公はこの社会からの脱出を図る。予告編でも感じたことだが、前半に描かれるこの設定はジョージ・ルーカス「THX 1138」やマイケル・アンダーソン「2300年未来への旅」(Logan's Run)を思わせる。これをじっくり描けば、マイケル・ベイ監督には珍しく本格的なSF映画になるのではと思ったが、やはりというか何というか、後半は得意のアクション映画になってしまう。いや、それでも描かれるアクションの数々は大したもので、見て損はしない映画にはなっている。ベイ作品としては「ザ・ロック」(1996年)以来の面白い映画と思う。ただし、アクションだけで進む話というのは見ていて面白みに欠けてくるのだ。後半にもう一つ大きなストーリー上の転換が欲しかったところ。そうすれば、胸を張って傑作と呼べる映画になっていただろう。そこがそうならないのが雰囲気は大作、実際はB級でしかない映画ばかり撮っているマイケル・ベイの限界なのだと思う。

2019年、人々は大気汚染から隔絶された都市に住んでいる。ここは科学者で管理者のメリック(ショーン・ビーン)以下、多数の人間たちによって完璧に管理された社会なのだ。みな同じ白い洋服。行き届いた健康管理。チューブに液体を入れるだけの単純な仕事。退屈な毎日で、人々は地上最後の楽園アイランドへの抽選に当たることだけを夢見て暮らしている。主人公のリンカーン・6・エコー(ユアン・マクレガー)はここで暮らし始めて3年。アイランドへ行く途中に溺れる悪夢をたびたび見る。この都市の管理側で働くマック(スティーブ・ブシェミ)と親しいリンカーンは時折、都市の裏側を見て、次第にこの都市への疑問を感じるようになる。ある日、リンカーンは排気口から入ってきた虫を見つける。外の世界は汚染されているはずなのに、なぜ虫が生きているのか。そして、リンカーンはアイランドの抽選に当たった黒人(マイケル・クラーク・ダンカン)と妊婦の過酷な運命を見てしまう。この都市には驚愕の秘密があった。好意を持っているジョーダン・2・デルタ(スカーレット・ヨハンソン)が抽選に当たり、リンカーンはジョーダンを助けるために一緒にこの都市を脱出しようとする。

予告編でもパンフレットでもネタを割っている。映画の3分の1あたりで明かされる秘密だが、それでも知らない方が映画を楽しめるだろう。ここを割ってしまう宣伝というのはどうかと思う。もっともマイケル・ベイの演出がさえ渡るのは後半のアクションの方なのも事実。逃げた2人をローラン(ジャイモン・フンスー)率いる組織が執拗に追いつめていく。高速道路でのカーチェイスは凄まじく、「マトリックス リローデッド」並みの迫力。空飛ぶバイクに乗った2人がビルに突っ込み、窓を割って巨大看板とともに落下するシーンまで一気に見せる。そこからもアクションに次ぐアクションの展開となるが、肝心の話の方がやや類型的になり、ストーリー上の緊張感は薄れてきてしまう。無駄に長すぎると思えてくるのだ。ストーリーにも穴は多く、企業ぐるみで違法なことをやっていて、それが外部に漏れないのはおかしいと思う。笑ったのは街頭にあるインフォ・ブースがMSNサーチだったこと。2019年の近未来ならいかにもありそうな設定ではある。半面、未来社会の造型ではそこまで進歩しないだろうと思えるものもある。時代設定を2100年ぐらいにしておけば良かったのではないか。

マクレガー、ヨハンソンともアクション映画を無難にこなしているが、目立つのはショーン・ビーン、スティーブ・ブシェミ、ジャイモン・フンスーの3人の好演。特にフンスーは役柄も含めて印象が強かった。


2005年07月26日 [Tue]

tDiaryの脆弱性に関する報告

「重大」ということなので、2.0.2にバージョンアップ。基本セット版をダウンロードして上書きした。20日に出ていた。たまにはtDiaryのサイトも見なくちゃいけませんね。

[MOVIE] 「バタフライ・エフェクト」

「バタフライ・エフェクト」パンフレット冒頭に出る説明によれば、バタフライ・エフェクトとは一匹のチョウの羽ばたきが地球の反対側で台風を引き起こすかもしれないというカオス理論に基づく。レイ・ブラッドベリは太古のチョウを踏みつぶしたことで現代が異様に変化するという短編「雷のとどろくような声」(「雷のような音」、A Sound of Thunder)を書いたが、この映画もそういう趣向である。パンフレットでSF作家の梶尾真治は「時間SFの傑作として私は記憶にとどめようと思っている」と書いている。確かに時間テーマのSFではあるのだが、これは人生をやり直せたらというifの世界を描いた映画と言った方が近い。主人公の今の体が過去に帰るのではなく、過去の自分に戻るからだ。愛する女性の悲惨な状況を変えるために何度も過去にさかのぼる主人公は、やがて不幸の要因となった決定的な出来事を知る。その出来事がとても皮肉である。同時に主人公にとって苦しく切ないものであり、映画は深い余韻を残して終わる。

個人的な好みから言えば、最後の処理はもっと情感を高めてくれると良かったと思うが、よくできた物語だと思う。序盤にある少年時代のエピソードの描写がしっかりしており、その後の展開に無理がない。ラブストーリー一辺倒ではなく、スリラー、サスペンス風味も強いのが独特なところ。脚本・監督のエリック・ブレス、J・マッキー・グラバーのコンビは「デッドコースター」(「ファイナル・デスティネーション」の続編で、これは第1作よりも面白かった)の脚本も担当したそうで、なるほどと思う。

「この街で(私が)腐る前になぜ帰ってこなかったの」。主人公のエヴァン(アシュトン・カッチャー)は小学生時代、引っ越しの際に“I'll come back for you.”と書いた紙を幼なじみのケイリー(エイミー・スマート)に見せて街を出る。大学生になって街に帰った時にはケイリーは食堂のウエートレスになり、やつれた様子をしていた。ひどい父親(エリック・ストルツ)と粗暴な兄(ウィリアム・リー・スコット)が一緒では、その生活が荒んでいることは容易に想像がつく。ケイリーはこの言葉をエヴァンに投げつけて、自殺してしまう。エヴァンは子どものころから時折記憶をなくすことがあり、それが過去に帰れる能力と結びついていることを最近知った。精神を病み、入院させられた父親から受け継いだものらしい。エヴァンは過去に戻ってケイリーの不幸の原因を取り除くが、過去を変えたことで現在に別の重大な変化が訪れる。エヴァンは再び過去にさかのぼらざるを得なくなる。そしてそれもまた別の重大な変化を引き起こす。そうやってエヴァンは何度も過去にさかのぼることになる。

少年時代のエピソードが残酷だ。離婚したケイリーの父親にはロリコン趣味があり、ロビン・フッドの映画と撮るといって、地下室でケイリーとエヴァンを裸にする。これは幼児虐待を暗示した描写であり、ケイリーのトラウマになるのももっともだと思わされる。こういう父親に育てられたケイリーの兄は凶暴な性格になり、映画館で年上の男を痛めつけ、ダイナマイトを使った事故で近所の母子を犠牲にし、エヴァンの犬を焼き殺す。これがエヴァンの親友でぜんそくのレニー(エルデン・ヘンソン)を引きこもりの性格にしてしまう。こうした少年時代の悲痛なエピソードは映画のトーンに暗い影を落としている。過去を変えることで現在がころころ変わる描写は一歩間違えればコメディみたいになるところなのだが、この暗さが逆に幸いしていると思う。

この映画、続編の製作が発表されている。容易に続けることができる話ではあるが、ブレスとグラバーは脚本のみの担当らしい。


2005年07月27日 [Wed]

センサーライト

犬小屋の周辺が暗いので太陽電池パネル付きのセンサーライトを買う。3,980円。マクサー電機という会社の製品。困ったのは犬小屋の近くに壁がないこと。木ねじで設置するタイプなので、壁がないと取り付けようがない。仕方がないので車庫の柱に結びつけた。

太陽電池で動くというのは配線不要のメリットがある。ただ、安い製品なのでいつまで持つかは不確定。


2005年07月28日 [Thu]

楽天市場の店舗での取引に係る個人情報の流出について(続報)

161件増えて284件になった。うーん、ここまで来ると、かなりの個人情報が漏れたような気が。AMCの取引はこれまで9万4000件という。僕のは大丈夫だろうか。もっとも、楽天で使っているのは楽天カードだけなんだが。外部からの不正侵入か内部流出かがはっきりしないが、楽天にとっては重大な信用問題だから徹底的な調査をするだろう。

いーでじ!!からのメールには「当店におきましてもご注文のデータ抽出に大幅な遅れが生じており、さらにクレジットカードご利用による決済を承ることが出来ない状態」になっているとあった。


2005年07月29日 [Fri]

Thunderbird 1.0.6日本語版

出たのでインストール。メインは鶴亀メールなのだが、既に7つのアカウントを使っているので、あまり使わないアカウントをThunderbirdで受信している。

世界名作シネマ全集

WOWOWのプログラムガイドに広告があった。「選りすぐりの名作を本編DVD付きで紹介する豪華ビジュアルブック」とのこと。2007年7月までに毎月1巻出していくらしい。第1巻は「風と共に去りぬ」と「タイタニック」で3,200円。2枚でこの価格は安いと思うが、セレクトはいまいち。「ジャパニーズホラーの傑作」で「リング」「着信アリ」というのはなあ。

それに48本セレクトしたぐらいで「全集」はないだろう。こういうのはせめて100本は欲しいところ。IMDBのトップ100を出していくというのはどうか。ま、映画会社がばらばらなので、無理でしょうけどね。

Microsoft Match-Up!

正規ユーザーの特典ゲーム。正規の Microsoft ソフトウェアからダウンロードしてみた。単なる神経衰弱(24枚)で簡単。65秒でクリア。遅いか。この程度では特典の魅力はないのでは。

一ノ瀬泰造を追ったドキュメンタリー映画

「TAIZO」チラシカンボジアで26歳で亡くなった戦場カメラマン一ノ瀬泰造のドキュメンタリー。「クラッシュ」に続くチームオクヤマ製作。「掲載のお願い」メール(プレスリリース、チラシ添付)が来たのでリンクしておく。

7月31日から8月27日まで渋谷アップリンクファクトリーで映画96分+演劇30分(一人芝居)の催しがあるとのこと。

映画「TAIZO」の監督は中島多圭子。ホームページによると、「週刊朝日『女子大生シリーズ』の表紙モデルになったのをきっかけに、英国留学を経てキャスターを目指す。大学4年からTBS『関口宏のサンデーモーニング』レポーターやテレビ朝日『やじうまワイド』キャスターなど、フリーアナウンサーとして幅広く活動する」という経歴で、初監督作品とのこと。一人芝居は菟田高城(うだたかき)という俳優が行う。

一ノ瀬泰造が死んだのは1973年。ということはまだベトナム戦争の最中で、カンボジアではクメール・ルージュによる“地獄の平和”(「キリング・フィールド」で描かれた)が訪れる前になる。

興味のある題材だが、地方での上映予定はないのだろうか。


2005年07月30日 [Sat]

@niftyサンクスプレゼント

6年以上利用に該当するのでデジカメに応募。当選10人では当たらないでしょうね。家内は1年以上利用に該当するので、ノベルティグッズに応募。こちらは100人。

当たらないと言えば、サマージャンボを20人ほどでまとめ買いした。自分で買っていないので、まったく実感がないが、1億円当たれば、500万円弱になる計算。当たらないでしょうね。


2005年07月31日 [Sun]

接触不良

先日設置したセンサーライトが点灯しない。説明書には初期充電に3日間かかるとあったので放置していたが、3日経過してもダメなので取り外して調べてみる。充電池(単三)を入れ直してみたら、難なく点灯。接触が悪かったのか。

点灯してもあまり明るくはない。真っ暗な所ではないよりましか、という程度だった。


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