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2009年04月29日 [Wed]

ミステリマガジン6月号

「オッド・トーマスの霊感」のレビューがあった。僕は感想の中であえて触れなかったが、評者の古山裕樹は「クーンツはクライマックスに途方もない爆弾を炸裂させてみせる。その仕掛けによって本書は犬ありクーンツの作品と同じくらいに心を揺さぶるものに仕上がっている」と書いている。

正確に言えば、クライマックスではないのだけれど、こういうの、書いちゃっていいのだろうか。まあ、この程度の表現ならいいかとも思えるが、何も知らない方が“爆弾”の効果は大きくなるだろう。それよりもクーンツ自身が、この作品の中でアガサ・クリスティー「アクロイド殺し」の犯人を割ってしまっていることの方が問題。いくら古典的な名作でトリックが有名なものであっても、まだ読んでいない人のとても大きな驚きと楽しみを奪うことになる。「アクロイド殺し」を読んでいない人は「オッド・トーマスの霊感」の前に読んでおいた方がいい。ミステリファンなら当然読んでいるでしょうけどね。


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