映画とネットのDIARY(tDiary版)
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【映画の感想一覧】 2004年7月以降 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
2005年02月23日 [Wed]
■ WinPT
鶴亀メールが迷惑メールの分類に使う迷惑ワードの自動アップデートに対応した。GNUPGかPGPが必要ということなので、GNUPGをインストール。しかし、これ日本語ドキュメントが古かったりするので、なかなか思うように動かない。PGP日本語版の方が簡単に動いたが、ちょっとバージョンが古い(2002年10月)のが気になる。
で、WinPTをインストールしてみる。GNUPG(バージョン1.4.0)とそのフロントエンド(GnuPT 2.5.8.1)が一緒になったソフト。英語版しかないが、これも簡単に動いた。鶴亀メールの迷惑ワードを受信してみたら、ちゃんと迷惑ワードが自動登録された。
テキスト文書の暗号化・復号化、公開鍵の作成もOK。常駐するのがいやだが、ま、とりあえず動けばいいや。
■ GnuPG / PGP で暗号化・電子署名
インストールした後にこのページを見たら、GnuPGについてよく理解できた。2003年に書かれたものだけれど、参考になることが多いです。Aprise Inc.という会社のサイトにあるページ。
2006年02月23日 [Thu]
■ なでしこの文字コード変換
なでしこで文字コードEUCのHTMLファイルをHTTPダウンロードして、SJIS変換したら、なぜか変換してくれない。HTMLの場合、最初の方にアスキー文字列が多いので、何の文字コードから変換するのか判断を誤るらしい。このまま後の処理を続けると、置換や正規表現置換をしてもうまくいかない。
こういう場合は「EUCからSJISへ文字コード変換」と明示して書くそうだ。それでもうまくいかない場合があったが、それはこちらの書き方が悪いせいか。アスキー文字列が多くて日本語が短い文書の場合に間違うことが多い。今日は休みだったが、映画にも行かず、1日これで時間を潰した。一応作りたかったプログラムのめどは立ったので、いいんですがね。
2008年02月23日 [Sat]
■ [MOVIE] 「ラスト、コーション」
くるくる回る風車が印象に残る。ラスト近く、主人公のワン・チアチー(タン・ウェイ)が乗る人力車(自転車タクシー)に付いた風車。自転車をこぐ男も底抜けに明るい笑顔を見せる。これが印象的なのはそういう無邪気なものをチアチーが失ってしまっているからだ。そして、通りを封鎖され、マンションに帰ることができなくなったチアチーは覚悟を決める…。4年前の1938年、香港で学生生活を送っていたチアチーは抗日の演劇が喝采を浴びたのに気をよくした仲間たちとともに、卑劣な売国奴の暗殺計画を立てる。演劇だけではなく、それを実行に移そうという軽い乗りの計画はしかし、手痛いしっぺ返しを食うことになった。なかなか死なない男をめった刺しにする中盤の長く凄惨な殺人シーンが強烈だ。ここでチアチーたちは何か大事なものをなくしてしまった。青春時代に別れを告げることになったのだ。
通過儀礼というにはあまりにショッキングな出来事。後半のハードコアな描写に気を取られがちだが、この映画、前半に青春時代の愚かな行動と挫折を描き、それで映画全体を包み込んでいる。自分たちの存在価値を守ろうとして、あるいはかつて失ったものを取り戻そうとして再び暗殺を企てる仲間たちの中で一人、チアチーだけは暗殺対象のイー(トニー・レオン)との性愛に溺れていく。いや、別の価値観を知ると言った方がいいかもしれない。アン・リー監督はそうした枠組みの中で男女の性愛を活写し、死とエロスをテーマにした作品に仕上げた。チアチーと仲間たち、孤独なイーのラストの姿にはそれぞれに時代に翻弄された人間たちの悲哀がにじみ出る。ヴェネツィア映画祭金獅子賞は当然の結果だろう。
ここまで書いて、アイリーン・チャンの原作「色・戒」を読んだ。文庫本で43ページと短く、エロスを強調したものではない。「欲情を戒める」というタイトルはイーの立場を表したものである。映画はほぼ同じプロットながら、チアチーの立場で物語が進行する。原作でイーとの性交渉についてチアチーはこう振り返っている。
「易(イー)と一緒に過ごしたあの二回は、びくびくし通しで、気を抜くどころではなく、どういう感覚なのかと自分に問いかける余裕さえもなかった」
映画とは随分違う。性愛に目覚めるどころではなく、舞台の延長でチアチーはずっと緊張したまま演技しているのだ。しかし、映画同様に原作のチアチーはイーへの愛を突然自覚し、「早く行って」(映画の字幕では「逃げて」)とイーを助けてしまう。
「この人は本当に私を愛している。いきなりそう思った。すると激しい炸裂音が胸の中で起こり、何かを失ってしまったように感じた」
この失ったものを丁寧に描いたのが映画なのだと思う。ワン・フィリンとジェイムズ・シェイマスの脚本(当然のことながら、アン・リーの意見が取り入れられているだろう)は原作の細部を膨らませ、豊かで激しい情感を加えて素晴らしいというほかない。原作に殺人場面はなく、クァン・ユイミン(ワン・リーホン)へのチアチーのほのかな恋心にも描写を割いてはいないのだ。何よりも映画が物語を青春の喪失の観点から組み立て直したのは卓見と言うべきだろう。前半の遊びの延長のような甘い暗殺計画と後半の命をかけた暗殺計画が見事な対となっている。
中国の現代史を知らないと、分かりにくい部分があり、僕は映画を見た時点ではイーのキャラクターに疑問を持った。卑劣な売国奴があんな風にクールでカッコイイか。パンフレットと原作を読んで、イーが日本の傀儡政権である汪精衛(ワン・ジンウェイ)率いる南京国民政府の諜報機関のトップであり、蒋介石の国民党と対立していた時代背景を知って、こういうキャラクターなのにも納得できた。
驚くほどの美人とは思えなかったタン・ウェイは映画が進むにつれて魅力を増していく。アレクサンドル・デスプラの哀切な音楽も心に残った。「ブロークバック・マウンテン」をはるかに超えてアン・リーのベストだと思う。
蛇足的に付け加えると、映画は後半だけだったら、色仕掛けで近づいた敵の男を愛してしまうという「ブラックブック」と同じ趣向の作品になっていただろう。その「ブラックブック」の監督ポール・バーホーベンはヴェネツィア映画祭の審査員を務めていたそうで、そうなったら、バーホーベン、金獅子賞には反対していたのではないか。
2012年02月23日 [Thu]
■ 「道化師の蝶」の選評
久しぶりに「文藝春秋」を買った。芥川賞の選評が載っているからだ。いったい選考委員の誰に円城塔の小説が分かったのだろう、と興味があった。一読、誰も分かっていなかったことが分かった。分からないけれども、文学の幅を広げる試みと今後の可能性を考慮したということなのだろう。
8人の選考委員の中で最もうなずけたのは黒井千次の評。「うまく読むことが難しい作品であり、素手でこれを扱うのは危険だという警戒心が働く。しかしこのわからなさの先に何かあるのではないか、と考えさせる風が終始作品の奥から吹き寄せて来るのは間違いがない。したがって支持するのは困難だが、全否定するのは更に難しい、といった状況に立たされる」。これが正直な感想だろう。付け加えて「読む者に対して不必要な苦労をかけぬような努力は常に払われねばなるまい。作品の入口や内部の通路をもう少し整備してもいいような気がする」と注文を付けている点も良い。
受賞を最も推したのは川上弘美のようだが、川上弘美も分かっているわけではない。「日常の言葉では語り難いことを、どうにか日常の言葉で語ろうとしている作者の作品は、読むことも大変に困難です。けれど、それでもあえてその難儀な試みを続ける作者に、芥川賞が与えられたこと。それは私にとって大変喜ばしいことでした」。
島田雅彦は明確に分からないとは言っていない肯定派だ。「この作品は夢で得たヒントのようにはかなく忘れられてゆく無数の発想へのレクイエムといってもいい」とした上で、「こういう『やり過ぎ』を歓迎する度量がなければ、日本文学には身辺雑記とエンタメしか残らない」としている。
明確な否定派は石原慎太郎で、「最後は半ば強引に当選作とされた観が否めないが、こうした言葉の綾とりみたいなできの悪いゲームに付き合わされる読者は気の毒というよりない。こんな一人よがりの作品がどれほどの読者に小説なる読みものとしてまかり通るかははなはだ疑がわしい」。自分の分からないものは酷評するという単純な思考回路はお気の毒と言うよりないが、まあ、しょうがないかなと思う。
同誌に掲載されている円城塔の受賞インタビューで「やっぱり」と思ったのは「神林長平に強く影響を受けて」いると語った部分。昨年、「これはペンです」を読んで、僕はデビュー間もないころの神林長平のインタビューを思い出した。そのインタビューで神林長平は「同じものをインプットされても、人によってアウトプットされるもの(言葉)は違う」という趣旨のことを語っていた。言葉にこだわる円城塔の小説は成り立ちの根底にあるものが神林長平の小説と似ている部分がある。それがつまり影響を受けているということなのだろう。
2013年02月23日 [Sat]
■ Remote TV
KDDIが今日から発売したSmart TV StickとRemote TVのうち、関心があるのはRemote TVの方。これ買えば、既にサポートの切れたSONYのロケーションフリーとおさらばできる。機能はボルカノフローやスリングボックスと同等だ。自宅のBDレコーダーに録画した番組やリアルタイムのテレビ放送がLAN内部や外出先のPC、スマホ、タブレットで見られる。
ただ、レコーダーからの出力はアナログ、最高画質時の解像度が854×480ドットというのでは物足りず、これではPCやタブレットで表示した時に画面が小さいだろう。Android4.2にも対応していず、Nexus 7でも10でも、まだ使えない。リアルタイムの放送視聴が不要なら、今後本格化するDTCP+の製品を待った方がいい。
テレビをスマホにするというSmart TV Stickについてはあまり興味が持てない。このスティックがWOWOWメンバーズオンデマンドに対応すれば、買ってもいいかなと思う。しかしメンバーズオンデマンドはHDMIによる外部出力はできない仕様なので、対応は難しいだろう。まあ、9800円でAndroid機器が手に入るというのは安いかもしれない。
いろいろ考えていくと、2つとも購入意欲が下がってくる。ちなみにau Online Shopでは既に2つとも在庫なしになっている。売れているんですね。