映画とネットのDIARY(tDiary版)
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【映画の感想一覧】 2004年7月以降 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
2005年04月29日 [Fri]
■ [MOVIE] 「海を飛ぶ夢」
東京で見たのはこの映画。「女性の日」だったので、上映開始20分前に行ったら、シャンテシネには既にオバサマたちの長い行列があった。
「あなたがテレビで言ったことを忘れない。ラモンが家族の愛に恵まれていないですって! 私は28年間、ラモンの世話をして自分の息子のように思っているわ」。
首から下が麻痺した主人公ラモンの義姉マヌエラが同じ障害を持つ神父に怒りをぶつける。自分の人生に尊厳はなかったとして死を望むラモンは支援者とともに裁判で尊厳死の法制化を訴えた。神父はテレビのインタビューでそれに対するコメントをして、話し合うためにラモンの家にやってきたのだ。この映画が巧みなのは決して裁判をメインに持ってこず、ラモンの家族や友人たちの描写を丹念に積み重ねることで尊厳死の問題を自然に浮かび上がらせていることである。「アザーズ」の時にも思ったが、アレハンドロ・アメナーバルは描写がうまい。主人公が夢の中で空を飛ぶシーンなどにもそれは発揮されている(このシーンの飛翔感、浮遊感はとても印象的なので、邦題にした理由もうなづける)。細部の描写に説得力があるためにテーマも深化する。アメナーバルが言うようにこれは家族愛や男女の愛などさまざまな愛を描いたラブストーリーとして成立している。語りたいテーマをどう語ればいいのかよく分かっているからこうした巧みな映画になるのだと思う。
今年のアカデミー外国語映画賞受賞。実話を基にした映画なのだという。船乗りだったラモン・サンペドロ(ハビエル・バルデム)は25歳の夏に海に飛び込んで首の骨を折り、首から下が麻痺してしまう。以来、ベッドに寝たきりとなった。家族はそのラモンを献身的に支える。兄のホセ(セルソ・ブガーリョ)、その妻マヌエラ(マベル・リベラ)、息子のハビ(タマル・ノバス)、老いた父親ホアキン(ホアン・ダルマウ)の4人。農場と小さな菜園が一家の収入源である。寝返りを打つのにも家族の手を借りなければならないラモンは自分に尊厳はなく、生きる義務を負わされていると感じて、死ぬ権利を要求する。
個人的には人間、放っておいても死ぬのだからそれを早めることはないじゃないかと思うが、義務と感じるほどラモンにとって生きることはつらいことなのである。四肢麻痺の患者すべてに尊厳がないということか。そうではない、とラモン自身も否定する。四肢麻痺の神父はそれを例証する存在でもある。愛に恵まれたラモンのような存在であっても、死にたいと思うことはある。自分一人の力では自殺できない人間は死ぬために他人の力を借りなければならない。しかし、死を手助けした人間は犯罪に問われる。その現状を変えろ、死ぬ自由を与えろというのが映画のシンプルな主張である。
ただし、映画に感動するのは献身的にラモンの介護をするマヌエラの姿であり、自身も痴呆の病気を持つ弁護士フリア(ベレン・エルダ)であり、ラモンに好意を寄せるロサ(ロラ・ドゥエニャス)であり、ラモンの主張を理解して手助けするジェネ(クララ・セグラ)たちの姿である。ラモンを死なせたくない兄、ラモンの言うことに従う甥のハビ、なすすべもなく見守る年老いた父親など、それぞれの描写に豊かな情感が込められる。それが大上段にテーマを振りかざすような幼稚な映画になることを免れた理由だろう。死にに行くラモンの乗った車を見送っていたハビが思わず追いかけて走り出すシーンはそうした登場人物たちのしっかりとした描写に支えられていっそう感動的になる。
アメナーバルはテーマ主義の監督では決してなく、描写主義の人なのだと思う。そしてその姿勢は優れた映画監督に欠かせない条件なのである。36歳のハビエル・ハルデムが詳細なメイクで50代のラモンを演じている。メイクだけでなくその演技の充実には驚嘆せざるを得ない。
2009年04月29日 [Wed]
■ ミステリマガジン6月号
「オッド・トーマスの霊感」のレビューがあった。僕は感想の中であえて触れなかったが、評者の古山裕樹は「クーンツはクライマックスに途方もない爆弾を炸裂させてみせる。その仕掛けによって本書は犬ありクーンツの作品と同じくらいに心を揺さぶるものに仕上がっている」と書いている。
正確に言えば、クライマックスではないのだけれど、こういうの、書いちゃっていいのだろうか。まあ、この程度の表現ならいいかとも思えるが、何も知らない方が“爆弾”の効果は大きくなるだろう。それよりもクーンツ自身が、この作品の中でアガサ・クリスティー「アクロイド殺し」の犯人を割ってしまっていることの方が問題。いくら古典的な名作でトリックが有名なものであっても、まだ読んでいない人のとても大きな驚きと楽しみを奪うことになる。「アクロイド殺し」を読んでいない人は「オッド・トーマスの霊感」の前に読んでおいた方がいい。ミステリファンなら当然読んでいるでしょうけどね。
2011年04月29日 [Fri]
■ tDiary3.02
リリースされたので、バージョンアップ。いつもバージョンアップの時には悩むのだが、今回もすべて上書きして大丈夫だった。というか、テーマはカスタマイズしているのでthemeディレクトリだけは上書きしなかった。tDiaryはバージョンアップ時のドキュメントが足りないなと思う。WordPressのようにクリック一発でバージョンアップできるようになると、良いと思う。相変わらず初心者には敷居が高い。
今回からTrackBackとPingBackの機能が削除された。まあ、いらないですけどね。今後は3カ月に一度、リリースされるとのこと。
2013年04月29日 [Mon]
■ キャッシュ管理
パーソナルファイナンスサービスのMoneyLookを昨年から使っている。銀行や証券、各種ポイントなどのサイトに自動ログインして残高や明細を取得してくれるソフト。これにはキャッシュ管理という家計簿機能があるが、毎日の記入が面倒と思い、これまで使っていなかった。資産運用は家計管理からと、どんな投資関係書籍にも書いてあるので使うことにした。家計簿としては当たり前のことだが、1カ月に自分がどれぐらい消費しているか、今月あとどれぐらい使えるかがよく分かり、使いすぎを防げる。外出先から専用アドレスにメールを送ることで、使った項目を追加できる。これなら記入漏れの防止につながるだろう。
MoneyLookはデータをローカルのパソコンに保存する方式だが、キャッシュ管理に関してはサーバー上に保存しているのだろう。だから、項目ごとに他のユーザーの過去1カ月の平均支出を見ることができる。皆さん、貯蓄は1カ月にどれぐらいしているのかと思って見てみると、8万円余りだった。MoneyLookのユーザーは貯蓄に熱心なようだ。投資という項目はないので、貯蓄に分類している人が多いと思う。ローンは7万円余り。保険は3万円余り。他の項目に関しては給料日が過ぎたばかりなのであまり参考にならない。給料日前日なら1カ月間の消費動向が分かるだろう。
家計簿に興味がわいたのでスマホのアプリを捜してみた。評判の良い「Zaim」と「かけーぼ」をインストール。記入しやすく、カスタマイズしやすいのは断然、「かけーぼ」の方。よく考えてある。「Zaim」は将来的にパソコンでも記入できるようになるそうなので、そうなると最強かもしれない。今はOCN家計簿と連携できるが、記入は常にアプリからじゃないと、反映されない。MoneyLookがスマホにも対応してくれると、言うことないんですけどね。有料でもいいから、アプリを出してくれないだろうか。うきうき家計簿はスマホでも表示と記入ができる。消費項目の追加・変更ができるのが優秀。これが現時点では最強かな。
今月はクレジットカードに多額の支払い(車検と次女のiPhoneの代金)があったので、給料日からわずか3日目で赤字に突入。まだ3週間以上あるのにこれでは気が重い。