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【映画の感想一覧】 2004年7月以降 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
2011年05月18日 [Wed]
■ 「9 ~9番目の奇妙な人形~」
3DCGアニメ。冒険活劇に徹しているのが素晴らしい。9と呼ばれる人形が目を覚ますと、そこは機械と人間の戦いが終わった未来。人間はすでに滅んでいた。9はふとしたことで邪悪なマシンを目覚めさせてしまう。復活したマシンは9の仲間の人形たちを次々に餌食にしていく。9はマシンとの戦いに挑む。
設定はファンタジーだが、中身はアクション。奇妙な人形たちは襲ってくる猫や翼手竜のような機械たちと戦う。戦いにスピード感があって良いが、設定の細部が今ひとつ分かりにくいのが惜しい。たとえば、人形たちはどうやって動いているのかとか、邪悪なマシンはなぜ人形たちの生気を吸うのかといった理由が説明されない。
シェーン・アッカーが自作短編アニメ(2005年アカデミー賞ノミネート)をティム・バートンの後押しを受けて長編化したもの。元の短編も見てみたいものだ。と思ったら、YouTubeにあった。なるほど、こちらは9と猫型マシンとの対決をメインに描いている。キャラクターの造形は長編版と同じ。9のキャラクターを他のキャラクターに分散して、物語の背景を拡充したのが長編版ということになる。短編は物語のワンシーンを描き、長編は全体像を描いているわけだ。IMDBの採点は短編が7.7、長編は7.0。
■ 「ウルフマン ディレクターズカット版」
劇場公開時に見ていないのでどこがディレクターズカットなのか分からないが、16分長いとのこと。1941年のロン・チェイニー・ジュニア主演「狼男」のリメイクでベニチオ・デル・トロが狼男を演じる。その父親にアンソニー・ホプキンス。監督は「ジュラシックパークIII」のジョー・ジョンストン。デル・トロの相手役に「ヴィクトリア女王 世紀の愛」のエミリー・ブラント。監督もキャストも傑作になりそうな布陣だが、批評的にも興行的にも失敗した。
僕はそんなに悪くないと思ったが、話が古いのが欠点か。1941年の映画の単なるリメイクでは限界がある。何か現代的なアレンジを入れたいところだった。狼男の特殊メイクを担当したのはリック・ベイカー。変身シーンのリアルさはジョー・ダンテ「ハウリング」(1981年)をはじめとしてもはや、やり尽くされた観があり、ベイカー自身も「狼男アメリカン」(1981年)で経験がある。変身後の姿がそれほど狼っぽくないのは古典のリメイクを意識したためかもしれない。