第75回アカデミー賞授賞式は3月24日(アメリカ時間23日)、ロサンゼルスのコダック・シアターでスティーブ・マーティンの司会で行われました。最多受賞は作品賞を含む6部門を制した「シカゴ」でした。
長編アニメーション賞で宮崎駿監督「千と千尋の神隠し」が見事、受賞しました。短編賞・アニメ部門の山村浩二監督「頭山」の受賞はなりませんでした。
イラク戦争の中での授賞式、「ボウリング・フォー・コロンバイン」で長編ドキュメンタリー賞を受賞したマイケル・ムーア監督はスピーチで「ブッシュ大統領、恥を知れ」と痛烈に批判しました。「戦場のピアニスト」で主演男優賞を受賞したエイドリアン・ブロディは「神を信じていても、アラーを信じていても、ご加護がありますように」と感動的に訴え、スタンディング・オーベイションを受けました。
これに対し、タカ派で知られるバーブラ・ストライサンドは主題歌賞のプレゼンター役を務めた際、「私はアメリカに住んでいることに感謝しています。アメリカはアーティストの自由を保障しています」と話しました。
★が受賞作です。
【作品賞】
★「シカゴ」
「戦場のピアニスト」
「めぐりあう時間たち」
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」
「ギャング・オブ・ニューヨーク」
【監督賞】
★ロマン・ポランスキー「戦場のピアニスト」
ペドロ・アルモドバル「トーク・トゥー・ハー」
スティーブン・ダルドリー「めぐりあう時間たち」
ロブ・マーシャル「シカゴ」
マーティン・スコセッシ「ギャング・オブ・ニューヨーク」
【主演男優賞】
★エイドリアン・ブロディ「戦場のピアニスト」
ニコラス・ケイジ「アダプテーション」
マイケル・ケイン「The Quiet American」
ダニエル・デイ・ルイス「ギャング・オブ・ニューヨーク」
ジャック・ニコルソン「アバウト・シュミット」
【主演女優賞】
★ニコール・キッドマン「めぐりあう時間たち」
ダイアン・レイン「運命の女」
レニー・ゼルウィガー「シカゴ」
サルマ・ハエック「フリーダ」
ジュリアン・ムーア「エデンより彼方に」
【助演男優賞】
★クリス・クーパー「アダプテーション」
ポール・ニューマン「ロード・トゥ・パーディション」
エド・ハリス「めぐりあう時間たち」
ジョン・C・ライリー「シカゴ」
クリストファー・ウォーケン「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」
【助演女優賞】
★キャサリン・ゼタ=ジョーンズ「シカゴ」
キャシー・ベイツ「アバウト・シュミット」
クイーン・ラティファ「シカゴ」
ジュリアン・ムーア「めぐりあう時間たち」
メリル・ストリープ「アダプテーション」
【外国語映画賞】
★「名もなきアフリカの地で(Nirgendwo in Afrika)」 (ドイツ)
「Ying xiong」 (中国)
「過去のない男」 (フィンランド)
「El Crimen del padre Amaro」 (メキシコ)
「Zus & zo」 (オランダ)
【オリジナル作曲賞】
★「フリーダ」エリオット・ゴールデンサル
「キャッチ・ミー・イフ・ユーキャン」ジョン・ウィリアムズ
「エデンより彼方に」エルマー・バーンスタイン
「めぐりあう時間たち」フィリップ・グラス
「ロード・トゥ・パーディション」トーマス・ニューマン
【主題歌賞】
★「8 Mile」 "Lose Yourself"
「シカゴ」"I Move On"
「フリーダ」 "Burn It Blue"
「ギャング・オブ・ニューヨーク」"The Hands That Built America"
「The Wild Thornberrys Movie」 "Father and Daughter
【オリジナル脚本賞】
★「トーク・トゥー・ハー」ペドロ・アルモドバル
「エデンより彼方に」トッド・ヘインズ
「ギャング・オブ・ニューヨーク」ジェイ・コックス スティーブン・ザイリアン ケネス・ロナガン
「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」ニア・ヴァルダロス
「天国の口、終りの楽園。」アルフォンソ・キュアロン カルロス・キュアロン
【脚色賞】
★「戦場のピアニスト」ロナルド・ハーウッド
「アバウト・ア・ボーイ」ピーター・ヘッジス ポール・ウェイツ クリス・ウェイツ
「アダプテーション」チャーリー・カウフマン ドナルド・カウフマン
「シカゴ」ビル・コンドン
「めぐりあう時間たち」デヴィッド・ヘア
【美術賞】
★「シカゴ」ジョン・マイアー ゴードン・シム
「フリーダ」フェリペ・フェルナンデス・デル・パソ ハニア・ロベルド
「ギャング・オブ・ニューヨーク」ダンテ・フェレッティ フランセスカ・ロシアボ
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」グラント・メイジャー ダン・ハンナ アラン・リー
「ロード・トゥ・パーディション」デニス・ガスナー ナンシー・ハイ
【撮影賞】
★「ロード・トゥ・パーディション」コンラッド・L・ホール
「シカゴ」ディオン・ビーブ
「エデンより彼方に」エドワード・ラックマン
「ギャング・オブ・ニューヨーク」マイケル・ベルハウス
「戦場のピアニスト」パウェル・エデルマン
【衣装デザイン賞】
★「シカゴ」コリーン・アトウッド
「フリーダ」ジュリー・ウェイス
「ギャング・オブ・ニューヨーク」サンディ・パウェル
「めぐりあう時間たち」アン・ロス
「戦場のピアニスト」アンナ・B・シェパード
【長編ドキュメンタリー賞】
★「ボウリング・フォー・コロンバイン」マイケル・ムーア マイケル・ドノバン
「ダナンから来た娘(Daughter From Danang)」 Gail Dolgin Vicente Franco
「Prisoner of Paradise」 Malcolm Clarke Stuart Sender
「Spellbound」Jeffrey Blitz Sean Welch
「WATARIDORI」(Le Peuple migrateur)ジャック・ペラン
【短編ドキュメンタリー賞】
★「Twin Towers」 Bill Guttentag Robert David Port
「The Collector of Bedford Street」 Alice Elliott
「Mighty Times: The Legacy of Rosa Parks」 Robert Hudson Robert Houston
「Why Can't We Be a Family Again?」 Roger Weisberg Murray Nossel
【編集賞】
★「シカゴ」マーティン・ウォルシュ
「ギャング・オブ・ニューヨーク」テルマ・シューンメーカー
「めぐりあう時間たち」ピーター・ボイル
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」D・マイケル・ホートン
「戦場のピアニスト」ハーブ・ド・ルゼ
【メイクアップ賞】
★「フリーダ」ベアトリス・ド・アルバ ジョン・E・ジャクソン
「タイムマシン」ジョン・M・エリオット・ジュニア バーバラ・ローレンツ
【長編アニメーション賞】
★「千と千尋の神隠し」
「アイス・エイジ」
「リロ&スティッチ」
「スピリット」
「トレジャー・プラネット」
【短編賞・アニメーション部門】
★「チャブチャブズ」エリック・アームストロング
「頭山」山村浩二
「Das Rad」Chris Stenner Heidi Wittlinger
「Katedra」Tomek Baginski
「Mike's New Car」Peter Docter Roger Gould
【短編賞・実写部門】
★「ディス・チャーミング・マン(Der er en yndig mand)」マーティン・ストラング・ハンセン ミア・アンドレアセン
「Fait d'hiver」Dirk Belien Anja Daelemans
「J'attendrai le suivant... 」 Philippe Orreindy Thomas Gaudin
「Inja (Dog)」Steve Pasvolsky Joe Weatherstone
「Johnny Flynton」Lexi Alexander Alexander Buono
【音響賞】
★「シカゴ」デヴィッド・リー マイケル・ミンクラー ドミニク・タヴェラ
「ギャング・オブ・ニューヨーク」イヴァン・シャーロック トム・フレイスクマン ユージン・ギアティ
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」クリストファー・ボイズ マイケル・ヘッジス マイケル・セマニック ハモンド・ピーク
「ロード・トゥ・パーディション」ボブ・ビーマー スコット・ミラン ジョン・プリチェット
「スパイダーマン」ケヴィン・オコネル グレッグ・P・ラッセル エド・ノヴィック
【音響編集賞】
★「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」イーサン・ヴァン・ダー・リン マイク・ホプキンス
「マイノリティ・リポート」リチャード・ハイムス ゲイリー・リドストーム
「ロード・トゥ・パーディション」スコット・ヘッカー
【視覚効果賞】
★「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」ジム・リジェル ジョー・レッテリ ランドール・ウィリアム・コック アレックス・フンケ
「スパイダーマン」ジョン・ダイクストラ アンソニー・ラモニナラ スコット・ストクディク
「スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃」ロブ・コールマン パブロ・ヘルマン ジョン・ノール ベン・スノウ
【名誉賞】
★ピーター・オトゥール