映画とネットのDIARY(tDiary版)

since 2004/07/15
ここは古い日記です。2013年11月からadiaryを使った新サイトに移行しました。
検索エンジンからのアクセスで、お探しのキーワードが見あたらない場合はNamazuで再検索してみてください。
映画の感想一覧 2004年7月以降 2005年  2006年  2007年  2008年  2009年

2006年02月01日 [Wed]

[MOVIE] 「フライトプラン」

「フライトプラン」パンフレット飛行機の中から6歳の娘がいなくなるというジョディ・フォスター主演のサスペンス。SFではないのだから、娘が飛行機のどこかにいるのは明白で、そのアイデアだけで後半まで持って行くのはつらいものがある。脚本も穴だらけで、よくまあこの程度の脚本で映画化にOKが出たものだなと思う。プロデューサーに脚本を読む力がよほどなかったか、映画化の段階で脚本が大きく書き換えられたかのどちらかなのではあるまいか(恐らく前者)。密室の中で人が消えたり、殺されたりの不可能犯罪には緻密なトリックがないと面白くない。母親が寝ている間に子供を連れ去るだけではがっかりするのだ。しかもそこからの展開が偶然に頼りすぎた部分がある。この犯人、バカかと思う。個人的には去年の「フォーガットン」(これはSFだったが)と並ぶぐらいのがっかり度。脚本は「ニュースの天才」のビリー・レイとピーター・A・ダウリング。設定だけは考えられても、そこからの物語の発展のさせ方が基本的に分かっていないようだ。監督はドイツ出身のロベルト・シュヴェンケ。序盤の不安なタッチは悪くなく、まともな脚本ならば、もう少しましな映画を撮る監督ではないかと思う。

ドイツで転落事故によって夫を亡くしたカイル(ジョディ・フォスター)は6歳の娘ジュリア(マーリーン・ローストン)とともに深い悲しみの中、ベルリン空港からニューヨークに帰る飛行機に乗り込む。最新型のジャンボジェットE-474はカイル自身の設計によるものだった。睡魔に襲われたカイルは眠り込んでしまう。3時間後、目覚めたカイルはジュリアがいなくなっているのに気づく。客室乗務員とともに飛行機の中を探すが、見あたらない。しかも、調査した乗務員はジュリアの名前が乗客名簿にないと言い出す。カイルがポケットに入れていたはずの航空券の半券もなくなっていた。カイルは機長(ショーン・ビーン)に助けを求めて捜索するが、やがてジュリアは夫とともに6日前に死んでいたという情報がもたらされる。孤立無援の中、錯乱したカイルは飛行機を緊急着陸させようとして、エアマーシャル(私服航空保安官)のカーソン(ピーター・サースガード)に取り押さえられ、手錠をはめられてしまう。

カイルが狙われたのが飛行機の設計士だったからという理由は説得力に乏しい。犯人の狙いがこの程度のことであるのなら、カイル以外の誰でも良かったはず。警官に包囲された飛行機の中でのカイルと犯人の対決もサスペンスにはなりようがない。もっともっと緻密に話を組み立てるべき映画だった。話の底が浅すぎるのである。熱演が少しも報われていないにせよ、ジョディ・フォスターは悪くない。ただ、フォスターのような知的な女性はこんなに錯乱しないのではないかと思う。飛行機に乗り合わせた精神分析医の役でグレタ・スカッキが出ているが、主要キャストではなく、パンフレットに名前さえないのが悲しい。

エアマーシャルという職業は初めて知った。同時テロ以降、保安強化のために配備が進んでいるそうだ。


2006年02月03日 [Fri]

空港の搭乗口

福岡空港の検査機にバッグを通したらブザーが鳴った。係員によると、中のポーチが反応したらしい。ポーチを出してもう一度通したらOK。ポーチの中に入っているのは洗面道具で、ひげ剃り、ムース(スプレー缶)、クシ、歯ブラシなど。いつもと変わらないのに、なぜ今日は鳴ったのだろう。

バッグの中をよく見たら、ちょうどポーチの上に当たる部分のポケットに車の鍵があった。これと合わせて反応したのか。

先週の出張では連れのバッグが鳴った。中にキャンプ時に使うナイフが入っていたのを忘れていたらしい。ナイフなら仕方ないですね。当然、没収された。

ディスプレイ接続

出張から帰ったら、FlexScan S1910-HRが届いていたのでさっそく接続。電源を入れた後にパソコンを起動。画面の解像度(1280×1028)は17インチと同じなので何ら違和感はない。というか、ほとんど差異が感じられない。画面の大きさもきれいさも。動画性能に関してもそれほど際だった違いはないように思う。前のディスプレイはけっこう優秀だったんだな。視野角(左右178度)は確かに広いような気はする。

使う前は必要性をあまり感じなかったArcSwing 2 スタンドは便利。角度と高さが自由自在なので、前のディスプレイよりも高さを低くできた。アプリケーションごとに表示の仕方を自動調整するオートファイン・コントラストはまあなくてもいいような気が。手動で調整してもなんら構わない。テキストモードは僕には暗すぎる感じ。これ、USB接続が必要なのだが、背面のUSBポートはすべてふさがっているので、前面につないで使用中。USBハブを買ってくるか。

アカデミー賞ノミネート

BS2でゴールデングローブ賞の授賞式を見ながら、そう言えば、アカデミー賞もノミネート作品が発表されたのだったと思い、IMDBのAcademy Awards 2006で確認。キーラ・ナイトレイ(「プライドと偏見」)が主演女優賞候補に入ったのがいいですね。ナイトレイはこの作品で立派に主演女優を務められることを証明したと思う。受賞してほしいけど、まだ早すぎるし、無理だろうなあ。既に「モンスター」で受賞しているシャーリーズ・セロンも除外すると、ゴールデングローブ賞を受賞した2人、フェリシティ・ハフマンとリース・ウィザースプーンの争いになりそうな感じ。

助演男優賞で「シンデレラマン」のポール・ジアマッティが候補に入ったのはご同慶の至り。ラッセル・クロウが言っていたように関係者がけっこう運動したのかも。


2006年02月04日 [Sat]

「ナイト・ウォッチ」予告編

ロシア製のダークなSFファンタジーで4月公開が決まった。光の勢力と闇の勢力の戦いで、光の勢力の方はバンパイアという設定だけを見ると、「アンダーワールド」みたいな感じだが、もっと面白そう。ロシアでは大ヒットして興収記録を塗り替えたそうだ。といっても1600万ドル(18億4000万円)。きっと入場料が安いのだろう。続編の「デイ・ウォッチ」はさらに大ヒットしている。監督のティムール・ベクマムベトフはCMディレクター出身らしい。

公式サイトにある「2004年のアカデミー賞外国語映画部門にノミネートされた」とあるのは間違いでしょう。外国語映画賞のロシア代表作品に選ばれたのでは。本賞のノミネートには入っていない。


2006年02月05日 [Sun]

サンワサプライ:USB-HUB203BS

ベスト電器で買ってきた。定価6,980円が3,980円。4ポートあるが、ハブ本体をパソコンに接続するために既に接続してあるUSBケーブルを一つ外さなくてはいけないので、プリンタのUSBケーブルを外す。プリンタとディスプレイのUSBケーブルを接続したら残りは2個になった。とりあえず外付けHDDを接続する時もこれで安心。

ACアダプタもそんなに大きくなくていい感じだが、電源ケーブルとUSBケーブル(約1.8メートル)が少し長いか。パソコンの裏側に配線がまた増えた。

読者のベストテン

キネ旬の2月下旬決算号が届いた。邦画の1位は「ALWAYS 三丁目の夕日」、洋画は「ミリオンダラー・ベイビー」。シネマ1987選出のベストテンとまったく同じ。今回から始まった(今回だけ?)GyaO一般観客賞は邦画・洋画合わせての投票で、1位は「四月の雪」。2位に「甘い人生」が入っているのが韓流ブームらしい。「私の頭の中の消しゴム」は4位で「甘い人生」よりも下なのが意外。これ、読者選出ベストテンには入っていない。

さて、問題の「男たちの大和 YAMATO」がなぜ評論家選出のベストテンで8位に入ったのか、採点表を見てみた。日本映画には51人が投票していて、大和に入れたのは12人だった。1位にした評論家が3人(内野小百美、西脇英夫、増當竜也)いる。9位の「空中庭園」には14人が投票しているが、1位に推した評論家はいなかった。「大和」との得点差はわずか6点だった。


2006年02月06日 [Mon]

「ブレードランナーの未来世紀」

「ブレード・ランナーの未来世紀」表紙80年代アメリカのカルト映画を解説した町山智浩の本。取り上げているのはデヴィッド・クローネンバーグ「ビデオドローム」、ジョー・ダンテ「グレムリン」、ジェームズ・キャメロン「ターミネーター」、テリー・ギリアム「未来世紀ブラジル」、オリバー・ストーン「プラトーン」、デヴィッド・リンチ「ブルーベルベット」、ポール・バーホーベン「ロボ・コップ」、リドリー・スコット「ブレードランナー」。いずれも好きな映画ばかりなので、つい買った。

まだ第1章の「ビデオドローム」のところを読んだだけ。この映画が難解とあるのはちょっと意外。いや、難解なのだが、なんとなく意味は通じるのだ。同じクローネンバーグなら、僕には「裸のランチ」(1991年)の方がよほど難解だった。

「ビデオドローム」の難解さは主に製作上のスケジュールが影響していたと説明してある。これは知らなかった。1981年当時のカナダは国産映画に出資すると、税金を免除する制度があったそうで、クローネンバーグは映画化の許可を取り付けた後、机しかない部屋を借りて脚本を執筆したが、「ありとあらゆるアイデアが浮かんで」収拾がつかなくなり、脚本が未完成のまま撮影に入ったのだという。

第1章は宗教とメディア、セックスと暴力の表現を含めて映画の結末まで詳しく解説されている。映画を未見の人は見てから読んだ方がいいだろうが、アメリカの社会状況を含めた考察はとても面白い。こういうカルト作品が好きな人にお勧め。


2006年02月07日 [Tue]

会社の携帯

「君のは古くなってるから変更しよう」と言われる。会社の携帯はあまり使わない(なんせ社内で携帯の料金が一番安いと言われるぐらい)のだが、機種変更は歓迎。ドコモの携帯に関しては詳しくないが、えらく薄型のタイプをいただく。調べてみると、ムーバP213i。2004年10月に出た機種だった。カメラもなく、薄いのだけが取り柄というタイプ。せめてFOMAにしてほしいものだ。前の携帯は3年ほど使っていたし、きっとこれ、無料で交換したんだろうな。ま、自分からはほとんどかけないのでのでどうでもいいんですが。バッグに入れておくだけだから、薄いのはメリット。

自分の携帯は予定通り6月に交換予定。最近は自分の携帯の料金も安くなって、先月は6000円余り。PCサイトビューワーをあまり使わないと、料金はかからないな。


2006年02月08日 [Wed]

Return-Pathがinfo@.*com

きょう20通ほど迷惑メールフォルダに入った。差出人がinfo@.*comのメールは以前からあって、これはすべて受信拒否にしているが、Return-Pathの方も同じやつが出しているのだろう。差出人では拒否する人が多くなったので差出人の方を詐称してReturn-Pathに変えたのではないか。猿知恵並みだな。Spam Mail Killerはこのメール、中国経由のメールとして削除するので、特に対処は必要ないが、シャクなので、禁止リスト@正規表現に

Return-Pathがinfo@.*comのスパム対策, Return-Path:, /info@.*(com|net)/km

を追加しておいた。@niftyの方でも同じ設定にしてとりあえずゴミ箱に行くようにした。様子を見て間違いがなければ、受信拒否にしよう。

[MOVIE] 「スタンドアップ」

「スタンドアップ」パンフレットようやく見た。アメリカで初めてのセクシャル・ハラスメントの集団訴訟となった題材を「クジラの島の少女」の女性監督ニキ・カーロが映画化。裁判の原告席に座る主人公ジョージー(シャーリーズ・セロン)の回想で綴られるが、裁判自体を描いたというよりも、一人の女性がひどすぎる現状を変えようと立ち上がる姿を描いている。邦題のスタンドアップはだから的確なのだが、的確すぎて面白みには欠けるセンスだと思う(原題はNorth Country)。

映画も邦題に負けず真正直な作りである。ここで描かれるセクハラは社会的弱者への差別・攻撃・侮蔑・無理解と同じことで、男女の関係に限らない普遍性を持ち得ている。現状を打破しようとする主人公の行動には強く共感させられる。ただ、技術的に感心した部分はあまりなかったし、もう少し短くできると思う。主人公と父親の関係、夫の暴力、息子との関係、過去の不幸な出来事、友人の難病などなどが詰め込まれ、これは主人公のキャラクター形成の上では意味があるのだが、主題をやや分散化する方向に働いてしまったようだ。題材から言って鋭い社会派の映画になるはずが女性映画に近くなった観がある。それでも美貌と演技力を兼ね備えたシャーリーズ・セロンを見るだけでも価値がある。アカデミー賞主演女優賞ノミネートも当然という感じの演技である。ショーン・ビーンやシシー・スペイセク、フランセス・マクドーマンド、ウディ・ハレルソンら脇を固める俳優たちの演技もいちいちうまく、役者に助けられた部分が大きい映画だと思う。

最初にInspired by True Storyと出るので、現実の訴訟そのままではなく、フィクションを取り入れた部分が多いのだろう。1989年、ミネソタ北部の小さな街が舞台。夫の暴力に耐えかねて故郷に帰ったジョージーは2人の子供を養うため旧友のグローリー(フランセス・マクドーマンド)に誘われて給料のいい(食堂のウエイトレスの6倍)鉱山で働き始める。最高裁の判例があるので仕方なく女性にも職場を少し開放しているといった感じの会社は女性への配慮はまったくない。粗にして野だが卑でもあるという最低の男たちが女性蔑視を当然のようにして横暴に振る舞う。働く女性たちは金を稼ぐために男たちの嫌がらせを我慢するしかない。ジョージーはあまりの仕打ちに腹を立て、社長に訴えるが、取り合ってもらえず、逆に辞職を勧められる。ついに高校時代に付き合っていたボビー(ジェレミー・レナー)に暴行を受け、ジョージーは弁護士のビル(ウディ・ハレルソン)に相談して会社を訴える。

ジョージーは裁判を起こしたことによって男たちの反感を買うだけでなく、働き口を守りたい女性たちからも孤立してしまう。そんな中、娘と対立していた父親が組合の集会で孤立した娘を守ろうと立ち上がる姿は胸を打つ。ここがあまりにいいので、その後、裁判で主人公のレイプされた過去が描かれ、息子と和解し、職場の仲間の女性たちが立ち上がるシーンがやや弱い印象になった。というか、そんなにたくさんクライマックスは不要のように思う。ひどい職場を改善するために組合結成に立ち上がった女性を描くマーティン・リット「ノーマ・レイ」(1979年)のように主題を絞り込んだ方が良かったのではないか。まじめに取り組んだ力作であることは間違いないが、突き抜けた傑作にはなり得ていないのが少し残念だ。


2006年02月09日 [Thu]

[MOVIE] 「ミュンヘン」

「ミュンヘン」パンフレットInspired by Real Event.イスラエル政府は公式には暗殺チームの存在を認めていないので、この映画もまた細部はフィクションである。そしてフィクションとしてはとても面白い。古今東西のスパイ映画や殺し屋を描いた映画の中で出色の出来だと思う。モサドの兵士たちがベイルートのPLO幹部を襲う場面などはヤクザ映画を彷彿させ、見ているうちに戦争映画になる。後半、暗殺チームの存在が知られ、命を狙われることになって、主人公が部屋のベッドを切り裂いたり、電話やテレビを分解して爆弾を探す場面は「カンバセーション 盗聴」(1973年)で狂ったように盗聴器を探すジーン・ハックマンの姿を思い出した。フランスでチームにPLOの情報を教える一家の描写などは「ゴッドファーザー」のようだ。この映画はそうした過去の映画のあれやこれやを思い起こさせる。もちろん、スピルバーグの描写の技術は超一流なので、暗殺場面のリアルさ、サスペンスの醸成は抜かりがなく、2時間44分を一気に見せる。映画の面白さには何の文句もない。テロがテロを生み、報復の連鎖が終わらないという主張にもまた何の文句もない。

ただ、見ているうちにくすぶってくる不満は、テロの恐怖や無意味さを描くのなら、自分の国を取り上げてはどうか、ということだ。30年以上前の他国のテロに仮託して現在のテロの恐怖を描く方法は宇宙人の殺戮にテロを重ねた前作「宇宙戦争」と基本的には同じである。イスラム過激派とアメリカの対立の構図を元にして今を鋭く突く映画をスピルバーグは作るべきだった。そういうジャーナリスティックな視点がないので、現在に近いところで成立させた「亀も空を飛ぶ」のような衝撃をこの映画は持ちようがないし、結局、テロの恐怖が一般論に終わってしまう。一級のサスペンス映画になった完成度の高さに感心する一方で、そういう不満を抱いてしまう映画である。

1972年9月。ミュンヘン・オリンピックの選手村に「黒い9月」を名乗るパレスチナゲリラが侵入し、イスラエルの選手・役員11人を人質に取る。「黒い9月」はイスラエルに収監されているパレスチナ人の釈放を要求するが、イスラエル政府は拒否。当時の西ドイツ政府は犯行グループを国外に脱出させることで合意する。しかし空港で銃撃戦が始まり、人質11人は全員殺される。映画は冒頭でこの事件の概要を描いた後、イスラエル政府の報復を描く。ここからが本題である。政府は事件を首謀した11人のPLO幹部の暗殺を決定し、諜報機関モサドの中から5人の暗殺チームを組織する。リーダーのアヴナー(エリック・バナ)は妊娠7カ月の妻を残し、ヨーロッパに旅立つ。仲間は車両のスペシャリスト、スティーブ(ダニエル・クレイグ)、暗殺現場の後処理を担当するカール(キアラン・ハインズ)、爆弾製造のロバート(マチュー・カソビッツ)、文書偽造のハンス(ハンス・シジュラー)の4人。フランス人の情報屋ルイ(マチュー・アマルリック)から情報を買い、5人は次々に標的を始末していくが、やがて5人の存在は敵に知られ、チームは一人また一人と殺されていく。

最初の1人は銃で撃って倒すが、その後は爆弾で始末していく。爆弾を使うことでマスコミに取り上げられ、相手に恐怖を与えるために政府からもそう指示されているからだ。電話やテレビ、ベッドに仕掛けた爆弾での暗殺はそれぞれにサスペンスの仕掛けがあって面白い。イスラエルの選手がゲリラに顔を銃で撃たれて両方の頬に穴が開く描写や、撃たれた女殺し屋がしばらくして首の銃創から血をドクドクと噴き出す描写、腹に響く爆発音などなどリアルな場面がたくさんある。

こうした描写やサスペンスがあまりに面白いので「シンドラーのリスト」のような社会派の映画を見るつもりが、スパイ映画の傑作を見せられたような気分になる。スピルバーグの技術はそういう場面を的確に撮ることに長けているのだ。だから主題と内容の面白さとの間にアンビバレンツな気分が起こってきてしまう。「自分たちは高潔な民族じゃなかったのか」。メンバーの一人が言うように暗殺を続けていくうちにアヴナーの心にも迷いが起きる。1人を殺してもすぐに後任が出てくることで自分たちの使命に意味を見いだせなくなり、自分が殺されることの恐怖もわき上がってくる。そうした苦悩が描かれていくのは過去のヤクザ映画やギャング映画と同じ構図である。そうしたジャンルの中で「ミュンヘン」はトップクラスの面白さを誇っているのだけれど、テロとその報復を描いてそんな風な映画の在り方でいいのかという気分になってくる。スピルバーグの面白さを追求した技術はフィクションを描くにはとても有効だが、現実のテロを描くには向かないのではないか。現実から乖離したフィクションのようになってしまうのである。

付け加えておけば、パレスチナ自治評議会選挙でイスラム過激派のハマスが圧勝し、中東情勢が緊迫感を高めていることで、この映画は結果的にタイムリーになった。あくまでも結果的にであって、意図的にではないことが残念なのである。

「容疑者Xの献身」論争

ミステリマガジン3月号に二階堂黎人「『容疑者Xの献身』は本格か否か」、笠井潔「『容疑者Xの献身』は難易度の低い本格である」という文章がある。元々は二階堂黎人がホームページの日記(2005年11月28日から始まる)に書いたことが元になって、掲示板などで論争になっているらしい。二階堂黎人としては「今年の本格推理の収穫のように書いている書評」に対する反感から書いたことで、作品自体を貶めているわけではない。

別に本格推理小説かどうかということは作品自体の評価に影響を及ぼすものではないし、どうでもいいと思うが、本格ではないものを本格として褒める評論家と読者に我慢がならないということのようだ。僕は本格ミステリはあまり読んでいないので、1月2日の日記に「よくできた本格ミステリで1位にも異論はないが、ぜいたくを言えば、もっと石神のキャラクターを掘り下げた方が良かったと思う」と書いたけれど、これは名探偵対名犯人の構図で単純に本格ミステリと思ってしまったため。二階堂黎人の定義に従えば、確かに本格ではないのだろう。

ところが、笠井潔の文章では「一応のところ本格探偵小説である」と書いてある。誌上討論の形になっているが、笠井潔の文章は二階堂黎人の本格の定義に対する異論であり、「容疑者Xの献身」を擁護しているわけではなく、やはり「異様なまでの賞賛を集めている」ことへの異議申し立てである。作品自体への評価は笠井潔の方が厳しく、「適正に判断して初心者向けの水準だろう」としている。

言葉の定義の問題になってくると、論争としてはあまり面白くない。定義を厳密にすればするほど、そこから外れる作品は増えてくるだろう。おおまかな定義があればいいのではないかと思う。ただし、ある評者が「これはよくできた作品だが、○○ではない」とジャンルの定義を持ち出す時には暗に作品に対する非難も込められているものである。ジャンルの定義に従えば、それから外れた部分を非難することができる。これはSF界にもよくあって、スティーブン・キングなどはSFとは認めてもらっていない。というか、僕もSFとは思わない。

「容疑者Xの献身」に戻れば、この本の帯にある「純愛」という言葉に騙された人(そして読み終わっても純愛の部分に感動したままの人)も多かったのではないかと思う。「異常な純愛」「サイコな純愛」ではあっても、普通の純愛ではありませんね。ま、それも東野圭吾の責任ではなく、版元の責任なのだが。


2006年02月10日 [Fri]

一太郎2006

届いたのでインストール。今回は広辞苑第5版 for ATOKも併せて購入。午前9時過ぎにセットアップして登録特典ページに行ったら、まだ一太郎2006用の特典は掲載されていなかった。遅いぞジャストシステム。と思ったら、ATOKの方のページに掲載されていた。

一太郎を起動してみると、おおインターフェイスが一新されている。動作も軽くなったと思うのは気のせいか。ま、一太郎のアップよりもATOKのアップの方が重要なんですがね。

広辞苑は文字入力後、未確定の状態でEndキーを押すと、語句の意味が表示される。とあったので、Endキーを押してみたが、表示されない。僕のキーボードではFnキーとEndキーを同時に押す必要があった。

Namazu2.0.15をインストール

ようやく時間ができたのでインストール。いつものように

tar zxvf namazu-2.0.15.tar.gz
cd namazu-2.0.15/File-MMagic
perl Makefile.PL LIB=/home/cinema1987/lib INSTALLMAN3DIR=/home/cinema1987/man
make
make install
cd /home/cinema1987/namazu-2.0.15
./configure --disable-shared --prefix=/home/cinema1987/local --with-pmdir=/home/cinema1987/lib
 --with-libintl-prefix=/usr/local(実際は上の行と合わせて1行に)
としたら、File-MMagicがインストールされていないとエラーが出た。エラーメッセージに
    Or you can install File-MMagic to your home directory by the following way:
 
      % cd File-MMagic
 
      ExtUtils::MakeMaker older
      % perl Makefile.PL LIB=/home/cinema1987/lib INSTALLMAN3DIR=/home/cinema1987/man
 
      ExtUtils::MakeMaker newer
      % perl Makefile.PL LIB=/home/cinema1987/lib INSTALLSITEMAN3DIR=/home/cinema1987/man
 
      % make
      % make install
 
     Then, run configure again with --with-pmdir=DIR option.
      % cd ..
      % ./configure --with-pmdir=/home/cinema1987/lib

とあったので、perl Makefile.PL LIB=/home/cinema1987/lib INSTALLSITEMAN3DIR=/home/cinema1987/manの方を再度実行。./configureをやり直し、

make
make check

今度はmake checkでError Code 1のエラーが出た。testsのエラーが出ている。うーん。少し悩んでいろいろやってみたが、ダメ。しかし、ダメもとでそのままmake installしたらインストールできた。インデックス作成もOK。ちょっと不安はあるが、動いているのでまあいいでしょう。

[MOVIE] 「博士の愛した数式」

「博士の愛した数式」パンフレット吉岡秀隆がなぜ自分がルートと呼ばれているかを教室で生徒に説明する。それがこの物語の語り方。原作でルートは確かにラストで数学の教師になるが、黒板で数式の説明するようなシーンは映画としては、うまくはないなと思う。原作の地の文にある数学の説明をするには黒板は確かに便利だが、日本のSF映画でよくあった白衣の科学者が物事を説明するシーンになんだか似ているのだ。しかし、これは小さな傷で、全体としては心優しい気分になれる佳作だと思う。博士(寺尾聰)と義姉(浅丘ルリ子)の関係を原作より明確に描いたことは生々しくなってあまり好みではないのだけれど、ゆったりとした静かな物語のアクセントになっている。「義弟には10年前の私の姿がそのまま見えているのです」という義姉の言葉にはドキリとさせられた。博士の記憶が80分しかもたないことによって、この2人は他人には入り込めない濃密な関係にある。同時に80分しか記憶を持てないがゆえに博士は苦しみも悩みも記憶せずに純粋でいられる。小泉堯史の脚本・演出は博士の枯れた静謐な生活の裏にどろどろしたものがあることをそっと浮かび上がらせている。博士の純粋さに惹かれていく深津絵里の真っ直ぐな生き方が心地よい。

家政婦として働きながら10歳の子供を育てる主人公が元大学教授の博士の家で働き始める。博士は10年前に交通事故に遭って職と記憶の能力を失い、その後は義姉の世話になって離れに住み、細々と暮らしている。数学雑誌の懸賞に応募して賞金を得るのが唯一の収入である。原作で素晴らしいのは博士の人柄を示すこんなシーンである。

「プレゼントを贈るのは苦手でも、もらうことについて博士は素晴らしい才能の持ち主だった。ルートが江夏カードを渡した時の博士の表情を、きっと私たちは生涯忘れないだろう。(中略)彼の心の根底にはいつも、自分はこんな小さな存在でしかないのに……という思いが流れていた。数字の前でひざまずくのと変わりなく、私とルートの前でも足を折り、頭を垂れ、目をつぶって両手を合わせた。私たち二人は、差し出した以上のものを受け取っていると、感じることができた」

家政婦が何人も辞めた変わり者でありながら、数学を愛し、謙虚な姿勢を貫き、子供を庇護する。タイガースファンであるという共通点を持っていた博士と家政婦親子の3人は一緒に過ごすことで幸福な時間を得る。原作はそうした幸福な描写と数学の魅力がうまく調和して、とてもとても心地よい話になっている。ただし、原作を読んで少し不満に思ったのは終盤にもっと大きな秘密が明らかになるのではないかというこちらの想像がまったく裏切られたことだった。これはミステリ慣れしている自分が悪いのだけれど、映画はそういう不満をラスト近くの義姉の言葉によっていくらか緩和してくれた。両親も捨て、親戚も捨て、世捨て人のように暮らしている2人の関係がより現実的に浮かび上がってくるのである。

映画が幸福な描写だけに終始していたら、小泉堯史らしい映画ということで終わっていただろう。この脚本、決して絶妙にうまいわけではないが、少なくとも映画としてのバランスは取れている。寺尾聰と深津絵里が良く、特に深津絵里は映画では初めての適役といっていいぐらいの演技だと思う。


2006年02月11日 [Sat]

IMDBの掲示板

読むのにもレジスト(登録)しなければならない。手続きをして送られてきたメールに返信して完了する。読むだけなら、何もせずに読ませてくれてもいいような気がするんですけどね。ユーザーを把握するのに使っているんだろうか。

ただ、掲示板の書き込みでレジストを必要にしておくと、荒らしを防ぐには有効かもしれない。そういう風な掲示板のシステムは誰か作っていないのだろうか。手作業が入れば、できるだろうが、すべて自動化するにはPerlやRubyだけでは難しいかもしれないな。と思ったが、できそうな気はする。パスワード処理とCookieを使えば、何とかなりそう。といっても自分で作る気はありませんが。

トリノ五輪

やっぱり始まってしまうと、ずるずる見てしまう。ノルディック複合個人戦は日本勢は残念な結果だったが、レース自体はとても面白かった。それを見ていたんで、モーグルの上村愛子を見逃した。幸い、日本勢を振り返るシーンがあった。ここで上村のコークスクリューを見てびっくり。鮮やかでしたね。モーグルなんて五輪の時しか見ないからなあ。決勝でも頑張って欲しい。


2006年02月12日 [Sun]

Windows Movieモード

ナナオの液晶ディスプレイに付属しているモード。動画画面だけ(オーバーレイの部分)を明るくして他は暗くするモードで、こうすると、動画を表示しながらテキストを編集する時にまぶしくない。どうでもいいかと思っていたが、このモードにした方が確かに動画は見やすいようだ。Windows Media PlayerとかPowerDVDとかをこのモードにしておくと、起動した時に自動で切り替えてくれる。ま、DVDなどの動画は全画面表示で見ることが多いので、あっても悪くはないという程度か。

4人とも予選落ち

トリノ五輪のハーフパイプ。期待させた割には世界との実力の差が確実にあった感じ。大事なところで失敗しないのが実力なのだろう。トリノ五輪は出足は絶不調だな。今後もメダルが取れそうな競技があまりないのが残念。女子フィギュアも金は無理でしょうね。


2006年02月13日 [Mon]

[MOVIE] 「ジャーヘッド」

「ジャーヘッド」パンフレットジャーヘッドとは海兵隊員の俗称。1991年の湾岸戦争を経験したアンソニー・スオフォードのベストセラー「ジャーヘッド アメリカ海兵隊員の告白」を「アメリカン・ビューティー」「ロード・トゥ・パーディション」のサム・メンデス監督が映画化した。劇中にある「4日と4時間と1分で戦争が終わった」という表現は地上戦が始まった1991年2月24日から28日までを指す。

主人公が所属する第2小隊はサウジアラビアに駐留して油田警備などをしながら半年近くも延々と待った挙げ句、イラク国境に進撃するが、銃を撃つこともなく、終戦を迎えることになる。狙撃兵の主人公が生きた敵の姿を目にするのは、はるか遠くにいるイラク将校の姿をライフルのスコープの中にとらえる場面だけ。だから映画の中で描かれるのは湾岸戦争というよりも出番を待ち続ける海兵隊員たちの姿。IMDBによると、「Fuck」とそれに類する言葉が278回も出てくるそうで、そういう猥雑な海兵隊の日常がユーモアを交えて描かれていく。メンデスは一場面一場面をかっちりと撮っていく監督なので、燃え上がる油田の描写や砂漠の中の訓練など印象的な場面が多い。爆撃シーンはあっても兵士同士の戦闘場面はなく、それゆえ反戦とも好戦とも違った異色の戦争映画、軍隊映画になっている。ただ、それ以上のものではない。海兵隊の実情はよく分かっても、批判精神が希薄なので、中途半端さを感じるのだ。

映画の最初にざっと描かれる説明によれば、主人公のスオフォード(ジェイク・ギレンホール)の父親はベトナム帰還兵。母親は生活に疲れきっており、妹は精神病院に入っている。典型的なプアーホワイトの家なのだろう。「大学に行く途中で間違って」18歳で海兵隊に入ったスオフォードは「フルメタル・ジャケット」のような訓練を受けた後、サウジで「砂漠の盾作戦」に参加する。ところが、まだ外交交渉の段階なので、海兵隊の当面の任務は油田警備だった。ここから過酷な訓練やスオフォードの恋人への思い、「地獄の黙示録」の襲撃シーンに興奮する兵士たち、気温45度の中でのフットボール、クリスマスイブの騒ぎ、兵士たちのいらだち、苦悩などなどがスケッチされていく。そして砂漠に来て175日と14時間5分後にようやく「砂漠の嵐作戦」が開始される。

湾岸戦争は一応、イラクのクウェート侵攻をやめさせるという大義名分があり、アメリカ側の犠牲者も少なかったから、空爆によるイラクの死者が10万人を超えようとも、アメリカにとっては正義の戦いを標榜できた。その戦争を一兵士から見るという狙いは悪くなく、メンデスは無難にまとめているが、ドラマティックな要素は少ないので、ちょっと物足りない思いも出てくる。原作自体、海兵隊の人間ドラマのようだから仕方ないが、それをベースにフィクションを構築しても良かったのではないかと思う。物語の中心となるポイントらしいポイントがないのが弱いところか。

ジェイク・ギレンホールはこのところ、絶好調という感じ。普通のアメリカの青年を素直に演じて好感度が高い。指揮官のカジンスキー中佐を演じるのは「アメリカン・ビューティー」で元海兵隊大佐を演じたクリス・クーパー。小隊の直接の上司であるサイクス三等曹長は「Ray/レイ」のジェイミー・フォックス。それぞれ、いかにも軍人らしい演技をしている。


2006年02月14日 [Tue]

全文検索システムFFTS

徳島大学とピーチツリーという会社が共同開発したWeb全文検索システム。FFTSはFast Full Text Searchの略。商用のソフトで販売しているが、このホームページには価格は書いてない。問い合わせないとけいないようだ。いくらぐらいなのか知りたいところ。

技術資料にはNamazu、Googleとの比較があって、Namazuは比較的検索漏れが多く、検索ノイズも多いとの指摘がある。Namazuのように形態素解析によるインデックスではないので、文書中のすべての語が検索できるという。例えば、トピックスという言葉をトピックで検索してもヒットするのだという。それは便利と思うが、それがフリーのNamazuに比べてどの程度のアドバンテージになるのか、費用対効果を判断するには価格の明示が重要だろう。

Googleの検索で感心するのは多少の検索キーワードの間違いは修正してくれること。FFTSのヒント機能よりはこの方がユーザーには親切だと思う。

Sylpheed2.2.0

Linuxでは以前から使っていたが、Windows環境でも使えるようになった。いや、以前からそういうバージョンはあったが、随分前に使った時はまだベータ版で使い物にならない感じがした。今回のバージョンは何ら不具合はないようだ。動作が軽いのが最大のメリットか。

外部エディタの指定ができるのもいい。秀丸を外部エディタとして使う場合は

'C:\Program Files\Hidemaru\Hidemaru.exe' '%s'

のようにシングルクオーテーションで囲む必要がある。


2006年02月15日 [Wed]

PDFに適した形式で出力

一太郎2006からPDFを作成しようと、Adobe PDFで印刷したら出力に時間がかかる。7ページの文書だったからこんなものかと思ったが、出来上がったPDFを見たら、フォントが埋め込まれていない。これはどこかおかしい。一太郎の印刷設定をよく見たら、「PDFに適した形式で出力」という項目にチェックが入っていた。これ、前のバージョンにもあったかなあ。「GDIで出力」に変えて印刷したら、通常のPDFができた。

このチェック項目、ジャストシステムのPDF作成ソフト(2月10日発売のJustsystem PDF Suite)向けオプションなのか? このソフト、PDFの作成と編集ができてダウンロード版が3,675円というのは安い。要らないけど。


2006年02月16日 [Thu]

Subsearchプラグイン改良

 去年の1月4日に書いたNamazuによる再検索プラグインが動かなくなっていた。これはYahoo!の検索からこの日記に来た場合にNamazuで検索するよう表示するプラグイン。Yahoo!の文字コードがUTF-8に変わったためと、URLが変わったために文字化けしたり、表示されなくなったりしていた。  検索キーワードをRefererから抽出し、それをURLアンエスケープし、EUCに変換した後、URLエスケープしてNamazuにキーワードを渡す。RefererがYahoo!でない場合は何も表示しない。
#tDiary Subsearch
 
require "kconv"
def subsearch
namazu_url = "http://foo.bar.ne.jp/namazu/namazu.cgi"
yahoo_url = "http://search.yahoo.co.jp/search"
result = ""
cgi = CGI.new
buffer = cgi.referer
  if (/#{yahoo_url}/ =~ "#{buffer}") == nil
     buffer = ""
  else
     buffer = buffer.gsub(/#{yahoo_url}/,"")
     buffer = buffer.gsub(/\?p=/,"")
     buffer = buffer.split(/&/)
     buffer = buffer.first
     buffer = CGI.unescape(buffer)
     buffer = Kconv.toeuc(buffer)
     buffer = CGI.escape(buffer)
     result << %Q|
<span style="color:red;font-weight:bold;">Yahoo! Japanの検索からようこそ。</span>
お探しのキーワードが見あたらない場合は
Namazuで<a href="#{namazu_url}?query=#{buffer}&whence=0&max=20&result=normal&sort=score">
再検索</a>してみてください。\n|
  end
end

[MOVIE] 「PROMISE」

「PROMISE」パンフレットチェン・カイコー監督が日中韓のスターを共演させて撮ったファンタジー。タイトルも内容もチャン・イーモウ監督の「HERO」「LOVERS」を彷彿させるが、イーモウ作品がアクションとドラマのエモーションを切れ目なく融合させていたのに対し、この映画、アクション場面のCGがダメだし、エモーションの高まりも少ない。それぞれの場面の演出に繊細さが感じられない上に、場面の組み立ても雑に感じた。ディズニーの「ライオン・キング」を参考にしたと思われる水牛の大群の暴走シーンなどはCGの質感があまりにも安っぽくて情けなくなる。パンフレットのインタビューを読むと、カイコーは実写と明らかに異なるようにCGを演出したと語っているが、疑わしいものである。失笑を買うようなCGにどんな意味があるというのか。これが意図的だとしたら、大きな勘違いと言うほかない。ワイヤーアクションの撮り方もオリジナルなものはなく、この映画、スペクタクルな部分に関しては見るべきものはない。チェン・カイコー、ファンタジーやスペクタクルには向いていないのだと思う。

見るべきなのは真田広之、チャン・ドンゴン、ニコラス・ツェー、セシリア・チャンという俳優たちであり、この4人の演技がなんとか映画を水準に維持する要因になった。真田広之は立派に北京語をしゃべり、善悪入り交じったキャラクターを好演している。アクションが普通にできるのが強みだ。ニコラス・ツェーは「香港国際警察 New Police Story」とは違い、悪役めいた役柄を颯爽と演じている。チャン・ドンゴンとセシリア・チャンに関してはそれほど感心する部分はなかったのだけれど、スターとしての華やかさはある。日中韓のスターの共演という点では成功しているだろう。そのスターたちが着る衣装をデザインした正子公也も良い仕事をしている。

まだ、神が人間の前に普通に現れた時代の中国。貧しい身なりをした少女が運命を司る神「満神」(チェン・ホン)から、一生本当の愛を得ることができないことを条件に「すべての男から望まれる姫」にすると言われる。それでもいい、と少女は答える。20年後、少女は美しい王妃・傾城(チンション=セシリア・チャン)になっていた。赤い華の甲冑を着た大将軍・光明(クァンミン=真田広之)は3000の兵で2万の敵に勝利し、気分を良くしていた。光明は奴隷の崑崙(クンルン=チャン・ドンゴン)が戦いの中で見せた足の速さに目を付け、家来にする。光明は王の城へ行く途中、満神から自分が王妃を救うために王を殺す場面を見せられる。光明は謎の男・鬼狼(リウ・イエ)に襲われ負傷。光明の代わりに崑崙が赤い甲冑と仮面を身につけて、王の元へ行くが、そこでは北の侯爵・無歓(ウーホァン=ニコラス・ツェー)の軍勢が詰めかけ、王に傾城を差し出すよう要求していた。王妃に剣を向けた王を駆けつけた崑崙が殺してしまう。自分を助けてくれたと誤解した傾城は光明を愛するようになるが、光明は王殺しの罪をかぶることになる。事実を話せば、傾城の愛は得られないという立場。これに秘かに傾城に思いを寄せる崑崙とあからさまに傾城を要求する無歓、崑崙と無歓の過去の因縁が重なっていく。

ラブロマンスとしてはあまり魅力を感じない。話のスケールは大きいのに「LOVERS」に負けているのは4人の心の動きを丹念に描いていないからだろう。愛のドラマではなく、女を巡る争奪戦にしか見えない。チェン・カイコーはそうした恋愛ドラマにはあまり興味がないのかもしれない。「星願 あなたにもういちど」(1999年)では初々しかったセシリア・チャンは大人の女の魅力を見せるようになっているが、ニコラス・ツェーとならバランスが取れるものの、真田広之、チャン・ドンゴンとは年齢的に少し無理があるように思う。原題の「無極」は極まりのないこと、果てしないことを意味するそうだ。


2006年02月17日 [Fri]

TSV取得

掲示板のログを日付順に並べ替えたいと思い、Perlで簡単なスクリプトを書いたが、FTPでダウンロードしてPerlを実行してというのが一連の作業にならないのが不満。FTPなら、なでしこの命令にあるのでなでしこで書き直してみた。ログの各項目をタブで区切り、名前やコメント、日時など必要な部分だけをテキストファイルに保存する。タブ区切りなのでエクセルをなでしこから起動してデータを貼り付ければOK。それをコピーして秀丸に貼り付けて、加工すればいい。

ただ、これもエクセルを起動するのが気に入らないし、起動した後、エクセル上で「データ」―「並べ替え」を行う必要がある。久しぶりになでしこのマニュアルを読んだら、タブ区切りのデータを読み込むTSV取得という命令があった。これを使うと、タブ区切りのデータが自動的に二次元配列になる。なでしこは二次元配列の操作が得意らしい。この命令を使って、データを読み込んだ後、日付で表ソートを行ったら、できた。FTPダウンロードからファイル作成まで5秒もかからない。秀丸上での加工も不要になった。

なでしこはいろんな命令があるのが便利だと思う。さまざまな機能を一から作る必要がないのは大きなメリット。なでしこで作ったソフトを公開している人もいるが、そこまでいかなくても日常の作業や仕事などに使っている人はけっこう多いのではないかと思う。


2006年02月18日 [Sat]

ログコンバータ

GUIも作ってほぼ完成。映画フォーラムに使っている掲示板I-BOARDのログを日付順やタイトル順に並び替えるソフト。ログを整形して会報に載せるために作ったソフトで、これ、僕以外に使う人はいないだろう。というわけで、汎用性の考慮はまったくなし(ソース)。

ログコンバータ

ところで、なでしこの最新バージョン(version 1.3991)にはバグがあるらしい。TSV取得してもなぜか、コンマがあったり、コンマを置換しても残ったりする。あるいは母艦(メインフォーム)のリサイズのオフ(最大化の有効をオフ)もできなかったり。他の処理は一応うまくいっているので、深刻なバグではないような気はするが。

[MOVIE] 「シャークボーイ&マグマガール 3-D」

「シャークボーイ&マグマガール 3-D」子供にせがまれて見に行く。ロバート・ロドリゲスが「スパイキッズ3-D:ゲームオーバー」(2003年)に続いて撮った3D映画。「シン・シティ」の次の作品としては情けなくなるようなレベルの映画で、ロドリゲスは自分の7歳の息子のアイデアを基に撮ったらしい(ちゃんとレーサー・マックス・ロドリゲスという名前が原案にクレジットされている)。「スパイキッズ」よりは少しましなレベルと思ったが、IMDBでは3.7という目を疑うような低い点数が付いている。いや、それも普通の映画と比べれば、仕方がないだろう。僕はある程度覚悟して見たので、そこまで酷評はしない。

3D映画は見せ物としてはとても面白く、この映画でも水泡が目の前にプカプカ浮く場面などは良くできていると思う(長くメガネを掛けていると、目は疲れる)。パンフレットにはちゃんと赤と青のプラスティックを張ったメガネが付いていて、表紙が立体的に見える(中にも立体的なページがある)。問題はストーリーで、ロドリゲス、子供向けとなると、途端に手を抜くようだ。夢見ることの重要さを訴えるのはいいのだが、それを何度も繰り返されると、鼻についてくる。こういうことは最後にそっと言えばいいこと。必要以上に強調するのは野暮である。内容も「スパイキッズ」と同工異曲のストーリーをやっても面白くならないのは自明のことだろう。想像力が幼稚すぎる。子供向けでもいいから、大人が居眠りしないような作品を撮ってほしいと思う。

空想好きの少年マックス(ケイデン・ボイド)は夏休みの思い出として学校で、サメに育てられたシャークボーイ(テイラー・ロートナー)と炎とマグマを自在に操るマグマガール(テイラー・ドゥーリー)の話を発表する。クラスの仲間からもエレクトリシダッド先生(ジョージ・ロペス)からも信用されず、いじめられる始末。しかし、シャークボーイとマグマガールはマックスに助けを求めて本当に学校にやってくる。彼らの暮らす「よだれ惑星」が闇の勢力によって危機にさらされているという。その惑星はマックスの夢見る力で作られたのだった。マックスは2人とともに惑星に行き、危機を救おうと奔走する。

敵が学校の先生だったり、いじめっ子だったりするのはこうした映画のお約束か。「よだれ惑星」というネーミングもひどいが、そこで描かれるものも何ら新鮮なものがない。1時間33分の上映時間だが、1時間で語れる話である。7歳の子供のアイデアをそのまま描いては面白くなるはずがない。子供はもっと複雑な話でも理解するものだし、そういう奥行きのある話の方が何度も見たくなるはず。ロドリゲスにはそういうことをよく考えて、子供向け作品を作って欲しい。

日本語吹き替え版は山寺宏一が何役もやっている。達者な人だなと思う。


2006年02月19日 [Sun]

「ブラック・セプテンバー 五輪テロの真実」

16日にWOWOWで放映したのを録画して見た。2000年のアカデミー長編ドキュメンタリー賞受賞作(原題はOne Day in September)。スピルバーグの「ミュンヘン」公開劇場ではDVDが先行販売されているそうだ。DVDのタイトルは「ブラック・セプテンバー ミュンヘン・テロ事件の真実」。

事件の始まりから終わりまでを当時のニュース映像と関係者、遺族、そして8人の犯行グループのただ一人の生き残りジャマール・アル・ガーシーのインタビューで構成している。犯行グループは3人生き残ったが、2人はイスラエルの暗殺団に殺され、ガーシーはアフリカに隠れ住んでいるという。

ドイツ政府は空港で犯人を捕らえるか射殺する計画を立てたが、用意した狙撃兵は5人だけ。犯行グループの数を4、5人と思っていたためだ。飛行機の中に隠れ、犯人を捕らえる予定だった警官たちは「これは自殺行為だ」として犯行グループの到着直前に逃げてしまう。人質全員が死亡するという最悪の結末となったのはドイツ政府のこの対応がまずかったからというのがはっきり分かる。当時はテロへの準備も態勢もなく、ずさん極まりない計画を立てたのが最大の原因だろう。

驚いたのは犯行グループの3人が釈放されたハイジャック事件の真相。事件から7カ月後に起きたルフトハンザ機のハイジャックで、飛行機に乗っていた乗客は12人。それも男ばかりだった。ドイツ政府とテロリスト側が裏取引して事件を演出したらしい。背景には3人を釈放することで、テロを防ぎたいというドイツ政府の意図があったという。そこまでやるか、という感じ。ドイツの対応にイスラエル政府が怒ったのも当然だなという気になる。


2006年02月20日 [Mon]

処理時間3秒

さらに手を加えて、映画フォーラムのログコンバータが完成。1発処理ボタンというのを作って、処理をやってみたら3秒で終わった。FTPでのログダウンロード→整形→過去1カ月分抽出→ファイル保存までの時間である。FTP後に「1秒待つ」処理を入れているので、実際の処理に要した時間は2秒ということになる。

今まではPerlで一括表示するスクリプトを自作して処理していたが、表示したものを手動でコピーして不要な部分(1カ月以上前の部分)を手動で削除していたので文章整形には少なくとも20分程度はかかっていただろう。掲示板のログは書き込みの順番が時々変わるので抜ける部分も多かった。それが正確に抽出されて3秒。プログラムって作るものだなあ。

「ログコンバータ」

作っている途中で、なでしこのバグをいくつか発見。古いものから新しいものに並んだログをTSV取得し、文字列を表ソートすると、タイトル順には並ぶのだが、同じタイトルの日付が新しいものが先に来てしまう。これはちょっと悩んで、表ソートを2回やったら、OKだった。タブで区切られたログをTSV取得すると、コンマで区切られてしまうのは仕様らしい。これはコンマをタブに置換すればいいだけなので、困ることはない。ちなみに処理時間の算出は

fは今。     ……#処理開始時間を記録
ログFTP取得   ……#ログをFTPでダウンロードする処理
一次処理         ……#日時、タイトル、名前、コメントを抽出する処理
過去1カ月分     ……#過去1カ月分のログの抽出処理
タイトル順       ……#タイトル順に並べ替える処理
lは今。          ……#処理終了時間を記録
pはfとlの秒差    ……#秒差を計算
フォーラムメモのテキストは「一発処理を行いました。処理に要した時間{p}秒。」

で計算している。せめて100分の1秒まで計算できると、面白いと思うんですけどね。


2006年02月21日 [Tue]

キネ旬3月上旬号

「Review 2006」のメンバー8人が一新している。たしか、このコーナーは始まって5年ほどたつはず。変わってもおかしくはないが、全員変わるとは思わなかった。新しく渡辺武信、今野雄二の2氏が入ったのが個人的にはうれしい。しかし、渡辺武信、「PROMISE」に★4つを付けているのはどうもなあ。2つで十分じゃないのか。

日本映画製作情報で驚いたのは「犬神家の一族」の30年ぶりのリメイク。90歳の市川崑監督が自分でリメイクするという。主演は旧作と同じ石坂浩二(今年65歳)。僕は市川崑のファンだが、90歳で大丈夫かと心配になる。


2006年02月22日 [Wed]

「魚と寝る女」(GyaO)

GyaOで放映していたので見る。キム・ギドクの2000年の作品。「悪い男」(2001年)や「春夏秋冬そして春」(2003年)の原型のような作品だ。ヒロインにまったくセリフがないのは「悪い男」だし、湖に浮かんだ小屋船が舞台なのは「春夏秋冬そして春」。三枚におろされ、湖に放された鯉が再び釣り針にかかる場面などは「春夏秋冬…」の石を結ばれたカエルや蛇が生き返るシーンそのままで、内容的にも人の生と性と死を描いて共通している。人間の営み、男女の営みを直接的・間接的表現を織り交ぜて描き、面白いイメージがたくさんある。

ギドクは直感的な描写の人なのだと思う。ストーリーを語っても何も面白くないのに、所々にあるイメージの鮮烈さで映画をもたせている。そのイメージにどんな意味があるかというと、どうとでも取れる感じがする。それが逆にこの作品の長所でもあるのだろう。

僕はヒロインの存在の仕方を見て、何となく勅使河原宏の「砂の女」を思い出したが、ギドクの手法は独自のもので、だからこそ価値があると思う。


2006年02月23日 [Thu]

なでしこの文字コード変換

なでしこで文字コードEUCのHTMLファイルをHTTPダウンロードして、SJIS変換したら、なぜか変換してくれない。HTMLの場合、最初の方にアスキー文字列が多いので、何の文字コードから変換するのか判断を誤るらしい。このまま後の処理を続けると、置換や正規表現置換をしてもうまくいかない。

こういう場合は「EUCからSJISへ文字コード変換」と明示して書くそうだ。それでもうまくいかない場合があったが、それはこちらの書き方が悪いせいか。アスキー文字列が多くて日本語が短い文書の場合に間違うことが多い。今日は休みだったが、映画にも行かず、1日これで時間を潰した。一応作りたかったプログラムのめどは立ったので、いいんですがね。


2006年02月24日 [Fri]

Yahoo!の迷惑メール

アドレスを公開してもいないのに、一度届くと、毎日毎日届く。今は1日40通程度。以前、@niftyに届いていた1日60通に迫る勢いだ。Yahoo!の場合、迷惑メールフォルダに入ったものは1週間で自動削除してくれるし、ごみ箱に入ったものは1日で消える。だから、放っておいてもいいのだが、アドレスを変えるのも手だな。迷惑メールを送ってくる相手に大量のエラーメールを返すことができるだろう。そのうちに変更しようと思う。

Yahoo!で最近よく使っているのはブリーフケース。これは書いたプログラムをアップしておくのに便利。会社でも自宅でもそれを参照できる。1GBあるので、テキストのソースにしておけば、相当な数のプログラムが置ける。重要書類を置いておくのはセキュリティー上不安なので、やめた方がいいでしょうけどね。


2006年02月25日 [Sat]

VISAギフトカード

ナナオからいただく。5000円分。ディスプレイの割引になるらしい。家内にあげる(取られる?)

エキシビション

荒川静香は良かったなと思う。金メダルを取って、引退を示唆する発言もできた。24歳で引退というのは一般社会の基準から言えば、どうかと思うが、フィギュアの世界では珍しくないのだろう。エキシビションの演技はそれなりに見せた。

25歳の上村愛子はきょう、全日本選手権モーグルで圧倒的な強さで3連覇して、バンクーバー五輪を目指すことを明言した。34歳の岡崎朋美は明言はしていないけれども、次も出たいと思っているのではないか。3人とも長野五輪から苦闘の8年間を過ごしてきた選手たち。その努力には頭が下がるし、文句を言う筋合いではないけれども、苦しい競技生活を続けることを選択した選手たちの方が尊敬に値するように思われてならない。女子フィギュアは本当は自己免疫疾患と闘い、母親の腎臓病の看病を続けたスルツカヤが優勝すべきだったのかもしれない。


2006年02月26日 [Sun]

[MOVIE] 「県庁の星」

「県庁の星」「あたしたちには県庁さんの力が必要なんです」。高校を中退して16歳から三流スーパーにパートで勤める二宮あき(柴咲コウ)が主人公の野村聡(織田裕二)に言う。もちろん、「県庁さん」とは県庁の組織のことではなく、主人公を指す。野村は県の巨大プロジェクトの中心にいて、「県庁の星」と期待されていたが、派閥によってプロジェクトから外され、建設会社社長の娘との婚約も解消。自分が望んでいたものをすべて失い、「エリザベスタウン」の主人公のようなどん底の状態に落ちる。ショックで民間研修先のスーパーも無断欠勤。そこへ、野村が書いたスーパーの改善計画を読んだあきがやってきて「あなたが必要だ」と話すのだ。「あたし、いつも気づくのが遅いんだ」。

あきの言葉がきっかけとなり、野村はスーパーの改善に懸命に取り組み、同時に一般庶民の視線に立って人間的な成長を果たしていく。桂望実の原作を「白い巨塔」や「ラストクリスマス」などテレビドラマのディレクター西谷弘が監督。終盤にある主人公の演説シーンなどは設定がリアリティーに欠けるし、県庁内部の描写にステレオタイプなものもある。しかし、後半、厳しい現実を知った主人公がそれまでの上昇志向から変わっていく姿には深く共感できるし、映画デビュー作としては上々の出来と思う。こういう話、僕はとても好きだ。織田裕二もいいけれど、目の動きや言いかけた言葉、さりげない仕草に深い情感を込めた柴咲コウの演技にほとほと感心させられた。柴咲コウ、「メゾン・ド・ヒミコ」に続いて絶好調である。

元々、野村がスーパー「満天堂」に研修に来たのは事業費200億円をかけたプロジェクトを成功させるためだった。そのプロジェクト、「特別養護老人複合施設(ケアタウン)」の建設は市民団体から反対の声が起きていた。プロジェクトに民間の視点を取り入れるため、野村など数人が民間企業に研修に行くことになる。スーパーのことを知り尽くし、“裏店長”と呼ばれるあきが店長(井川比佐志)から野村の教育係に指名される。最初は反発し合っていた2人が徐々に心を開くのはこうしたドラマの定跡と言えるが、この映画、べたべたしない展開が非常に良い。少しずつ少しずつ、2人は距離を縮めていくのだ。原作では中年女性のあきを25歳の女性に変更したのはロマンスの要素を取り入れるためだそうで、それは成功している。

町並みにそびえ立つ県庁のビルは庶民とかけ離れた県の政策、姿勢の比喩でもあるのだろう。高層ビルから下界に降りた野村は庶民の高さで物事を見ていくようになる。そしてスーパーの現状を仕方がないとあきらめていたあきも野村によって変わっていくことになる。「出会うはずのなかった二人 起こるはずのなかった奇跡」というこの映画のコピーは内容を端的に表していてうまいと思う。外国人もいるスーパー店員たちとの交流や売れる弁当を作るために主人公が奮闘する「満天堂」内の描写はどれも良い。残念ながら、県庁の描写はやや誇張された部分が感じられる。プロジェクトの話も原作にはないそうで、どうもこの部分の処理があまりうまくないのだが、人生の絶頂にあった主人公が転落するドラマティックさを強調するためには必要だったのかもしれない。

柴咲コウは「日本沈没」の撮影が終わって1週間でこの映画の撮影に入ったそうだ。準備期間がほとんどないままで、これだけの演技ができるのなら大したものだと思う。大作などよりはこうした生活感のある役の方が向いているのではないか。


2006年02月27日 [Mon]

パースエラー

170行ほどのXSLTのサンプルを書いてIEで表示したら、パースエラー。書き間違いは絶対あると思っていたし、どこかにエラーがあるのは分かっているのだが、IEは具体的に指摘してくれない。Firefoxで表示したら、何行目の何番目にエラーがあるのかちゃんと指摘してくれた。XMLに関してはFirefoxの方が優秀。

ま、IEより新しいブラウザなので当たり前か。IE7はどの程度進化しているのだろう。ベータ版はもう出ているけれど、インストールする気にはなりませんね。


2006年02月28日 [Tue]

「Firefox」プラグイン特集 v1.5対応版 第1回

この中のAutoCopyが便利そうだったので、インストール。ブログ向きの機能だと思う。これで、自作のtDiary支援秀丸マクロにあるリンク挿入機能が使えればなあと思って、やってみたら使えた。以前の(まだベータ版時代だったか)Firefoxでは使えなかった。いや、英語のページでは使えても日本語のページで使えなかった(日本語が・・・となって表示されなかった)ので、使えないと思いこんでいたのだった。マクロのリンク抽出のサブルーチン部分はこんな具合。

LinkSub:
ddeinitiate "iexplore", "WWW_GetWindowInfo";
   if(!result){ddeinitiate "firefox", "WWW_GetWindowInfo";
     if(!result){ddeinitiate "sleipnir", "WWW_GetWindowInfo";
        if(!result){ddeinitiate "opera", "WWW_GetWindowInfo";
           if(!result){message "ブラウザが起動していません。";
           endmacro;}
        }
    }
 }
    $url = dderequest( "0xFFFFFFFF" );
    $url2 = $url;
    ddeterminate;
        if( leftstr($url, 1) == "\"" ) {
        $url = midstr($url, 1, 1024);
        #x = strstr($url, "\"");
        if( #x >= 0 ) {
            $url = leftstr($url, #x);
        }
    }
    $url2 = midstr($url2, #x, 1024);
    $url2 = midstr($url2, 4, 1024);
    #y = strstr($url2, ",");
    #y = #y-1;
    $url2 = leftstr($url2, #y);
    insert "<a href=\"";
    insert $url;
    insert "\">";
    insert $url2;
    insert "</a>";
return;

Operaは最新版をインストールしてみてもやはり使えない。URLの抽出とAタグの形式にはできるが、ページタイトルが取得できない。英語のページでもダメだった。


[管理人にメールする] [シネマ1987online]